- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575519457
感想・レビュー・書評
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『あなたのゼイ肉、落とします』が面白かったので、こちらの作品も手に取りました。
ゼイ肉と同様、読んですっきり!断捨離をしたくなりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『きっとあなたも断捨離したくなる』との言葉に惹かれて。
すぐに大庭十萬里のファンになった。部屋を片付けるのではなく、片付けられない人の心の問題を見事に解決していく。本人だけでなく、時には家族ごと。しかもはっきりと伝えながらも、問題を抱えている本人たちにそれをじわじわと気づかせ、乗り越えさせる。リバウンド防止もばっちりだ。
どの話も心に刺さる中で『木魚堂』が一番かな。んー、やっぱり全部良い。
少しずつでも断捨離しよう。十萬里さん、うちにも来て心の整理整頓手伝ってほしい。 -
部屋の中の有り様=その人の「生活、心」の有り様、だと思った。
そして、片付けの基本は物を捨てること。
なんとなくソワソワして私もとりあえず少し捨てた。(恥)
どの話も、なるほどなるほどど納得しながら読んだが、ラストの話を読了後、感激して少し涙が流れた。
最後の話はとてもセンシティブだったから…。
十萬里さん、すごい!
掃除、大切!
私も気をつけます!
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片付け屋・大庭十萬里が各依頼人の人生ごと整理整頓してくれる痛快な小説。
4人の依頼人毎のショートストーリーで構成されている。
依頼人は4者4様の悩みを抱えており、十萬里が片づけを通じて悩みを解決していく。十萬里は、自身の顧客であるにも関わらず一切の遠慮も無く顧客と対話していくのが読んでいて思わず笑ってしまうし、真理だよなと説得力を感じ納得してします。
また、片付け自体についても「もしも明日が人生最後のごみ捨て日だったらどうする?」と厳しい言葉を投げかけてくる。来ることのない「いつか」のためにモノを取っておく必要はない。 -
あなたのゼイ肉落としますというタイトルに思わず惹かれて(笑)手に取り、隣にあった姉妹シリーズも一緒に買ってしまった。
読んでから、最近人気の現代社会の問題をズバリと当てたようなタイトルの本の著者じゃないか!と思い至る。
片付けができない人間は心に問題がある…という文を読んで、自分の部屋を思わず見渡す…。。。
不倫関係から抜け出せない女性、妻に先立たれた老人、昔の感覚から抜け出せない豪商の家主、子供の死を受け入れられない女性。
みんな自分の本当の問題を直視できていない。
そんな依頼人達に対してズバリと切り込む愛想のない大庭十萬里。
過去のこと、想像上でしかない未来のことばかりに気をとられ、不安にかられて、モノを溜め込んでしまう。
なんだか、自分ももれなく片付けがしたくなる。 -
友達が貸してくれた本。
垣谷さん、痛いとこついてくるなぁという感想。
垣谷さんはタイトルに真っ向勝負だから面白い!
片付けることって、いろんな見たくないものを見ることになる。
それは、その人の今と過去を現すもの。
結構、しんどい作業でもあるよなぁ。
どの人も、心のお片付けもできてよかった。
多くのレビューで読後に片付けたくなる、っていうのは本当。
はい、炊飯器捨てました。
炊飯器を置いていたレンジラック(米櫃付き)も一緒に捨てました。
レンジラックに置いてたレンジやトースターは
どこに置こうかと思ったけれど
片付ければなんとかなるもんですなぁ。
おかげ様でレンジラックのせいで開かずの扉となっていた
引き戸が使えるようになり
なんだか新鮮!
娘は多分、初めて使う、くらいの感覚かと。。
実家の母に「食器置いといてね」って言ったこと反省。
そんなこと言われるから
あれもこれも捨てられなくなるんだよなぁ。
でもなぁ、60年もののノリタケの洋食器、フルセット。
んー、欲しい。 -
家族からの依頼を受け、片付けの仕方の指導をする十萬里さん。
初めは、彼女に不信感を持ちながらも
一つ一つ部屋や引き出しなどの、不用品を片付けているうちに、心の中も片付きだし
自分の人生や生き方を前向きに考えれるようになる温かかく、優しいお話でした。
十萬里さんの時には厳しく、もっともな言葉に
ぐさっと心さされた気持ちもじわじわ温かみに変わり広がっていく。
なかなか他人が、いや家族でも踏み込んでいけないところに踏み込んで人生の再スタートを
切らせてくれる。
十萬里さんみたいな人がもしいてくれるなら、
素敵だなぁと思いました。 -
先月、実家に帰省した時に母が「最近、垣谷美雨さんにハマっている」と言っていたのを思い出して、借りてきた本書。
「片づけ屋」大庭十萬里が、お部屋の片付けを通して依頼者の心も整理していく物語。連作四編が収録されています。
本書に登場する片付けられない人達は、所謂“汚部屋”レベルの人から、整頓はできているけれど不用品が捨てられない人まで状況は様々で、その原因となる心模様もそれぞれ異なります。
「ケース3豪商の館」の“捨てられない”老女の話は、異常なストックの多さとか、まさに“実家あるある”という感じで、“オカンよ・・ちゃんとこの話読んだ?”と思わず苦笑したくなりました。
全然使っていないのに、“まだ使えるから”、“高価だったから”、“モノは良いから”等々の理由で、処分できないというくだりは、“あぁ、あるわ~。”と、私自身、身につまされるところがありましたね。
さらに、“自分が要らない物は他人も要らない”という台詞も、“デスヨネ~・・”と、ぐうの音も出ない感じです。
このように、お部屋と心を整理してくれる十萬里さんですが、途中まで“何だか無愛想だしコミュ力もないし、よくわからんキャラだな・・”と思いながら読んでいたのですが、「ケース4きれいすぎる部屋」が十萬里さん目線で描かれていて、結果、十萬里さんは普通にいい人でした。
(ケース1~ケース3までの変な人キャラは何だったの?と思わないでもないですが)
で、ケース4では交通事故で息子を亡くして以来、その喪失感から亡くなった息子の部屋だけ綺麗にして、それ以外は家事放棄状態の主婦・麻美子さんが登場するのですが、十萬里さんは彼女のとその家族の為に、麻美子さんと同じ境遇の母親との会合をセッティングするなど尽力してくれるのです。
そのおかげで、麻美子さんが回復していく様子を読んで良かったね・・としみじみ思いました。
どの話も希望が見える終わり方で、読後感も爽やかですし、何より“私も不用品を処分しよう!”と背中を押してもらったような気がします~。