- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569621456
作品紹介・あらすじ
本書は、明治憲法の実像に迫り、起草者たちの姿勢と思想から日本の国柄とは何かを問う。現行の憲法論議に新たな視座を与える一冊。
感想・レビュー・書評
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明治憲法悪玉論は護憲派による不当な評価であるとし、米国に押し付けられた日本国憲法ではなく、自ら制定した明治憲法を再考する事により自主憲法(改憲論)を促進するという試み。よって、保守論客である著者の執筆動機はイデオロギー色が強い事は疑いようがなく、多少割り引いて読む必要はある。
とはいえ、ウエスタンインパクトに向き合う明治政府が近代国家を構築する上で、西洋政治思想をどのように受容し憲法を制定していったのかという葛藤の過程と、所謂「一等国」となってからの憲法解釈と運用の過程は「歴史に学ぶ」という点で色々と示唆に富む点が多い。またイデオロギーに関係なく、単純に憲法を軸とした近代日本の政治史的な歴史書としても十分に興味深い内容になっている。
そもそも憲法とは何なのか?著者はシュタインの「歴史法学」推しであるようであるが、その是非も含めて本書を通じて新旧憲法を比較・再考する事は有意義であるように思える。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「憲法はいかにあるべきか」を考える上で必読の書。
伊藤博文や金子堅太郎、井上毅らの構想によって作られた明治憲法、
その思想的な豊かさを伺うことができる。
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明治憲法が日本国憲法を
良く見せるためにその比較対象で悪者にされていた・・・
妙に納得。