- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569769608
作品紹介・あらすじ
おてるの夫・与六の隠し子だと名乗る子供が「鯖猫長屋」にやって来る。長屋の面々は大騒ぎ。その時、サバは――。人気シリーズ第7弾!
感想・レビュー・書評
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鯖猫長屋の画師・拾楽と長屋を仕切る猫のサバ。
人情あり、怪異あり、ミステリーありの時代劇連作短編集、第七弾。
人気戯作者の豊山が、長屋に戻ってきたことから始まる事件。
其の一 出戻った獏・・・豊山歓迎の宴会に長屋の全員が集まる。
楽しい雰囲気の中での拾楽の気づき。事件の前触れか?
其の二 泣いた鬼・・・与六に隠し子?現れた六太。磯兵衛、お智、
掛井をも巻き込む事に。おてるは・・・夫婦の愛の絆は強し。
其の三 喋る犬・・・ひょんな縁で長屋に来た惣吉と犬のむくだが、
ある事をきっかけに言葉が交わせない。豊山を探す男も登場。
其の四 鉄の鼠・・・戯作の如くの出来事は、ついに事件に発展。
二キのご隠居も動く事態に。独り善がりの確執の怖さよ。
冒頭に、根津・上野・池之端と下谷・上野の絵図、
鯖猫長屋をめぐる猫と人々、鯖猫長屋<見取図>有り。
画師・拾楽と猫のサバのコンビが活躍する、時代劇の7冊目。
各話の冒頭は幽霊の山吹の語り。
豊山が長屋に戻ってきた理由は、その作品に有りました。
起こる出来事や事件も、その作品が始まり。
山吹が心配する霊より怖い、人が関わって起きる。
もしかして、作家自身の経験なのかと、勘ぐっていまう。
そんな中、其の三の、ひょんなことから長屋に転がり込んだ、
惣吉と犬のむくの話は、絆を感じさせる心地好いものでした。
また、山吹の語りは、話を読み終わってから読み返すと、なるほど。
山吹色は可愛い色で、なんかお茶目ね(^^♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ第七弾。
以前“鯖猫長屋”に住んでいた、戯作者の長谷川豊山が戻ってきます。彼が書いている読本に関する噂の裏に、何か剣吞な企みが見え隠れ・・。
例のごとく、サバに“やらされる”感じで拾楽が真相究明に動くのですが、成田屋の旦那との掛け合いが、傍から見て楽しそうです(拾楽は否定すると思いますが、二キのご隠居にも“じゃれ合い”と言われていたし、仲がよろしいようで何より)。
今回、其の三「喋る犬」に登場した、犬の“むく”が賢くて健気で、惣吉さんとむくの“会話”に心が温かくなりました。
このシリーズ登場するワンコは、健気でいい子ばかりですよね。 -
豊山と豊山にとり憑いてる山吹が長屋に厄介ごとを抱えて帰ってくる話
与六とおてるの夫婦愛には感動です。拾楽とおはまちゃんの仲も少し進行 -
登場人物がとてもイイ。
ちょっと進展もあり…続きが気になります。 -
今回は妖系とミステリーのバランスが五分五分だった。
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今回の騒動は豊山の物語と似た出来事が起こるというもの。
おてるさんの可愛らしいところが見られてなんだか嬉しくなってしまいました。 -
内容(ブックデータベースより)
謎解きは猫にお任せ? それとも――。
鯖縞模様が美しい「俺様猫」サバと、飼い主である画描きの拾楽が暮らす「鯖猫長屋」に、以前ここに住んでいた戯作者・長谷川豊山が戻ってきた。なにやら厄介事を背負ってきたようで……。
そんな折、おてるの亭主・与六の子だと名乗る男の子が「鯖猫長屋」に現われる。動揺を隠し、気丈に振る舞うおてるに対し、サバの大将と長屋の面々は?
今回も、サバの仕草がキュートでたまりません! 謎と人情あふれる人気シリーズ第七弾。
文庫書き下ろし。
令和5年5月11日~13日 -
豊山、好きなキャラが中心のお話しなので楽しく読めた。
妖長屋春秋読んでみたい。 -
戯作者「長谷川豊山」が久しぶりに長屋に住むという。
なにやら厄介ごとがありそうな。
相変わらず背中には早逝した吉原の山吹の霊が取り憑いて入る。サバはなんとなく見張っている。
新境地・鯖猫長屋の親しい仲間をモチーフに描いた『妖長屋春秋』は、妖怪が住む長屋のモチーフだ。
ところが物語ができると、まもなくよく似せた事件が起こった。
死人が出る前まではそれはそれで放置してもよかったが、とうとう死人まで出ると。。。。
登場人物の鮮やかなキャラクターと、和気藹々の台詞回し。読み応え十分なシリーズ7巻。