蛇行する月 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575518948

感想・レビュー・書評

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  • 結婚や幸せが、目に見えて光輝く美しいものではない。そう思える現実味のある話だった。
    6人の話はそれぞれなんとも言えない気持ちになったが、直子の話の最後の2行でなぜか涙が溢れた。

  • 避妊具には男の一生懸命が詰まっている。
    マジか(゚Д゚≡゚Д゚)゙?
    そんな表現しちゃうこの著者に少しだけ好感が持てた。。

  • そんなに貧乏でも幸せと言えるって、、、

  • 6編の連作短編。面白いのがその短編の表題が6人の女性で、数年の年代を経てそれぞれの女性の視点で描かれている。そして、それぞれが行き着くところはもう一人の女性順子。6人のうち4人は順子の高校の同級生、あと母親と和菓子店の女将。順子は高校卒業後、和菓子店に勤めるがそこの主人と駆け落ちし東京に逃げ、貧しいながらラーメン店を営む。同級生、母親はふっと順子を思い出し訪ねる。順子の姿を見て唖然とするが順子はしあわせだと。切なく蛇行する日々、しあわせの基準を問い掛け模索する作品のように思えた。

  • 作者定番の北海道の暗い話なんだけど、この話は幸せとは何か?を深く考えさせる良い物語になっているる。時間とお金に踊らされない自分の居場所がある事が大事だと気づかされる名書

  • 蛇行する川というタイトルについて、解説による解題がわかりやすかった。6人の女の名前が付いた各章。蛇行する女たち。三日月湖に溜まる。

  • 今年5冊目

  • ダ・ヴィンチ
    しあわせは自分が決めればいい

  • 2016/10/6 読了。

  • 6人の人達の感じること、考える事、それぞれの関係性、順子の生き方から伝わってくること、全てに共感しすぎて、胸が苦しいみたいだ。女性という業を思う。

    そして、解説がとても良かった。
    「そう!そうなんだよ!」と膝を手で叩いて合意する感じ。

    順子は現在の自分とは完全に対極にある生き方、考え方なのだけれど、その強さに圧倒され続けて終わった。
    自分を「しあわせだ」と言い切ることができる、笑顔を浮かべられる強さ。
    でも、笑顔を浮かべて幸せだっていっても、痩せ細って皺だらけになっていくからには、毎日を生き延びていくための心労ってやつが容赦なく苛んでることだろうし、それを思うと、むしろもう、恐ろしい。

    私は年齢もキャリアも直子に一番近いのだろうけれど、一番共感したのは、清美のラスト、心が「ひろびろと」するところだった。
    でも、そんな清美も、数年後には、ひろびろとした心を別のものへと差し向けることができていて、そんな消息を物語の後の方で読んで、「どうやってそこにいくことができたの?」という、いつも通りの寂しさのようなものが湧き上がってきた。

    リアルの友人たちのような立体的な存在感をヒシヒシと感じる物語だった。
    何年後かに、また読んでみたいものだ。

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著者プロフィール

一九六五年釧路市生まれ。
裁判所職員を経て、二〇〇二年『雪虫』で第82回オール読物新人賞受賞。
著書に『風葬』(文藝春秋)、『氷平原』(文藝春秋)、『凍原』(小学館)、『恋肌』(角川書店)がある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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