中国の「一帯一路」構想の真相: 陸と海の新シルクロード経済圏

  • 原書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562055722

作品紹介・あらすじ

シルクロード経済ベルトにかける中国の地政学的戦略はもとより、東南アジア、中央アジアを中心とする関係各国への影響や、EU等の経済圏との比較まで、グローバルな視点から解説された決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 何となくは解るが結論からかの構想の像は知れない

  • これが全てではないのだろうが、一帯一路における中国進出の実態を追った本。ミャンマーやスリランカ状況がショッキングです。経済から入り、労働者派遣や融資の提供により、徐々にコントロールを拡大する様がかなりきな臭く、最後は安全保障の問題に至る、というのがよく分かりました。

  • 中国の経済進出フロンティアの状況をルポ。習近平の打ち出した一帯一路は、中国の復権というか歴史上の地位の再興を目指すものであるが、歴史的に海上の拡張はほぼなかったのに対し東南アジアの海上交通路を中心に派遣を明らかに目指しているなどの違いがある。陸上はパイプライン、道路などのインフラ整備を金、人の力で開発をごり押ししてきているし、それはある程度奏効している。一方急速な進出と地元民との軋轢は多く、文化的にはうまくいっているとは言い難い。
    カンボジアなどの強権的政権については、中国の今のところ強引なバラマキ政策は功を奏しているが、ミャンマーでは政権の交代が起こり、民衆の反中国的態度が露見して中国の浸透度が弱まるなど、前車との相性が良いようだ。

  • 中国の目指す方向が分かりやすく解説されている。

  • アメリカは政治力、軍事力を以て地域・他国を囲い込んできた歴史があるが、中国の「一帯一路」は経済的なWIN-WIN関係に基づき近隣の国々を囲い込もうとするもの。国際政治上、新鮮味があると思いきや、歴史を更に遡れば、”中華”思想の下、同じようなことが行われていたわけで、今のアメリカの振る舞いと比べると、その歴史・経験の差が出ているような気がする。より戦略的ということにおいても。
    ただ、「一帯一路」が経済的バブルを他国に広げていることにはならないのか?
    市場原理が効いていないところに不気味なところあり。

    抜粋
    ・地域同盟を形成してアジアに力を及ぼすアメリカとは違い、中国はその地政学的目的を追求するために経済的パートナーを必要としている。
    「一帯一路」の戦略的目標は、開発の推進力としての中国の地位を固め、アジアからさらに広い範囲に相互依存のネットワークを形成することだ。中国政府は巨額のインフラ投資がアジア諸国にとって、安全保障上の不安よりも経済的利益を優先させる動機づけになることを望んでいる。

    ・アメリカとアジアの同盟国は、アジアに影響圏をつくり上げようとしている中国の決意を認めなければならない、と私は考えている。そして、中国の成長が必然であるならば、とるべきもっとも安全な道は、再編成した地域安全構造の中に中国を受け入れることである。

  • 東2法経図・6F開架 332.22A/Mi27c//K

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