島津義久 九州全土を席巻した智将 (PHP文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (521ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569664194

作品紹介・あらすじ

戦国時代の島津氏といえば、関ケ原合戦で敵中突破を敢行した島津義弘がよく知られる。しかし、薩摩・大隅・日向の三州統一を果たし、島津氏を戦国大名として飛躍させた当主こそ、その兄・島津義久である。二歳違いの兄弟であった義久と義弘は、兄の「智」・弟の「勇」によって九州全域を席巻し、島津氏の最大版図を現出させた。▼じつは当主であったことがない義弘に比べ、義久があまり語られてこなかったのはなぜなのか。本書では、一門や譜代、国衆の間にも火種を抱えながら、家中の結束に力を注いだ義久の苦悩に満ちた闘いの日々を描いていく。やがて秀吉との対峙と臣従、関ケ原後の家康との駆け引きと進むにおよび、要に座る義久の知恵と胆力が光ってくる。合戦での武勇譚では弟に劣るものの、最後に存続の危機から家を守った器量人の姿に、面目躍如たる義久の実像を見る思いがする。▼鹿児島出身の歴史作家が渾身の筆で描く力作長編小説!▼文庫書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 島津の長として、太守として、そして長兄として、思慮深く生きていく義久のお話。
    次男と四男に好き勝手されて、胃が痛いどころじゃない。
    三男の最期に涙。

  • 弟義弘は有名だが島津家当主義久は余り知られていない。まだ兄弟4人が若い時は祖父、父の悲願三州統一を心を一つにして目指していた。しかし領地が増え戦線が拡大されていくと自分の担当の方面の攻略を優先させてゆく。特に義弘と家久にはその傾向が強く義久は上手くお互いをコントロールする。まさに大将の大将と言う表現がぴったりの戦国大名。しかしこれだけ有名な武将なのにいまいち業績も肖像画も残っていないのが昔から不思議だったが後書きの忠恒との軋轢が原因だとわかり納得した。

  • 島津と言えば「義弘」の方が有名なのかもしれませんが、当主はコチラでございます(義弘が義久の次の当主説もあり)。
    とにかく長男は「義久」、次男が「義弘」です。
    で、島津4兄弟、名将・猛将ぞろいで4兄弟の元、九州統一したと思い込んでいたのですが、4兄弟が団結しての統一という訳ではなかったんですね。
    まぁ、薩摩隼人・鬼島津の名の通り強かったんだろうなぁ~という結論です。
    島津については「島津の退き口」ぐらいしか詳しく知らなかったので読んで良かったと思います。

  • 読みにくい。おもしろくなるのは剃髪して龍伯になってからかな。もしくは諦観してから。

  • 非常に分厚く、かつとにかく登場人物と見慣れない地名が多いので、読むのに苦労するが、しかしその苦労の見返りとして、有名なようでいて、あまりどのような人物か明らかではない島津義久の考え方、行動原理、島津家の統治方法等を深く理解できた。

    「島津家久と島津豊久」では、島津の血の掟に従い弟と家老を暗殺する厳しい義久像が描かれていたが、本書では、秀吉や家康との力関係を見極めながら、いかに薩隅日3ヶ国守護の島津家を維持するかの観点で、島津家を俯瞰的に統治する義久像が描かれている。

    島津家を、九州引いては日本全土を支配できる大名とみるか、薩隅日3ヶ国守護とみるかで義久の行動に対する評価は分かれるのかもしれないが、私は後者だと思うので、兄弟・義理の息子、家老等との分裂をよく抑えて薩摩藩の基礎を築いた義久はもっと評価されてよい人物だと感じた。

  • 本作の義久は、「人として」或いは「リーダーとして」の“道”を説く祖父、日新斎の教えと、日新斎が彼に託した「三州統一」という悲願を胸に成長して悲願を達成するが、動乱の時代の中で波乱に満ちた人生を送る。それぞれに個性的な弟達もなかなかに味わいが在る…読みながら「格好の“大河ドラマ”ネタだ…」等とも思った…

    非常に愉しい作品なので、多くの皆さんにお奨めしたい!!

  • 九州に覇を称えた島津4兄弟の長兄島津義久の生涯を綴った文庫本。島津といえばどちらかというと弟の義弘の方が有名ですが、義久を題材にしているのが珍しい。勢力拡大につれてバラバラになっていく兄弟や晩年の家督相続に対する争いなど最後まで波乱の人生を描いています。

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著者プロフィール

桐野作人 きりのさくじん  
1954年鹿児島県生まれ。歴史作家、武蔵野大学政治経済研究所客員研究員。歴史関係の出版社編集長を経て独立。戦国・織豊期や幕末維新期を中心に執筆・講演活動を行う。
主な著書に『織田信長―戦国最強の軍事カリスマ』(KADOKAWA)、『本能寺の変の首謀者はだれか』(吉川弘文館)、『真説 関ヶ原合戦』(学研M文庫)、『島津義久』(PHP研究所)、『さつま人国誌 戦国・近世編』1・2・3(南日本新聞社)など。

「2022年 『関ヶ原 島津退き口 - 義弘と家康―知られざる秘史 -』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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