- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569809830
作品紹介・あらすじ
尖閣諸島購入問題、東京電力とのバトル、オリンピック招致etc.難題を乗り越えるリーダーの、物の見方・考え方23。
感想・レビュー・書評
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昨年末に東京都知事に就任された、猪瀬直樹さんの寄稿集となります。
石原さんの下での副都知事時代のエピソードが主体で、読み応えありました。
中でも、3.11の際の Twitter から始まった救出劇は圧巻でした。
詳細は『決断する力』でもとのことですので、是非そちらも読んでみたいところ。
「気仙沼→ロンドン→東京→都庁→消防と奇跡のリレーの絆でつながった」
そして個人的には、東京メトロと都営地下鉄の一元化は、是非お願いしたい。
道路行政を何とかしてしまった猪瀬さんなら、できてしまう気もしています。
政策の系譜で見れば、間違いなく石原さんを踏襲されているかと、、
政治の連続性との面から見ても、都知事としての信頼性は間違いなく。
「日本文学は、日本という国がこの世界でどんな苦労をし、
どう生き延びていくべきなのかを提示するという「家長」の役割を放棄したまま」
既存メディアからはあまり伝わってきませんが、
ご本人が作家であるのは頼もしい、わかりやすく発信してくれそうです。
そういえば、ビブリオバトルの紹介もされていて、
「本はタイムマシンだ」とは、さすがの表現だなぁ、、と。
今年はオリンピック招致がメインになると思いますが、
前回とはちょっと違った雰囲気で推移していると思います。
「これからの世の中を強く生きるには、
自国の歴史を知り、己のよりどころをすることも必要」
歴史教育でマッカーサーの副読本を使い始めたことがその端緒ともなればいいのですが、
ん、この方向性が根付いていけば、東京都の公教育は安心かな、、現場での運用は心配ですが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
猪瀬氏は都知事候補ということもあり、氏の思想・考え方を知るためにも近著を読むことにした。結果的には都知事として押しても間違いない人だと理解した。また、元々文筆家であることもあり、大変読みやすい文章だった。
本書で暴かれた事実の一つは、民主党政権が官僚操縦力を失っていることだ。政治家は官僚を動かさねばならない。電力問題も尖閣問題も、日本国政府は何もしなかった。
尖閣問題については勘違いをしていた。石原慎太郎氏のタカ派ぶりを心配していたが、杞憂であった。尖閣諸島購入は、かなり慎重を期して進めていた。しかし、民主党政権がちゃぶ台をひっくり返し、かえって日中関係をこじらせてしまった。そのまま東京都に任せておいたほうがよかったように思う。
本書は複数の雑誌への寄稿文をまとめたこともあり、かなりあちこちに重複した内容が見受けられた。もう少し編集をしてほしいところだが、選挙前に出版するというデッドラインを考えるとやむを得ないか(★一つ減点)。
氏のほかの著書『昭和16年夏の敗戦』や『日本国の研究』も読んでみたい。
<目次>
プロローグ 石原・橋下「討幕シナリオ」
? 東京電力との戦い
? 電力不足を救う
? 尖閣諸島購入問題
? オリンピックとスポーツの力
? 災後社会のネットワーク
? 東京のパワー
エピローグ “平常心”の保ち方
2012.12.09 東京都知事候補の最新作。読んでおくべきか?
2012.12.11 読書開始
2012.12.14 読了 -
尖閣諸島購入問題、東京電力とのバトル、オリンピック招致…。日々揺れ動く出来事をネタに、問題解決力を磨く考え方、行動の仕方をわかりやすく説明。ジャーナリスティックな物の見方を身に付けるのに役立つ。
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東京での最近の出来事を説明している本にすぎない。201407
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前東京都知事で作家である猪瀬直樹氏の著書。
東京都の副知事時代に雑誌に掲載された文章をまとめた本となっている。
文章としては読みやすく、話もよくまとまっている。
政治家として、いかに問題に取り組み解決していくのか、
猪瀬氏自身の実務遂行力の高さが感じられる。 -
日本の官僚の暴走を止められないのは、日本には元老がいなくなってしまったから。
東京都が尖閣諸島を購入するというのは良いプランだったが。
羊は駆除しないで、フィリピンとかカンボジアにあげればよいのに。
戦略なき国家運営の怖さを歴史から学ぶ。
国を運営するのは為政者であるが、その根底には深い思想や哲学がなくてはならない。そうした思想や哲学を語り広めるのは、文化人、作家の役目。
心が乱れない人は頭の切り替えが速い。地位さんあ自分のプライドを捨てて、頭を切り替えると、そこに新たな展開が開ける。 -
各雑誌に掲載済み文章の寄せ集めで、結果報告っぽいかな。
勿論、猪瀬氏の思考と行動の一端を理解する参考にはなる。 -
解決する力、と名付けて、マネジメントの本だとして売られているようだけど、日記である。しかしその日記から解決する力を読み取れ、ということかもしれない。ところどころに、作家である、というバックボーンというか、立場のアピールがあらわれて、副知事(当時)である前に作家であるという矜持が見え隠れする。僕は知事でも作家でもないしマラソンもしないけれど、ソフト(でもないか?)な自己アピールという点においては、大いに参考になるのです。
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著者の時事ネタ。
メトロの課題解決にtwitter活用とか今風。 -
猪瀬氏のこの手の著作中にはだいたい「作家の感性」やら「作家の分析力」やら「作家の〜」という言葉が出てくるがそんなのどうだっていい。この類の枕詞は特筆すべき点のない人間が拠り所に使うものであり、自称すべきものではない。猪瀬氏の功績の拠り所は「作家の〜」にはなく、前著のタイトルにもなっている「決断する力」にある。官僚制の問題は縦割りによる発想力だのの低下ではなく、トップダウンの硬直した意思決定を生むことにある。上が決定を下せば、すんなり進むのである。官僚制としがらみのない「外部」から招聘され、それを活かし迅速な意思決定を行っていく、彼のその「普通さ」こそ、がんじがらめなこの世の中での凄さなのである。