鯖猫長屋ふしぎ草紙(三) (PHP文芸文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569767680

作品紹介・あらすじ

長屋に戻ったおはまを見て猫のサバが毛を逆立てる。一体何があったのか。人情&ミステリの香り漂う、好評「鯖猫長屋」シリーズ第三弾!

感想・レビュー・書評

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  • 「鯖猫長屋ふしぎ草紙」シリーズ3作目。
    長屋で起こる怪異も事件も、誰よりも賢い鯖猫サバが解決!(笑)

    長屋の主ともいえる存在のサバを描くの専門の売れない絵師・拾楽。
    ひょうひょうとして覇気がなさそうだが、いつの間にか周りに頼りにされている。
    実は訳ありでこの長屋に来たため、出ていく潮時を見計らっていたのだが…

    働き者の若いおはまは気立てもいい可愛い娘。
    サバとも仲が良かったはずなのに、ある日、サバが毛を逆立てて…?!
    それは、おはまがとある使いを頼まれた帰りだった。
    実家と婚家を行き来する不思議な文箱とは。

    おはまの兄の魚売り・寛八が淡い恋をした。
    事情ある人妻だったが…

    サバの子分だからアジ、と名付けられた犬。
    このネーミングが楽しい。
    けなげなおはまを皆が心配し、見守っているんですね。
    若い娘のほのかな想いはいずれ消えると思っていた拾楽だったが、おや?
    おはまの危機とあっては、サバだって!ね(笑)
    快調なシリーズ、面白く読めました。

  • 鯖猫長屋 ふしぎ草紙 シリーズ3作目

    「鯖猫長屋」で猫のサバは、一番偉い。
    何を考えているのか、わからないが、厄介事が起きた時のサバは、気まぐれを一切見せない。必ず、サバのすることには、ちゃんとした理由がある。

    今回は、長屋に住む、おはまちゃんに、縁談が・・。

    兄の貫八は、相手が大店の跡取り息子だからと、大乗り気。本人のおはまちゃんは、・・。

    おはまちゃんを助ける為、猫のサバは猫を被って、悪者の本心を暴く。

    捨楽さんを一途に思う、純粋なおはまちゃん。捨楽さんは、その心を知ってはいるが・・。
    この二人の行く末は?

    二キの御隠居が、カッコ良かった。
    太市の子供らしからぬ、とぼけたキャラも、面白い。

    次シリーズが、どのように展開されるか、楽しみ。

  • 鯖猫長屋の画師・拾楽と長屋を仕切る猫のサバ。
    人情あり、怪異あり、ミステリーありの時代劇連作短編集、第三弾。
    其の一 出戻り文箱・・・実家と婚家を行き来する、文箱の謎。
          思えば、これがおはまに関わる事件の発端だった。
    其の二 鯵の三枚おろし・・・魚の振り売り貫八の淡い恋。相手は
        浪人の妻だが夫は行方不明。押し込みの一味との関連は?
    其の三 長屋の花火・・・寺に居た犬を慈しむ、おはまと拾楽。
            しかし、楽しい長屋の花火見物の後、
            おはまに縁談が!しかも相手はいわくつきの男。
    其の四 猫かぶり・・・一見、好人物だが実は悪癖のある男。
           大店の若旦那で、家は権力にも繋がっている。
        これ以上犠牲を出さないために、皆が動く。成田屋、
        お智、深川の主と太市、もちろん拾楽。そして寺でも!
    冒頭に、根津・上野・池之端の絵図、鯖猫長屋をめぐる人々、
    鯖猫長屋<見取図>有り。これはありがたい(^^♪
    画師・拾楽と猫のサバのコンビが活躍する、時代劇の3冊目。
    出戻り文箱の事件が発端となり、進行する現在と過去の事件。
    怪異で始まり、恋繋がり、アジ繋がりで物語は進行し、
    其の四での大団円。成田屋は義理人情に厚いし、
    深川の主ことニキの隠居はカッコいいし、拾楽の男気も良い。
    そして若旦那以上の、猫のサバの猫かぶりぶり!
    しかも幽霊まで退散させるのって、いやはやスゴイ御猫様です。

  • サバの大活躍は、本当に素晴らしい。
    特に、最終話の、あのクライマックスは、半端な人間よりもかっこいい。
    最初のエピの文箱の件が最後まで後を引いて怖いことに。
    でも、鯖猫長屋にはサバがいるし、拾楽も掛井もいるからね、みんな、きっと大丈夫。
    さて、シリーズ既刊3冊、読み終えてしまった。早く続きが読みたいものである。

  • さてさて、元盗賊の主人公は年貢の納め時だろうか。
    相変わらず猫にこき使われている主人公だが、猫好きの方にはたまらない作品だろうな。

  • 幽霊話と思いきや、身の毛もよだつ「人」の話だった。げに恐ろしきは人なり。

  • 猫のサバが仕切る鯖猫長屋の事件簿第三弾
    おはまのピンチを長屋の皆で助けます
    拾楽の隠れた優しさがバレバレになりつつあり。新たな登場人物、太市とニキの隠居
    との絡みもこれから続きそう。楽しみです

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    人間より偉い猫サバが仕切る「鯖猫長屋」で事件が!店子たちに愛されているおはまに、サバが毛を逆立て、飛びかかったのだ。その日おはまは奉公先で、ある大店へ届け物を頼まれたという。しかしそれが「出戻り文箱」と噂のものだった。元盗人で、今はサバの飼い主である画描きの拾楽は事情を探るが…。江戸の根津宮永町を舞台に、謎解きと人情が絡みあう、好評シリーズ第三弾。文庫書き下ろし。

    令和5年4月26日~28日

  • 長屋を統べるだけでなく、犬まで配下に。
    おそろしや、鯖猫。
    この殿様っぷりはどこから来るんでしょ。

  • サバ(猫)が無敵すぎる。拾楽もアジ(犬)をとめる場面がカッコいい!出来すぎな場面が多い分、おはまの兄みたいな単純な人は人間味があってほっとする。

  • 鯖縞模様の三毛猫サバが一番いばっている
    「鯖猫長屋」で、店子たちに愛されているおはまに、
    サバが毛を逆立てて飛びかかった。
    その日、おはまは「出戻り文箱」と噂される
    届け物を頼まれていて…。
    「鯖猫長屋」シリーズ第3弾。

  • 後ろ暗い過去のせいで好意を寄せてくれる相手に応えられないとしたら残念だと思います。
    優しくしてもらったら期待をしてしまうのです。

  • 初っ端から悲しい、、、動物が酷い仕打ちを受けるのは読んでいて本当に辛くなる。
    この冒頭の親子の会話がどう本編に絡んでくるのか気になりながら読んでいた。

    今回もおはまちゃんが騒動に巻き込まれる。なんだか、真面目に生きているのになんやかんやに巻き込まれてしまうのは可哀想だな。

    「出戻り文箱」ではオカルト?かと思ったら、ちゃんと犯人がいたのね。しかし、いくら番頭さんが酷い人とはいえこの時代は身分があるから、本人の想い人と結婚出来ないのは仕方がないのかな。このお話しは最後にはめでたしめでたしになるからいいけどね。女中さん達がしたことは本当にいいことだったのか考えてしまうな。

    アジこと麦が人を信用できなくなってしまった理由を考えるとすごく切なかった。そのうちまた若旦那に酷い目に遭わされるんじゃないかとハラハラして読んでいたけど、最後は幸せになってよかった。

  • 気にかけていた弟分の今際の言葉の願いが叶った今、拾楽は長屋をいつ出てゆくか考えるようになっていた。
    だが気のいい長屋の住人たちとあまりにも深く関わりすぎた。

    黒ひょっとこの異名で一時義賊をしていた拾楽だが、今は長屋のみんなに迷惑がかかることを恐れ足を洗った。
    だが拾楽に反感を持つ昔の同業者が次々と罠を。

    今回3巻目も十二分に楽しませてくれる一冊。

  • 捨楽とおはまはどうなるのかな〜

  • シリーズ、第三弾。
    第三弾が出るってことは、多くの人に愛されているってことでしょう。

    物語の世界が定まってきて、それを味わうのが楽しい、定番になってきました。

  • シリーズ第3弾。レギュラー陣のキャラが良いし、猫も可愛いしで、気に入っているシリーズだ。
    今回は貫八・おはま兄妹を巻き込んだ騒動。サバが相変わらず頼もしい。拾楽はお智さんの言う通り、けっこう面倒な性分なのかも。

  • 謎解きと人情と、人間より偉い猫サバの話だけど、毎回妖や霊などがもれなく出てくる。
    妖や霊などでしたって謎解きじゃなくて、人情で解決していって欲しい

  • 本編の前に付いている「つぶやき」みたいなのが本当に効いている。読み始めはなんだかわからないんだけど、全編を通していくと伏線になっている・・・素晴らしい構図。そして今回のサバ猫は「猫かぶり」に尽きる。今までは「御猫様」よろしくみんなの上に立って守ってくれていたのが・・・こんな技まで・・・。そして、この時代、好きな人と連れ添うのはなかなか大変なんだな・・・と。

  • 捨楽が長屋に馴染んだからか、おはまちゃんの恋にたじたじになっていて楽しい。
    シリーズ通してしっかりした内容で、安定感がある作品。

  • 2018.12.22読了

    鯖ネコの大将、今回も大活躍。
    おはまちゃんについた憑き物を追っ払い、奥手の貫八くんの初恋を心配したり、はてさて悪事を暴くために囮になったり。だらしなーい?飼い主を働かせるためせっせと爪を立てるサバはかっこいい!

    次も楽しみだね!

  • シリーズ第三弾。

    拾楽を慕うおはまに、大店の若旦那との縁談が持ち込まれますが、一見人当たりの良さそうなその若旦那は、実はサイコな危険人物で・・。
    今回もサバが大活躍、仔猫のさくらにも癒されます。

  • 安定して面白い。
    人情も謎解きも、あやかしも笑いもあり、それらがスッキリいい案配でまとまっている。

  • 文庫書き下ろし。なのでなかなか目に入らないのですよね。元が単行本のシリーズは。

    裏表紙に書いてあるあらすじの通りの話。
    人々の関係性は細々変わっていますが、概ね既刊どおり。
    猫の先生の過去話がフレーバーっぽくなっていたので、もうそちらの話はひと段落ついたということでしょうか。
    影番なおてるさんがおとなしくてなんとも奇妙な感がある。
    安定して面白いです。皆に幸あれと思いながら読み終えました。

  •  弱い者虐めをする、質の悪い若旦那を、サバが退治。

     せっかくの出戻り文箱。もうちょっと怖くしてもよかったんじゃ?サバがとびかかった割に、姉思いのいい霊だったじゃない。

  • 前の2巻と同様、ゆうれい(漢字にしないほうがこの本のイメージに合う気がして)が引き起こす事件を、三毛猫のサバに促された、サバの飼い主である画描きの拾楽がイケメンのの同心掛井の協力を得て解き明かす。

    鯖猫長屋の住人も一人一人その人となりが描かれていく。長屋の住人の間にある強い絆と人情。それを守る猫。サバは絆の妖精なのかもしれない。

  • 【収録作品】出戻り文箱/鰺の三枚おろし/長屋の花火/猫かぶり

  • 人間より偉い猫サバが仕切る「鯖猫長屋」で事件が!店子たちに愛されているおはまに、サバが毛を逆立て、飛びかかったのだ。その日おはまは奉公先で、ある大店へ届け物を頼まれたという。しかしそれが「出戻り文箱」と噂のものだった。元盗人で、今はサバの飼い主である画描きの拾楽は事情を探るが…。江戸の根津宮永町を舞台に、謎解きと人情が絡みあう、好評シリーズ第三弾。

  • いや〜、面白いです。
    登場人物が魅力的❤︎
    掛井さんがイイですねぇ。

  • 其の一『出戻り文箱』
    其の二『鰺の三枚おろし』
    其の三『長屋の花火』
    其の四『猫かぶり』

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著者プロフィール

作家

「2022年 『鯖猫長屋ふしぎ草紙(十) 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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