日暮硯と改革の時代: 恩田杢にみる名臣の条件 (PHP新書 73)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569603636

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  •  江戸時代中期に松代藩の財政を立て直した恩田杢について書かれた「日暮硯」を解説。

     恩田杢は財政再建に当たりまず自らが利益を放棄し質素倹約に努めた。そして今までの悪い慣習をしっかりと指摘しつつ、仕方のないこととして罰は与えなかった。その上で百姓達と直接に対話を重ね、損をする者が納得してもらうことで改革を進めていった。対話にあたっては事前に様々な数値を把握し緻密な計算を持って説得に当たっていた。
     「日暮硯」には多少の脚色はあるものの、まず本人が身を正したこと、対話を持って改革に当たったことなど史実通りのことも多く、恩田杢の改革には現在の財政の立て直しにも参考になるものが多い。

     現在の日本の政治に必要なものが「日暮硯」には書かれている。

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著者プロフィール

国際日本文化研究センター名誉教授、大阪学院大学法学部教授。博士(文学)(京都大学)。専攻は日本近世史・武家社会論。主な著書に『主君「押込」の構造』(平凡社)、『士(サムライ)の思想―日本型組織・強さの構造』(日本経済新聞社)、『武士道の精神史』(ちくま書房)、編著に『徳川社会と日本の近代化』(思文閣出版)、『徳川家康─その政治と文化・芸能』(宮帯出版社)ほか多数。

「2020年 『信長の自己神格化と本能寺の変』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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