「決定力不足」でもゴールは奪える (双葉新書 1)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575153507

感想・レビュー・書評

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  • 2002年の日韓W杯の時には日本での試合のチケットが手に入らなかったので、長男を連れて、わざわざ韓国まで観戦に出かけた。当時高校生だった長男には「学校とW杯のどっちが大事か考えろ」と学校を休ませた。2006年のドイツW杯は出張をつくって、チケットは取引先と商社にお願いして入手した上で、観戦に出かけた。オーストラリア戦で日本が終盤に大逆転を喰らって負けた、あの試合も観戦した。それから4年、いよいよW杯イヤーがやってきた。しかし、さて南アフリカに行くぞ、という気持ちが、少なくとも今のところ盛り上がってこない。南アが治安の悪い国であるというイメージが強いこともあるのだけれども、タイに住んでいるので、日本代表の予選をほとんど見ることが出来なかったことも、気持ちが盛り上がらない原因の1つのような気がする。それはさておき、この本は日本代表を、あるいは、現在の岡田監督の采配を批判した本と受け取って良いだろう。論点はシンプルだと思う。■日本代表のFWは「決定力不足」と言われるけれども、それは誤解を与えかねない言葉であり、正しくは「チームとしての得点力不足」と言うべき。得点力が少ないのは結局、得点のチャンスが少ないから。■得点のチャンスが少ないのは、日韓W杯からドイツW杯にかけての日本が守備的な布陣をひいていたから。守備的な布陣をひけば得点のチャンスが少なくなるのは当たり前の話だ。■今の日本代表はやや攻撃的な布陣をひいているが、それでも得点力不足は解消しない。それはサイド攻撃を有効に使えていない、高い位置でボールを奪取するための約束事がチームに出来ていない、ポジションを自由に変更できる選手がいるためチームとしてのプレスがかかりにくい、等の理由による。といったところだろうか。同感である。日本は98年のフランス大会から数えて、既に3大会連続でW杯に出場している。今回の南アの大会で4大会連続出場となる。過去3回の出場の際の成績は、地元日本で戦った02年の大会を除いては芳しいものではない。02年の大会を含めても、10試合を戦って、2勝2分6敗。得点は10試合で8点。02年の大会を除けば、1分5敗、得点は6試合で3点である。要するにホーム以外ではまだ1勝もしたことがないし、ホーム以外では1試合あたりの得点が0.5点、という成績なのである。明らかな得点力不足。岡田監督は、今回の南アの大会の目標をベスト4進出と明言している。今回の予選の日本の試合はほとんど見ることが出来なかったので、正確には分からないのだけれども、現在の日本代表が過去3大会の代表よりも圧倒的に強い、という印象は受けない。得点力不足が解消したようにも思えない。何を根拠にベスト4と言っているのか全く分からない、というのが正直なところだ。でも、それは別に良い。目標は高く掲げた方が良いじゃん、ってシンプルに考えることも出来るから。サッカーはもともと得点機会の少ないスポーツである。が、得点の少ないチーム、得点はともかくチャンスをつくることが少ないチームのサッカーは、はっきり言って、見ていて面白くない。最近の日本代表の人気低下はそういう部分に理由があるような気がする。私は日本代表にベスト4を全く期待していない。それよりも、見る人を楽しませるような、日本代表の試合を見た人が「良いサッカーをするチームだよね」と言ってくれるような、そんな戦いをして欲しいと思う。

  • b

  • 4-2-3-1の杉山茂樹氏の著書。
    この方の意見は納得する部分が多いですね。
    かなり考えが自分と近いです。
    まぁ途中から岡田批判みたいになっている感は否めませんが。

  • 「得点力不足」と「決定力不足」の違いは重要だ。
    今の日本代表に必要なのは、【ストライカー】だけでなく、
    【ウイング】なのかも。


    【2009年12月30日購入】

  • 自分もこの人に代表監督を務めてもらいたいと思いました。もしもこの人なら、と期待してしまいます。それくらい凄いと思いました。

  • 決定力不足。このように今の日本は言われているけど、決定力不足でも点は取れるらしい。僕は最初なにいってんだと思ったが実際なるほどと思った。決定力というのはシュートを決めた後に出るものだが、それまでの過程に問題があると言える。だから最終的な部分ではなくまず根本的に見直す必要があるのだ。そうすれば決定力にかけている人でもシュートを決めることができるようになるらしい。この本をよんですごい共感できた。

  • 久々に杉山茂樹がドバーッと日本代表について語った本。「あまのじゃくだなぁ」と感じる表現が多く、それが敬遠されているのか最近はサッカー誌でもコラムを読むことができなくなった(最近はまた出てきた)が、以前よりも真っ当な(?)論調で現状の日本代表の分析とあるべき姿を提言している。

    「俊輔と本田の共存はない」とか「遠藤と長谷部のボランチは…」など、やはり日本代表の現状に対する指摘が盛りだくさんである。その中でも疑問から確信に変わったのは、今の中村俊輔のプレーでは、格上相手では弱点になってしまうということだ。彼は右サイドのはずなのにサイドの高い位置でプレーをしないから、守備においても弱点となりうる。その分内田の負担がかかるのは当たり前なのだから、シュートを外したってしょうがないだろう、と。

    現時点(2010年1月)のエスパニョールでのプレーも、同様なのだという。このまま不調が続けば、本田、あるいは小笠原、小野あたり(または杉山氏に言わせればもっとウイング的な石川あたりかな)が右サイドのスターティングメンバーにいるかもしれない。

  • この本のタイトルは、サッカーをやっている人ならかなり目につくと思います。なぜなら、決定力不足なのにゴールが奪えると言うタイトルだからです。普通、決定力が無いからゴールが奪えないのが普通だと思います。自分は、面白半分にこの本を手に取り読んでみました。読んでみると、この本は、かなり奥の深い本だと言うことが分かりました。この本を読むと、この本のタイトルに納得できます。気になった人は、是非この本を読んでみて下さい。

  • 頼むから代表監督やってください。誰か推薦してくれないかな?そのくらい的を得ている、ただ解決にはいたらないのかもしれない。。。

  • 日本代表の最大の問題(決定力不足)について、FWの問題ではなく
    MFもっと言えば、10番偏重の考えに問題があること。
    そして多くの報道では、それをFWのせいにしていることについて
    問題提起している。
    ニュースなどでヨーロッパのサッカーのスーパーゴールシーンを
    みた時に感じる、日本が世界のトレンドから取り残されている
    のでは?と言う感覚を見事に説明してくれていると思う。

    南アフリカは期待できないな・・・

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著者プロフィール

スポーツ・ライター

「2015年 『攻撃的サッカー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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