夜明けの図書館(3) (ジュールコミックス)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (150ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575335606

感想・レビュー・書評

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  • 埜納タオ著『夜明けの図書館3』(双葉社)
    2014.8.16第1刷発行

    2021.12.23読了
     2年目新米司書・葵ひなこがレファレンスサービスで奮闘するお話。

     2010年に雑誌『JOURすてきな主婦たち』(双葉社)で連載が始まり、2021年にコミック7巻で完結。

     2021年に「Library of the Year 2021」ライブラリアンシップ賞を受賞。
    「Library of the Year」は、“良い図書館を良いと言う”を合言葉にかかげ、これからの図書館のあり方を示唆するような先進的な活動を行っている機関に対して、NPO法人「知的資源イニシアティブ」が授与する賞のこと。漫画のための賞ではない。このうち、ライブラリアンシップ賞は、長期的な図書館活動を行ってきた機関に対して贈られる賞で、マンガに授与されるのは異例である。この受賞がきっかけで品切れだった既刊本の増版が行われた。

    第9話 はじめてのレファレンス
     ひなこが図書館司書を志すきっかけとなった回想エピソードの回。自分の「知りたい」という欲求への気付き、他人の「知りたい」を援助する経験を通して、読書・調べものの楽しさが語られている。
    第10話 ヨウコの迷言
     亡き祖父から遺産相続で譲り受けたオウムの言葉の解読に挑む異色の回。フィクション要素は多めだが、「知りたい」という気持ちが明日のなりたい自分に繋がっているというメッセージ性の強い佳作だった。
    第11話 石森さんの腹の内
     ベテラン司書石森千洋の回。問われることに応えるだけでなく、利用者の目線に立って、図書館から働きかけていく。医療・健康情報サービスは内容がセンシティブなだけに排架に工夫が必要だ。病人だけを対象にするのではなく、その家族のケアも視野に入れたコーナーづくりが必要だ。色々考えさせられる話だった。
    第12話 第二の人生を歩く
     大手メーカーを定年退職した男性が主人公の回。第12話はレフェラルサービスを取り扱っているが、同時に社会教育施設としての図書館の役割にもスポットを当てている。図書館の裾野の広さを感じさせる良い話だった。著者の目配りが際立つ回だった。

  • 暇つぶしに図書館で借りてみた漫画が思っていたより面白く3巻借りた。

    今はインターネットがあるから自分は図書館で調べ物をすることはないけど、図書館はよく利用するので、司書さんの仕事が分かって面白い。11話の病気についての話は、確かにネットだと色々情報がありすぎるし見たくない情報もたくさん出てくるから、図書館を利用するのもいいのかなと思った。

  • 図書館利用者の中には、人に相談できないような悩みを抱えていて、それに対する答えを求めて本を探しに来る人や、心の闇に向き合うための本を借りに来る人もいる。わたしは本格的なレファレンスはまだ出来ないけれど、いつかそういう人たちの不安を和らげるような本を提供したり、対応ができるようになりたいな、と思った。

  • 新米図書館司書が主人公。この巻のレファレンスは、司書を目指すきっかけになった子供時代の近所の司書さんに、だいぶ遠回りしたあとに助けてもらい、近所の体の弱い友人のためにすずなり星を調べるエピソード。自分がバカだと決めつけて、祖父からの遺品のオウムを手放そうとする青年へのアドバイス。病気に悩む人に、治療はできないけど、できるだけの情報を手渡そうとする話。定年退職してどこにも居場所のないと感じる人がよりどころにしていた遺構が、大昔に建設計画だった鉄道の施設の一部だと解き明かすまでの道のり、など。

  • 図書館レファレンスサービスのお話。1話ずつ完結したお話でさまざまな調べ物と人間模様が展開される。
    にしても毎話毎話泣いてまう。

  •  石森さんと、癌になったお友だちのお話がよかった~。
     葵さんの子どものころのお話も。

     図書館での、本の購入費は、どこも減らされてるんですかね。
     私の知り合いの司書さんも、嘆いてました。

  • 図書館で偶然見つけたもの。1~3巻一気読み。図書館のレファレンスサービスに関する漫画。普通に漫画だよな。こういうのも地元図書館にもあったとは。図書館に関するものだからかな。面白かった。ほんと、本って人生に関わるよな。図書館にはほんとにお世話になってるけど、レファレンスって使ったことないな。ついついネットで済まそうとしちゃう。こんなにいろいろ探してくれるんだなぁ。あとオウムは飼い主が喜ぶ反応をする、というのがあって、がぜんオウムを飼いたくなった。

  • 【図書館本】巻を重ねるごとに、人と人の距離が近くなっていてとても暖かい気持ちになった。葵さんも成長してて微笑ましい。レファレンスを使ったり使ってる人を見たことがないけど、親身になって接してくれるのなら嬉しいと思う。使う機会はないけどw

  • 3巻まで一気読みしたため、はっきりは覚えていないが石森さんの話が私としては一番胸に残った。
    1つ1つの話に本にまつわる色んな思いが出てきて、こうやって本を調べる裏側には人の思いが入っているんだと知れたことがとても良かった。

  • ひなこの司書になるまでの原点がみれる。
    また 小さいときのひなこの初めてのレファレンスもあり オウムの謎の言葉を探るものもありで 今巻も充実した内容になっている。

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著者プロフィール

漫画家・イラストレーター。
講談社mimi&kiss 新人漫画賞入選でデビュー後、漫画、イラストなどで幅広く活躍中。
著書に、『華物語』『百花日和』『夜明けの図書館』ほか。

「2021年 『学校図書館 ここはいつでもぼくの場所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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