- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575236194
感想・レビュー・書評
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シックスセンスは,ラストに驚かされた。それがモチーフになっているとしたら,最後何かあるのかな?と思ったけど,特に予想外の展開ではない終わり方でした。
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■ 1240.
<読破期間>
2012/3/31〜2012/4/4 -
面白かった。
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主人公の過去に関わる一文が何度も引用されクドイ。
それだけ、その言葉に縛られているという事を表したいのかとも思うが臭わす程度で充分伝わる。 -
死んでしまった人の姿が見えることによって、その死にまつわる哀しい事情も見えてくる。
なぜ、大切な命を落とさなければならなかったのか、その理由は様々でも、どれも切なすぎて涙が出そうになった。
心のすれ違いで、わかり合えないままの別離。
亡くなった人の、心の底からの叫びに、思わず生きてさえいればと無念さがこみ上げる。
「シックス・センス」もぜひ観てみたい。 -
主人公はレンタルビデオ店員の男・須賀原。深い事情はわからないながら、心に深い傷を負っているらしい彼は一切の楽しみを封印し、ひっそりと生きている。そんな彼の店に毎日やってくる男子中学生はなんと!
初めての日明恩さん。こちらで読ませていただいた感想で興味をそそられ、手に取ってみたのですが、段々に主人公の謎が明かされるのと同時進行で、周辺の人々の問題が解決し、そして最後には!という展開がとても巧みに描かれていたと思います。(*^_^*)
のっけから繰り返される、須賀原のトラウマの断片。彼は取り返しのつかない事故OR失態をしでかしてしまったらしく、その償いに一生を費やす覚悟のように思われた。
ただ、映画「シックス・センス」のビデオの前で毎日涙を流す少年に興味を引かれたことから、彼の日々は変わって行く・・・。
その少年の秘密を知ろうとする須賀原の脳裏に、彼の元上司の的確なアドバイスがよぎるところがとても面白い。なんの説明もないけれど、たぶん彼は警官だったのだろう。そして、少年の秘密とは、彼が幼いころからずっと、死者が見えてしまう、という怖ろしい&哀しいものだった・・・。
死者は、自分が見えるとわかった生者に、凄い勢いで近づいてきて話しかける、と語る少年。それは怖くてたまらない日々だよね・・・。そっか、だから「シックス・センス」なのか、と読者は分かるのだけど、なぜ彼が泣いていたのかは、かなり後になるまで明かされない。
語りかけてくる死者の中では、犬の話が一番、悲しくて同時に読み応えがあった。
終盤、須賀原の失態の詳細が明らかになり、辛さの中にも救いがあったことがとても嬉しかったし。
日明恩さんという人は警官のお話を書いて、世に出た人のようですね。
だから、この小説の中でも、かつての上司の存在感が大きかったのか・・・。
少し追いかけてみようかな、と思います。 -
警察官・消防官・教師・・・などなど、
職業柄「こうあるべき」という理想像が固定される公務員。
今回の主人公はかつて警察官でありながらも、
ある少年の死にかかわったことで辞職し、
生きる喜びの一切を封印しながらひっそり生きる男性。
死人が見える少年との出会いを皮切りに、
少しずつ違うほうへ進もうとする主人公に
心の中でひそかにエールです。
現世に未練を残してとどまり続ける幽霊だって、
自分のあるべき方向へ向かって進むのだから、
生きている人間はなおさら進み続けねばならんのですよね。
物語の最後はクリスマスシーズン。
なかなか良いタイミングで読んだんじゃないの、自分。