- Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560072424
作品紹介・あらすじ
密林の捨て子と先住民の娘エバは、様々な家や土地を転々としながら成長し、愛と革命を知り、物語の語り手としての自分に目覚めていく。
感想・レビュー・書評
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多分 過去に3冊ほど読んでいて、あんまり記憶になくいい感触もなく、今回もやっぱり同じでした。女性でもあるし、装幀がきれいで手に取りやすい作家なんだろうけど。。。作家のしてのグレード、力量は、ラテンアメリカ抜きにしてもかなり上位ってのはわかるんだが、なんか苦手なのよ。家族でテレビ見ててもドリフの加藤茶のお色気は大丈夫だけど、9時からの「極妻」のベッドシーンは気まずいみたいな。気まずいに理由ってないじゃん、そーゆーこと。私はこの人苦手だなあ。
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まあ濃いこと、登場人物全員。
それは、物語全体に通じていて、それ自体が持つ力強い生命力に引き込まれてぐいぐい読み進めた。
ナランホが革命を成し得たとしても、女である自分の運命を変えることはないとエバは気づく。そして、自分の道は自らの手で切りひらかねばならぬのなら、楽しく戦って行こうと決意する。
ナランホに惹かれてはいても、彼とその行動は別ものだと割り切れる冷静さと旺盛な独立心があって、かっこいい。
エバは、恋愛小説を読みだしてから、ありきたりなハッピー・エンドに飽き足らず、自分好みの悲劇的な結末にお話を作り変えた、とあったので、きっとこの物語もそうなるのだと覚悟してたが……。 -
お話し好きなエバの数奇な半生。ベネズエラと思われる政情不安な国で繰り広げられる力強い物語。
ページ回転力が凄いw面白さ。今年出会った本の中でもダントツ1番の印象。面白い小説を復刊していて素晴らしい白水Uブックスは、新書スタイルなので、一行が普通の本より長く、ときに読みにくいけど、全く関係のないリーダビリティ最強の小説だった。
スピンオフというか、お話集である「エバ・ルーナのお話」も連続して復刊。
アジェンデと言えば、精霊たちの家。これも読まないとなぁ。 -
おしゃべりにオチがないと気が済まない人たちがいる。そして小説に教訓や気づきがないと読めない人たちがいる。この話にそんなものはない。南アメリカの独裁国家で、エバ・ルーナは捨て子だった母親と先住民の庭師の間に生まれた、お話を作るのが得意な女の子。人間の剥製を研究する博士の屋敷で育ち、後にゲリラのリーダーになる不良少年、娼婦の元締め、女性になりたい芸人、兎口のアラブ人商人たちと出会い、愛を知り、革命に関わり、自分の人生を切り開いていく。後書きではこれをピカレスク小説としてまとめている。自由で破天荒な主人公のスカッとする生き様を描く話だ。そうなのかもしれない。そうじゃないのかもしれない。この話の魅力は、確かにしがらみのないエバの、まっすぐな逞しい生き方だ。エバを含め登場人物たちも偏見や社会のルールからはみ出した人たちばかりだ。そこが羨ましくなるくらいの世界観を存分に楽しみたい。