大正の后(きさき) 昭和への激動 (PHP文芸文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569768434

作品紹介・あらすじ

妻として大正天皇を支え、母として昭和天皇を見守り続けた貞明皇后。その感動の生涯と家族との絆を描いた著者渾身の長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • ポーランドの孤児の救済に尽力されたことには触れられていなくて、ちょっと期待外れの感が否めない。

  • 正直、明治天皇と大正天皇って写真で見て知ってるくらいの認識。今まで触れる機会がなかったので、皇后節子の幼少期から話が始まるこの本はとても興味深く面白かった。

  • 近代日本において、正直なところ一番薄い印象なのが大正時代あった。
    だが、明宮、貞明皇后の名に相応しく
    天皇皇后両陛下が大正を導いたからこそ
    技術も文化も花開いたのだと思われる。
    九条節子という唯一無二の皇后を通して
    大正の時代を改めて見直すことができたと思う。

    皇后として、4人の皇子の母、そして国母として
    一貫として平和を唱え、弱き立場の者に手を差し伸べる姿がとても力強く印象的でした。

  • 大正天皇を知る第二弾。
    大正天皇の貞明皇后、九条節子の伝記小説。
    大正天皇の人間像、近代天皇制の実態、事実認識を得ることができた。
    一夫一妻制最初の皇后、また、社会活動にも従事したその姿は、まさに現代の象徴天皇制に繋がるもの。
    生い立ちや(含む会津との関係)、昭和天皇他、各々の子供達との関係性も興味深い。
    会津を訪れた際に、貞明皇后、雍仁親王妃勢津子のことが触れられていたことを思い出した。

    以下抜粋~
    ・かつて嘉仁は公家で育ったが、裕仁は、川村純義という薩摩出身の海軍中将のもとに預けられた。武家の家風で、たくましく育てないという天皇の意向だった。

  • 戦争続きの激動の時代、天皇も大変だったんだなと思える話。明治維新から昭和の戦争に至るまでの経緯がよくわかり勉強になりました。

  • 伝記・評伝小説というのは、噛み砕いて歴史と歴史上の人物を教えてくれるとてもいい読み物だと思う。私は昭和天皇のお母様という位置づけで読んだ。大正時代というのはあまりなじみがなくデモクラシー、ロマン、関東大震災という言葉と対に連想する程度。華族の娘さんが庶民の子と一緒に育てられることがあるなどとは知らなかった。上皇后さま皇后陛下と、お后の系譜は庶民にとって興味深いもの。平和について、福祉について、皇族方の努力の足跡を追ういいきっかけになる小説です。病弱な大正天皇を支えた、偉大な女性のお話です。

  • 大正天皇の后となった九条節子の物語。
    大正時代は、病弱な大正天皇のイメージと、15年という短い御代だったせいか、どこか時代と時代の「隙間」のような印象があった。
    本作は、あくまでも小説ではあるが、明治から昭和をつないだ大正天皇・皇后の存在を、確かに「大正」という時代があったことを印象づけた。

  • イオンの本屋で見かけて面白そうでそのまま買ってきた。その日のうちに読了して眠かった。とても面白かった。大正天皇ってあまりスポットが当たらなくてよく知らなかったのだけど、ドラマは当然あるよねぇ。

  • 平成最後の年に、この本を読めて良かったです。江戸、明治、大正、昭和の時代を知る大正皇后だからこその視点から描かれている作品でした。有名な日本と世界の歴史が、日本のトップである天皇家を取り囲む時代の様子からよく理解できて良かったです。戦争を経験し、大変な苦悩の末に、今の平和な世の中があるのだということを強く実感します。そして今ある平和を持続させ、さらに世界中の人々ができるだけ平和な暮らしができるように、努力していかなければいけないと思いました。また福祉の精神が貞明皇后からだということに驚きと同時に納得です。

  • 短い在位と病についての無遠慮な噂とで近現代の中では影が薄く、ある意味で謎めいた存在の大正天皇。彼を支え続けた貞明皇后についてはさらに知らないことが多かった。
    幼少期の特異な生い立ちも、お妃選びの顛末も、皇太后となってからの功績も、限りなく実像に迫っていると感じることができた。
    天皇との絆、信頼関係が物語を貫き、現代にそのまま繋がる血統を意識しながらも、物語として楽しめる貴重な素材だと思う。

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著者プロフィール

静岡県生まれ。東京女子大学卒業。2003年『桑港にて』で歴史文学賞、09年『群青 日本海軍の礎を築いた男』で新田次郎文学賞、『彫残二人』で中山義秀賞。著書に『帝国ホテル建築物語』『万事オーライ』等。

「2023年 『羊子と玲 鴨居姉弟の光と影』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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