- Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560070321
感想・レビュー・書評
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リア王のような主人公を創作したかったけど、タイモンにはリア王には備わっていた威厳が欠けていて馬鹿すぎるので放棄したのかな?
シェイクスピアの研究者の中にも、アテネのタイモンをリア王の最初のスケッチだとか、死産した双生児だとか読んだ人たちもいたみたい。
時代的な背景もあって、シェイクスピアの戯曲は基本的に女性を見下しているけれど、アテネのタイモンは一際ひどい。
何もかも失って、友達すらじつはいなかったことに気づいて、現実を見据えて現状を改善する能力は彼にはないので、とにかく女性に八つ当たりをしていたのか?とにかく馬鹿な男だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイモンは両極端な人物である一方、現実を直視せず自分の世界に逃避する姿勢は物語全体を通して変化しない。前半は人々に大盤振る舞いをする慈善家のように見えるが、執事の財政報告に耳を貸さず、また施しをする相手を見極めようともしないのは一種の傲慢というか、心が世界に対して閉ざされているのではないか。後半では「中庸を知らない」と言われるが、彼には現実を直視する目も欠けていると思う。
現代版でSNSいいね中毒みたいなアレンジをしたら面白いかも。 -
人を信じ疑わず、されど傷つけられれば崩れていく。
シェイクスピア作品の中で一番好き。 -
・解説には未完であるとか、筋が通らないとの評価があると書いてあったが、タイモンの迫力ある態度は、説得力があるものであると感じた。
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書店で見かけて衝動買い。シェークスピアによる「お金」をめぐる悲劇と言ったら良いか?他の有名作品と比べると、かなりアラの目立つ内容で何とも評価し難いところがある。やはり色々と研究者の間でも議論のある作品のようで、巻末の解説の内容も興味深いものだった。
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未完?
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原題: Timon of Athens
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初・真面目シェイクスピア。話の謎が多く残ります。本来はもっと長い作品なんだけど、随所随所で抜け落ちてしまっている感じ。