最高指導者の条件

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569698014

感想・レビュー・書評

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  • オードリー・タン氏の書を読んで、李登輝氏の書を手に取る。指導者の条件について、氏のクリスチャンとして、聖書の引用。旧日本人として日本の諸制度からの引用、中国人として儒教を含む古典からの引用をもとに、氏の哲学がのべられている。

  • 李登輝氏が日本語で書いたリーダー論です。まず日本語がうますぎることと、日本の伝統的な精神修養についてとても詳しいことに驚きます。京大で学んでいたそうで、そのころに東西の名作文学や哲学書、一般教養などに多く触れたことにとても感謝しており、当時の台湾エリートは日本の教育で育った人が多かったようです。
    リーダー論としては、無私、伝統の重視、災害時の現場指揮、民主主義の考え方、精神修養の必要性、など。もともと農学の学者でありながら、政界に出て台北市長などを経て総統に就任し、中華民国の歴史上初めて総統の直接選挙を実現したことや、大陸側との所謂両岸関係、台湾地震からの復興など、難しい課題に取り組んで10年間総統を務めた彼を支えた素養の一端を伺えました。

    【メモ】
    後藤新平が明治時代に赴任してきてわずか9年足らずで台湾を近代化した功績。
    災害時の対応:直接現場を見て指示すること。遺体処理や生存者への対応については東京大空襲での経験が生きた。
    民主主義とターンパイク理論。民主主義で望ましい成果を出すのは時間がかかる。性急に進めようとすると短期的な利益に目が行きがち。
    日本の政治はあまりに行儀正しく、非常に細かいことばかりにこだわりすぎる。大きく太く、物事を把握しなければならない。大事なのは「信念」であり、自らに対する「矜持」なのだ。そのためには精神修養が重要。

  • 「まさみち」という方が書いているレビューと同感。
    但し、折に触れて読み直すべき本だと思った。

  • 哲学と信仰 という点が気になる…

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  • もし李登輝氏の著作でなければ、「全体として凡庸」と言って差し支えない内容だと感じました。

    ただ、アジアはもちろんのこと、世界でもトップクラスの国家指導者であった著者が、自らの国家運営の経験を散りばめ、自らの思想・哲学を整理してくれている点において、価値があります。

    特に「Ⅰ 指導者が持つべき哲学」は、明確な信仰を持たない人が少なくない現代日本人にとって、信仰またはそれに代わる哲学の役割・効果・重要性に気付かせてくれます。
    この気付きは、人によってはその人生を大きく左右する可能性を秘めていると思います。

    全体を通して、文章は平易で、ボリュームも軽め。ちょっとした時間に読了することができます。
    気分転換に気軽に手に取ってみる、そんな一冊です。

  • 読みたい 図書館にあり

    内容(「BOOK」データベースより)
    国家・組織の命運は指導者の素質と能力で決まる。世紀の哲人政治家が書き下ろした究極の指導者論23章。

  • 李登輝は日本での植民地時代に日本語を学び、西田幾太郎や鈴木大拙らを読破して非常によかったと影響を受けている。日本人としては嬉しいことだ。
    彼は敬虔なクリスチャンとして常に信仰は忘れないとのこと、困った時は神様に相談する。

  • 哲学と信仰。

    指導者として、何をしなくてはいけないのか。
    彼なりの哲学を感じた。

    政治においては、
    直線の最短距離より、
    遠回りの方がいいかも知れないと彼は言う。

    確かに、直接的なアプローチが、
    必ずしも良い結果を招くわけではない。

  • 指導者は、精神的・哲学的な面を磨く必要があり、権力に溺れず、人事に関してはクールに振舞わなければならないというようなことを実感しました。

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著者プロフィール

1923年台湾生まれ。元台湾総統。農業経済学者。米国コーネル大学農業経済学博士。京都帝国大学農学部在学中、終戦のため学業半ばで帰台。台湾大学に編入し卒業。米国アイオワ州立大学大学院を経て、台湾大学教授。71年に国民党入党、72年行政院政務委員として入閣。台北市長、台湾省主席などを歴任。84年に蒋経国総統から副総統に指名される。88年蒋経国の死去にともない総統に昇格。96年台湾初の総統直接選挙で当選し第九代総統に就任。2000年任期満了で退任。07年第1回後藤新平賞受賞。20年7月30日死去、享年97。

「2021年 『人間の価値 李登輝の言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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