女城主 戦国時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569766102

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  •  戦国時代の城代として立ち居振る舞った女性に焦点を当てた短編集。井上靖「本多忠勝の女」、岩井三四二「母の覚悟」、植松三十里「虎目の女城主」、滝口康彦「立花誾千代」、山本周五郎「笄堀」、池波正太郎「夫婦の城」と六篇を収録。たまにこういった短編集を見ると、普段読まない作家の作品を知ることができて、ありがたい。
     個人的には有名どころの立花誾千代をもっと深掘り出来れば面白みを増すキャラクターとしても磨きがかかると思われる。
     それにしても戦国時代の根底としては、いかに命を、それ以上に家を保ち続けるべき使命があろう。その使命を最上のものとして生きていくことに、女性ならではの立ち居振る舞いに凛とした素晴らしさが、どの作品にも表れていたように思う。

  •  戦国時代、城代を務めた実在の女性たちを題材とする、時代小説アンソロジー。
     女の身で家督を継いだ者、妻あるいは母として主君不在の城内をまとめあげる者。
     立場は様々だが、それぞれに領国の命運を背負い、一族郎党と領民を守るべく重責を担い、腹を括って生きた女性たちの覚悟の鮮やかさが沁みる。
     すべて短編で構成され、筆致に各々のカラーが出ているのも見どころ。
     個人的には、豊臣秀吉による小田原征伐に伴い、天正18(1590)年に起きた忍城の戦いにおける、 成田氏長の妻・真名女を描いた山本周五郎作「笄堀」の余韻が素晴らしかった。

  • まさに傑作選。どの女性も凛としていて、いさぎよく、本当に格好いい。
    「本多忠勝の娘」井上靖、「笄堀」山本周五郎(忍城籠城の話)、「夫婦の城」池波正太郎(小幡信定と長野業政の娘)、「立花誾千代」滝口康彦、「虎目の女城主」植松三十里(井伊直虎)
    どの作家も好きな作家で、とりあげている女性、人物魅力的。面白くないはずがない。

  • 2018.9.27完了
    短編なので読み易い。
    由良家とか普段知りえないお家の話は興味惹かれる。

  • 色んな作家の作品が読めるオムニバス的な本で楽しめた。

    植松三十里の虎目の女城主が良かった池波正太郎の夫婦の城が一番好きな話で読めて良かった。
    好き嫌いが激しい性分なので、普段は手を出したことがない作家の作品にも触れられる良い機会になった。

  • 全くの大河ドラマ便乗本。直虎の幼名が十和で直親の妻が志乃って、キャスト発表されてから書いたとしか思えん。
    忍城の話と金山城の話は良かった。長尾顕長ダメ城主疑惑発生w

  • 戦国乱世の中に咲いた六人の女城主たち。池波正太郎「夫婦の城」、植松三十里「虎目の女城主」、井上靖「本田忠勝の女」、滝口康彦「立花闇千代」、岩井三四二「母の覚悟」、山本周五郎「笄堀」の六編。

  • 女性が活躍する時代小説が読みたく、購入。様々な作家の短編を堪能できて満足。
    お気に入りは、「本多忠勝の女」、「虎目の女城主」、「笄堀」の3編。
    特に、虎目の女城主は井伊直虎がすきなので、ときどき涙腺がゆるんでしまった。大河も楽しみだなあ。本多忠勝の女も良かったので、井上靖の時代小説を読みたくなった。
    2016.12.22

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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