面白くて眠れなくなる植物学 (PHP文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569901046

感想・レビュー・書評

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  •  植物について知っておくべき知識だと思う。

  • コンパクトにまとまっていて良い。

  • 面白くはあったけど難しくてまだ途中泣
    植物好きな人は絶対好き読んで欲しい私は眠くなった

  • おもしろい。植物学というと小難しい感じがするけど、この本は気楽に読めて良かった。

  • 植物に関わるトリビア集

  • レベル感は高校生物にプラスαぐらい。日常生活で目にする花や野菜や果物に雑学的に触れながらだったり(花占いに向く花とか)、生命の大きな歴史の中での進化の話に触れながらだったり(恐竜との関係とか)とエピソードの幅が広く飽きずに面白く読めます。

  • 素直に面白かったー。そして植物の生命力に心震えました。

  • 人間は植物に恋してる。植物は美しく、その神秘さを嫌う人はいない。しかし、植物が綺麗な花を咲かせるのは子孫を残すためで人間のためにその美しさがあるわけではない。さらに、人間が美しいと感じる植物の色、形、リズムは合理性を追求した結果のものだ。
    大自然には均衡を保つための一貫した法則が成り立つ。人間は大自然に流れる法則に逆らうことができないからこそ、その偉大さに感動や美しさを覚えるのだろう。

  • サクッと読めて、面白かった!雑学の嵐。まだ読了して1週間だけど、すでに3人とこの話した。

    p.15 ともに生きることが美しさを生んだ
    17世紀のオランダでは、海洋交易で得た資産の投資先として、人々がちゅの球根を買い漁るようになり、球根の値段が異常に高騰するブームが起きました。これが世界最初のバブル経済だったと言われています。このチューリップバブルでは、球根1個に対して一般市民の年収の十倍もの値段が付けられたり、家一見と取引されたりしたのです。このときに特に高値で取引されたのが、花びらに斑点やツートーンカラーの複雑な模様が入った「斑入り(ふいり)」や「ブロークン」と呼ばれる品種です。チューリップに限らず、花びらや葉っぱに模様ができる「斑入り」と呼ばれるものは珍重されます。ところが現在では、この斑入りの模様は、ウイルスによって引き起こされる症状であることが知られています。植物はウイルスに感染すると、部分的に色素体に異常が生じて、モザイク状の斑模様が生じます。このウイルスに選る症状が美しいともてはやされているのです。

    p.45 昆虫と植物とは、競争しながらともに進化を遂げていきます。このような進化を「共進化」と呼んでいます。共進化は敵同士だけで起こるとは限りません。ミツバチなどのハチにみつを運んでもらいたい花は、ミツバチだけがみつを吸いやすいような花の形に進化していきます。すると、ミツバチもその花に潜り込みやすいように進化していきます。こうして、特定のパートナーシップが発達することによって、ミツバチにしかみつが吸えないような特殊な形をした花を、その花の蜜を好んで吸うようなミツバチが共に進化を遂げていくのです。

    p.82 この三大飲料には共通して含まれている物質があります。それが、カフェインです。カフェインには眠気を覚まして頭をスッキリさせたり、疲労を回復したり、集中力を高めたりするなどの効果があります。人類は、無数にある植物の中からカフェインを含む植物を選びだしたのです。どうして、植物は人間に良い効果をもたらすカフェインを持っているのでしょうか。カフェインは、アルカロイドという毒性物質の一種で、もともとは植物が昆虫や動物の食害を防ぐための忌避物質です。しかし、弱い毒は、人間の身体では薬として働きます。カフェインには、人間の神経の鎮静作用を妨げる毒性があります。そのため、人間の神経は覚醒や興奮を起こして身体が活性化されるのです。さらに、毒性物質であるカフェインを感じた人間の身体は毒に対抗するために生きるためのさまざまな機能を活性化させます。こうしてカフェインを摂ることで、人間は心身ともに元気になるのです。また、カフェインには利尿作用があります。コーヒーや紅茶を飲みすぎるとトイレに生きたくなりますが、これは人体が毒性物質であるカフェインを体外に排出しようとしているからです。

    p.86 常緑樹の種類
     常緑樹には、大きく2つの種類があります。一つは裸子植物の中の常緑樹です。被子植物が進化の過程で登場すると裸子植物は極寒の地に追いやられていきました。そのため、裸子植物は寒さに適応していく中で、葉からの水分の蒸発を防ぐtクァめに、葉を補足するようになりました。このような植物を「針葉樹」といいます。マツは針葉樹の仲間です。また、スギやヒノキ、モミなど、裸子植物の中には、針葉樹と呼ばれるものが多くあります。ただし、マツのように葉を細くしてしまうと、太陽の光を受けて光合成をする効率は悪くなります。一方、進化した被子植物には、葉が広い特徴があります。そのため、「広葉樹」と呼ばれています。葉を落とす新しいタイプの広葉樹は「落葉広葉樹」と呼ばれています。これに対して、広葉樹の中にも冬に葉を落とさない「常用広葉樹」があります。日本のような寒い冬がある地域では、常緑広葉樹は葉の表面をワックスそうで覆って、葉から水分が蒸発するのを防いでいます。これら常緑広葉樹の葉はワックス層によって表面に光沢があることから、「照葉樹」とも呼ばれています。

    p.112 植物は多様性のあるさまざまな子孫を残そうとしますが、バラエティに富むことは、人間が栽培する場合には、あまり良いことでありません。大きい大根の種子をまいたのに、小さいものや長芋のがあっては不便ですし、早く芽を出したり、遅く目を出したりされては、一斉に収穫することができません。野生植物は「多様性」が重要であるのに対して、栽培植物(人間淘汰された植物)は「均一性」が求められるのです。そのため、好みの植物体が得られたとしても、更にと歌を口返して一定の性質に揃うようにします。これを「固定」といいます。このように「選抜」と「固定」によって、栽培植物の品種が作られていくのです。

    p.158 草原の戦い
    植物は様々な植物の餌となります。植物にとって、動物に食べられる脅威に最もさらされている場所が、おそらく草原です。…草原の植物たちはどのように身を守ればよいのでしょうか。毒で守るのも一つの方法です。しかし、毒を作るにはそれなりに栄養分を使います。痩せた草原で毒成分を生産するのはかんたんではありません。また、毒で身を守っても、動物はそれに対する対抗手段を発達させてきます。

    イネ科植物の特徴
    草原で食べられる植物として、際立った進化を遂げたのが、イネ科植物です。イネ科植物の葉は、ガラスの主成分になるような計算という硬い物質を蓄えています。さらに、イネ科の植物は葉の繊維質が多く消化しにくくなっています。こうして、葉を食べられにくくしているのです。さらに、イネ科植物には、他の植物とは大きく異なる特徴があります。普通の植物は、茎の先端に成長点がありまwす。そして、新しい細胞を積み上げながら、上へ上へと伸びていくのです。ところが、この成長の過程で茎の先端を食べられると大切な成長点が食べられてしまうことになります。そこで、イネ科植物は成長点を低くしています。イネ科植物の成長点があるのは、地面の際です。イネ科植物は、茎を伸ばさずに株ものに成長点を保ちながら、そこから葉を上へ上へと押し上げるのです。これならば、いくら食べられても、葉っぱの先端を食べられるだけで、成長点が傷つくことはありません。ただし、この成長ん方法には重大な問題があります。上へ上へと積み上げていく方法であれば、細胞分裂をしながら自由に枝を増やして葉を茂らせることができます。しかし、作り上げた葉を下から上へと押し上げていく方法では、あとから歯の数を増やすことができないのです。そこで、イネ科植物は株元で茎を増やしながら、葉を押し上げる成長点の数を増やしていきます。これが分げつとよばれるものです。こうして、イネ科植物は地面の際から葉がたくさん出たような株を作るのです。

    牛には胃が4つある!?
    さらに、イネ科植物は葉っぱの中のタンパク質を最小限にして、栄養素を少なくし、餌としてm2力のないものにします。こうして、イネ科植物は葉が固く、消化しにくい上に栄養分も少ないという、動物の餌として適さないように進化をしているのです。しかし、このイネ科植物を食べなければ、草原の動物は生きていくことができません。そのため、草原植物は、イネ科植物を消化吸収するための、様々な仕組みを発達させています。たとえば、牛の仲間は胃を4つ持つようになりました。4つの胃のうち、人間の胃と同じような働きをしているのは、4番目の胃だけです。1番目の胃は、容積が大きく、食べた草を貯蔵できる様になっています。そして、微生物が働いて、草を分解し栄養分を作り出す発酵槽の役割をしているのです。まるで人間が大豆を発行させて栄養価のある味噌や納豆を作ったり、米を発行させて日本酒を作り出すように、牛は胃の中で栄養のある発酵食品を作りだしているのです。2番めの胃では、食べ物を食堂に押し返します。そして牛は井のなかの消化物を、もう一度口の中に戻して咀嚼する反芻という行動をするのです。牛が餌を食べたあと、寝そべって口をもぐもぐとさせているのは、そのためです。また、3番目の胃は、葉状胃と言われ、ひだがあります。食べ物の量を調整して、機械的にすりつぶし、まだ大きな塊の食べ物は一番目の胃や二番目の胃にもどしたり、消化しやすくなったものは、4番目の胃に送ったりしています。こうしてイネ科植物を前処理して葉を柔らかくし、さらに微生物発行発行を活用して栄養分を作り出していくのです。
     イネ科植物から栄養を取ろうとするならば、大量の草を食べて、4つもの胃を使わなければなりません。この発達した内臓を持つために、牛は容積の大きな体を持つようになったのです。

    p.168 縦に切るか、横に切るか
    ところで、玉ねぎは縦切りにする場合と、横切りにする場合とでは、涙の出方が変わります。実は横切りにしたほうが、涙が出やすい。

    植物の構造は、基本的に細胞が縦に積み上げたように並んでいます。こうして縦に積み上げた細胞を束にして、植物は横からの力が加えられても折れにくいようにしているのです。束を並べているので、横には折れにくい代わりに、束同士ではかんたんに離れます。野菜や材木などが縦に裂けるのは、細胞が縦方向に束になっているからなのです。もちろん、玉ねぎの細胞もおねじ用に縦に並んでいます。そのため、玉ねぎを縦切りにした場合は、縦に並んだ細胞と細胞とが離れるだけなので、細胞はあまり壊れないことになります。ところが、横切りにすると、細胞が切られて壊れていくので、刺激物質がたくさん出てきてしまうのです。
     もっとも、横切りにすると細胞が壊れるので歯ざわりが柔らかくなります。また、横切りにした玉ねぎを水に晒すことによって、辛味成分が水に溶けだして辛味が失くなります。そのため、玉ねぎをサラダにするときには、横切りにする方が適しているのです。
     一方、炒め物にするときは、縦に切ります。横に切ると、細胞が壊れて細胞内の成分が染み出してしまいます。そのため、縦斬りにして、できるだけ細胞を壊さないようにして、噛んだときに細胞が壊れてあじが出るようにしたほうが美味しくなるのです。

    p.176 胚軸は、根で吸収した水分を地上に送り、地上で作られた糖分などの栄養分を根っこに送る役割をしています。そのため、胚軸の部分は水分が多く、甘いのが特徴です。
    大根の胚軸の部分のみずみずしさを活かすならばサラダが最適ですし、甘くて柔らかい特徴を活かすならば、ふろふき大根などの煮物にぴったりです。

    大根の先端の部分は辛いのが特徴です。根っこは地上で作られた栄養分を蓄積する場所です。しかし、せっかく蓄えた栄養分を無視や動物に食べられてはいけないので、辛味成分で守っているのです。大根は先端になるほど辛味が増していきます。大根の根本の部分と、先端の部分を比較すると、先端の方が10倍も辛味成分が多いのです。そのため、大根の先端の部分は、味噌おでんやブリ大根など、濃い味付けにする料理に向いています。

    p.192 他の植物や支柱を頼りにしてよじ登る植物は、他の植物のように自分の茎でたたなくてもいいので、茎を頑強にする必要がありません。その分のエネルギーを使って、どんどん茎を伸ばすことができるのです。

    p.196 自家受粉のデメリット
    同じ花の中に雌しべと雄しべがあるのであれば、自分の花粉を自分の雌しべにつけて趣旨を作ってしまえば良さそうなものです。しかし、じっさいには、植物は風に飛ばしたり、昆虫を呼び寄せたりして、他の花に花粉を運んで交雑します。自分の花粉を自分の雌しべにつけて自分だけで趣旨を作っても、自分と同じような性質の子孫しか作ることができません。もし、ある病気に弱いという弱点があったとすると、自分のすべての子孫にその弱点が受け継がれてしまいます。その病気が蔓延すれば、自分の子孫は全滅してしまいます。自分とは違う性質を持つ他の個体と花粉を交換して交雑すれば、様々な特徴を持った子孫を作ることができます。環境が変化したり、どんな病気が蔓延しても、全滅することはないのです。

    p.212 光合成を行うとどうしても廃棄物が出てしまいます。それが、酸素です。酸素は生き物にとって必要な命の源ですが、もともとは、あらゆるものをさびつかせてしまう毒性物質です。ところが、酸素の毒で死滅しないばかりか、酸素を体内に取り込んで生命活動を行う生物が進化を遂げました。それが私達の動物の祖先となる動物プランクトンです。酸素は毒性がある代わりに、爆発的なエネルギーを生み出す力があります。そのため、酸素を手に入れた動物プランクトンは、強力なエネルギーを利用して、活発に動き回ることが出来るようになりました。そして豊富な酸素から作られるコラーゲンによって、身体を巨大化することができるようになったのです。まさにSF映画で、放射能のエネルギーで巨大化した怪獣さながらです。

    植物が地球環境を変えた
    それだけではありません。光合成によって大気中に放出された大量の酸素は、地球環境を大きく変貌させました。酸素は紫外線に当たるとオゾンという物質に変化します。こうして酸素は、大量のオゾンとなり、やがてオゾン層を形成したのです。このオゾン層は有害な紫外線を吸収し、地上に降り注いでいた有害なあ紫外線を遮る役割を果たしました。すると海の中にいた植物はやがて地上へと進出を果たすようになったのです。結果的に植物は、自分の都合の良いように地球環境を大きく改変してしまったのです。地球で繁栄していた嫌気性の微生物の多くは、酸素のために死滅してしまったことでしょう。そして、わずかに生き残った微生物たちもまた地上や深海など酸素のない環境に身を潜めて、ひっそりと生きるよりほかはなかったのです。

    もし宇宙人が人類が観測したら
    やがて時代は流れ人類が現れました。人類は文明を作り上げ、石炭や石油などの化学燃料燃やして大気中の酸素を消費し、二酸化炭素濃度を上昇させていきます。そして人類が放出したフロンガスは、オゾン層を破壊し、遮られていた紫外線は再び地表に降り注げつつあるのです。そして人類は植物が改変してくれた緑の地球を、生命誕生以前の惑星に戻そうとしているかのようです。それだけじゃなく植物が群がった森林を破壊し、不毛の砂漠を広げています。植物が作り出す酸素の供給を絶とうとしているのです。もし地球人がもし宇宙人が地球を観測しているとしたら、人類のことをどう思うでしょうか。自分たちが生きられないような古代の地球環境を取り戻そうとしている健気な存在だと思うでしょうか。それとも自分たちが生まれた緑緑の惑星を破壊する愚か者だと思うでしょうか。

    人は花を見ると美しいと感じます。
    植物がきれいな花を咲かせるのは、昆虫を呼び寄せて花粉を運ばせるためです。決して、人間のために花を咲かせるわけではありません。昆虫にとって花は、光や花粉が餌になりますから、昆虫が花を好むのは当たり前です。しかし人間の存在にとって、花はどうしても必要なものではありません。人間が花を愛することには、何の合理的な意味もないのです。それでも人は花を愛し、花を見ると癒されます。本当に不思議です。それだけではありません。私たちは、植物から「生きる力」を感じ取り、「生き方」を学ぶことさえできます。

    2011年3月。日本は未曾有の災害に襲われました。東日本大震災です。津波を被った桜の木も季節になれば美しい花を咲かせました。泥や瓦礫をかぶったカーネーションが、泥の中から芽吹いて花を咲かせました。その植物の生命力は、どれほど人々を勇気づけたことでしょう。被災地では、多くの方々が花の種を撒きました。人々がまいた種は、やがて芽吹いて大地を緑で覆いました。その花の明るさに、人々は復興の希望を見たのです。植物は、人々を勇気づけようと花を咲かせているわけではありません。しかし、人はそんな植物の生きる姿に、時に癒され、時に勇気づけられるのです。植物も不思議で偉大な存在ですが、植物を愛する人間と言う生き物もまた、不思議で素晴らしい存在なのです。

    『面白くて眠れなくなる植物学』 の著者である私は、とにかくよく眠ります。植物はどうでしょう。植物が眠っているかどうかは、分かりませんが、羽を閉じたり、端を閉じたりして、いかにも眠っているように見えます。どうやら、植物にとっても、夜という時間は大切なようです。植物は太陽の陽があたる昼間は、光合成をして忙しそうにしています。そして夜になると光合成で作った栄養分を移動させたり、調子を整えたりしているのです。季節を感じて花を咲かせる植物は、夜の時間を感じて花を咲かせます。暗闇の中で、植物は次の朝までに朝のために準備をしているのです。多くの植物は、冬の間も眠っているように見えます。しかし、小さな野の草たちは、霜にあたりながら葉を広げて光合成をしています。葉を落とした木々たちは、冬芽の中に次の季節の花を準備しています。土の中では種子や球根が新しい命を準備しています。暗い夜の後には必ず朝が来て、寒い冬の後には必ず春が来ます。植物はそのことを知っています。そして、1日の移り変わりや、季節の移り変わりの中で、変わらず花の花を咲かせてきたのです。そして木々たちは、冬の寒い時期に年輪を刻みます。この本は単行本が出てから、およそ5年が経ちました。木々たちは、新たな5つの年輪を刻んだことになります。しかし木々たちにとってはただそれだけのことです。植物たちの営みは変わりません。日があれば、当たり前のように葉を広げ、夜になれば、次の朝のためにの準備をします。春になれば、目を出し、花を咲かせ、冬になれば次の春の準備をします。当たり前のようにそれを繰り返していきます。植物は本当に凄いなぁと感心させられます。振り返って、人間はどうでしょう。人間の世界ではいろいろなことが起こります。そのたびに、人間たちは右往左往してみたり、悩み苦しんだりします。そして、自分の分を嘆いてみたり、愚痴をこぼしてみたり、そのあげくに、生きることに疲れたなどと言ってみたりしてしまうのです。黙って花を咲かせている植物にとっては、全く想像もできない生き方なことでしょう。そして、私たち人間のことを「面白くて眠れなくなる存在だ」とほほえましく見ているのかもしれません。

  • 普段読まないジャンルとして読んでみた。
    中々興味深いものがあった。

    以下ピックアップ
    ・花びらの枚数はコスモスは偶数、マリーゴールドは奇数
    ・トリケラトプスは植物の毒にやられていた
    ・りんごとイチゴは同じバラ科
    ・植物の冬に向けた取り組みで離層を設け葉っぱのリストラに備える
    ・紅葉の意味は大きくなくアントシアニンによる
    ・紅茶、コーヒーとココアは世界三大飲料。コーヒーもココアも植物を原料とする
    ・アメリカはトマトが野菜か果物か裁判に(結果野菜)
    ・日本では草本生が野菜、木本生が果物が原則ながら多年生であれば果物になる余地あり
    ・大根やキャベツはO型、蕎麦はab型
    ・人間は赤色に副交感神経が刺激され食欲が湧く
    ・玉ねぎの涙の素、アリシンは冷やせば抑制でき加熱すると分解する
    ・イチョウの木にもオスメスがある

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著者プロフィール

稲垣 栄洋(いながき・ひでひろ):1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている。著書に、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』(ちくま文庫)、『植物はなぜ動かないのか』『雑草はなぜそこに生えているのか』『イネという不思議な植物』『はずれ者が進化をつくる』『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』(ちくまプリマー新書)、『たたかう植物』(ちくま新書)など多数。

「2023年 『身近な植物の賢い生きかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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