- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784568504286
感想・レビュー・書評
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美術系に進学した次女が授業で勧められたという本を読んでみました。英語を教えている私にとっても、ずっと謎だったことがわかったり、フォントの歴史がわかったり、とても興味深く読めました。
実は、長年の謎が解けたのは合字のことなんです。こんな名前があったなんて!みなさんもスペルのfとiがくっついていたりするフォントが不思議だなと思っていませんでしたか?英語ではligature というそうです。合字にしないで並べたものと比較されていたり、あまり見たことのない合字もあったり、おもしろい!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高級ブランドは、どうして高級にみえるのだろうか。それは、無論蓄積された伝統であるとか、信頼という目にははっきりと見えないものが作用していることは間違いないと思う。
だが、例えばルイ・ヴィトンのロゴはなんとなく高級そうにみえる。その文字には安定感がある。
つまり、それはいわば「永遠の過去」が持っている権威をロゴが体現しているのだ。ただ単純にLOUIS VUITTONと文字が配列されているわけではない。実は文字の間隔に工夫が凝らされているのである。フォントには様々な種類があり、ある種の暖かみや逆に冷たさを演出できたりする。がフォントの重要な役割は、伝える言葉が見る人の頭に違和感なくスッと入っていくような自然さを持たせるということなのだ。 -
文字からカルチャーが読み取れるのが面白い
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普段何気なく目にしているロゴや看板も、
実は細部の拘りがあるんだと教えてくれる本です。
普段なかなか気にしないフォントの世界を知ることで、世界がすごく広がります。
理論的な難しい説明は少なく、ほとんどが写真のため、
デザインに興味がない人でも気軽に楽しめます!
是非読んでみてください! -
ブランドのロゴって、なんであんなに高級感があるんだろう?という疑問から始まる本書。
最初に出てきたのは、王道感のあるフォント。これって実は、古代ローマ時代の石文から来てるんだって!知ってましたか?
ひとつのフォントを見てなにかをイメージできるのって、歴史の文脈や知識が積み重なったメガネで見ている所以なんだなーって思いました。フォントは面白い! -
日本語フォントに比べ、欧文フォントがいかに充実しているかを知ることができた。高級なイメージを醸し出すもの。デザインに優れながらも視認性の高いもの。正確さや繊細さを表現するもの。様々な目的に合ったフォントが作成されており、企業などそれらを使用する側も、目的に合ったフォントを厳選していることを感じ取れた。
学術的な解説というよりは、読み物に近い感じで抵抗なくスラスラ読める。感覚的に欧文フォントの選択の大事さを伝えており、実例も紹介されていてわかりやすい。
個人的にはドイツの工業規格をもとに作られた「DIN NEXT」が印象に残った。デザイン的にもよく、ぼやけても文字が判読しやすいフォントだという。実際にぼやけた文字を他のフォントと見比べており、やはりわかりやすい。
フォント選びに対する意識が上がる。 -
この人の本は内容も面白いが写真がどれもキレイ。
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フォントデザイナーという職業があることを初めて知った。読みやすい口語調の文章と、豊富な実例が写真で掲載されている。素人がさらっと楽しく読める。
王道感①‥古代ローマの文字に起源。N・Oはほぼ正方形に、S・Eはその半分程度。ルイヴィトン(フツラそのままだか少し間を広めに取っている)など。
ドルガバはフツラだが文字間をギリギリまで詰めて若さ、都会感を演出。
王道感②‥銅版印刷に起源。中でも3種に分けられる。
1)平べったい系。E・R・SもOくらいの幅。ディーンアンドデルカやピエールマルコリーニなど
2)縦太め、横細め、セリフ細め。ディオール、エル、ヴォーグなど。
3)右に傾く筆記体(スクリプト体)。マイフェアレディ、ワインラベル、カルティエ、ショパールなど。
ドイツ文字‥黒みが多く骨太。伝統、歴史、重厚感を感じさせる。新聞のロゴなど。
昔はUが存在せず、Vで兼用→ブルガリ
ff、fl、fiなどの合字
手書き文字の差‥ドイツは1のくちばし長め、7に横棒、0のてっぺんにヒゲ
手書きだとuとnが同じで、uには上に棒をつける人も。
鉤括弧ルールも、イギリスは日本と同じ、アメリカはダブルクォーテーションが先。