京都寺町三条のホームズ(14)-摩天楼の誘惑 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575523188

作品紹介・あらすじ

清貴が上海に旅立った数日後、葵は利休、好江とともにニューヨークにいた。世界的な女性キュレーター、サリー・バリモアが女性キュレーター育成のために招いたのだが、待ち受けていたのは厳しい試験。なんとか「特待生」に残った葵は、他の2人とともに企画展のプロデュースをするように言われる。2ヶ月連続刊行、第二弾!

感想・レビュー・書評

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  • こちらはドキッ☆女だらけのホームズin NYと言いたかったけれど、利休くんいるからそう言えなかった。
    女装シーンはありましたが。
    ホームズさんが上海であれこれやっている間、葵ちゃんはというと……な回。
    ワトソン、成長するの回。
    ようやく清貴に鑑定士として嫉妬できるほどまで葵ちゃんが成長できました。
    以前の話にも出てきましたが、実力差がありすぎると嫉妬もしようがありませんからね。
    届きそうで届かないからこそ、もどかしく思ってしまう。

    ただ葵ちゃんだからこそできることというか、ホームズさんではできないであろうことが葵ちゃんにはできるということが今回色々見えてきて、円生に続き彼女の成長した面を確認できたのは大きな収穫だったかなと思います。
    人と人との間を取り持つのが上手な緩衝材……分かる気がします。
    小難しい人の心のわだかまりすら解いてしまいましたから。
    ワトソンもやるときはやるのです。

    尚、上海から駆けつけた清貴との合流後もかなりの見せ場です。
    ここはまさかのホームズさん視点での補完話もあるので貴重です。
    彼の内面の吐露はぐっとくるものがあります。
    マジで泣きそうだったのね、彼。
    葵ちゃんのホームズさんですら泣かせてしまう決断、ぜひ見届けて欲しいです。
    あ、悪い結末ではないですし、寧ろ愛を確かめ合った感じになってますので、その点はご安心を。
    NYでもやることはちゃっかりやっているお二人なのである。

  • 2ヶ月連続刊行の2冊目、前作13では清貴視点で物語が進む構成でしたが、本作は葵視点でニューヨークを舞台とした物語が進みます。時間軸的にも13と同時期の出来事なのですよね、清貴との電話での会話も13で描かれたものが葵視点で再度登場したり、といった具合です。
    前作では物語を通して円生の葛藤や成長が描かれていましたが、今回は葵の清貴に対する新たな感情、さらには成長という結末になっていて、清貴との関係も単なる恋愛感情だけではない、さらに強固な絆が芽生えたのかなと思います。
    物語の前半、葵が清貴の才能に嫉妬するというこれまで持っていなかった感情が芽生えていることに気づくシーンがありますが、以前葵が清貴に対して「嫉妬するのはその相手が自分の手の届く位置にいるから(=能力が拮抗している、という意)」といったような言葉をかけていたはずで、同じことを自分自身に向けることができるとよいのに、と読みながら考えてしまいました(確か円生が清貴に絵を贈ったときだったかな?)。まぁ、人間自分のこととなると冷静に考えられなくなりますからね…。そんなこともあるかなと。
    13では円生が清貴とは別の軸(=絵画)で成長し、本作の葵も清貴の類まれな鑑定眼とは別の軸での成長がみられるわけですが、葵の真髄はといえばその包容力といいますか、周囲の人間の心を開かせてゆく能力なのかなと思います。三人の関係が(良い意味で)新たな展開を迎えるのかもしれません。

  • シリーズ14作目。

    もうすっかり大人の葵さんですねぇ。

    もっと男前な女子になってほしい。

  • 前作と対になる、葵ニューヨーク編。
    今作になり、突然、葵にホームズさんの才能への嫉妬が生まれていてびっくり。

    ニューヨーク留学を経て成長を実感できたことが、葵にとっても、大きかったのかな?
    カバーイラストの表情もいつもよりキリっとしている、迷いのない印象。

    でも、何だかとても優等生ぶりを今まで以上に感じてしまう。

    今さらですが…カバーイラストと登場人物のイラストから、洋服が綺麗め系を着る子なんだろうなといつも思うけど、あまりにお嬢様というかぶりっ子の感じがしてずっと違和感が…
    女子大生っぽくない服装にホームズさんが買ってあげてるの?と思ってしまう。
    パンツスタイルでも素敵だろうし、葵の性格らしさな服装を見たいなと思います。
    今回の成長と自覚でファッションにも変化が出るといいな。

  • 他に読んでいるのがまだあるのに、待てずに読んじゃいました。上海に続き、ニューヨーク行きたぁいでした。葵の心に色々な変化が有りましたが、落ち着くところに落ち着いて一安心。更に続きが楽しみに。

  • 内容(ブックデータベースより)

    清貴が上海に旅立った数日後、葵は利休、好江とともにニューヨークにいた。
    世界的な女性キュレーター、サリー・バリモアが女性キュレーター育成のために招いたのだが、
    待ち受けていたのは厳しい試験。
    なんとか「特待生」に残った葵は、他の2人とともに企画展のプロデュースをするように言われる。

    2ヶ月連続刊行、第二弾!

    令和6年3月4日~6日

  • MOMAに行きたくなる。

  • 前作と裏表のような作品。
    いつもの甘々が少なめでヒロインの頑張りが素直に応援出来るようなものに。

  • 今回は登場人物たちの生き方が大きくかわることになるイベントとなったし、もうすぐ終わるか、もしくは新しい関係性のまましばらく変化なしで、ミステリー路線への回帰かのどちらかに舵を切るのかなぁと勝手に予想。

    あと円生は今後どう絡んでくるか(笑)

  • キュレーターの講習を受けるために葵はニューヨークへ。厳しい試験を受かり特待生に残る。そして、特待生3人はサリーからある企画を任される。葵に同行している利休は終始葵をガードする。そうそう、前巻での清貴の指示だった。闇のオークションハウスに誘い込まれはこともあったけど大事に至らずで。何よりも、葵の成長ぶりが見られた。ズバリ鑑定する場面もわかりませんと潔さも良かった。葵の清貴に対する思いの葛藤もあり、「清貴に近付いた。遠すぎる相手には嫉妬しない」と複雑な心境が垣間見られる。ニューヨークが存分に描かれて良かった。

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著者プロフィール

北海道出身、現在は京都在住。2013年にエブリスタ主催第二回電子書籍大賞を受賞し、デビュー。2016年「京都寺町三条のホームズ」で第4回京都本大賞を受賞。「京都寺町三条のホームズ」「京洛の森のアリス」「わが家は祇園の拝み屋さん」「満月珈琲店の星詠み」「京都船岡山アストロロジー」シリーズなど著書多数。

「2023年 『京都 梅咲菖蒲の嫁ぎ先』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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