- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575525304
感想・レビュー・書評
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タイトルから、勝手にほっこり系かと思って読み始めたら、出だしから衝撃的で最後まで重めだった。つくづく、親は選べないもんなぁ…と思わずにはいられない作品。憂が幸せになれるといいなぁ…。十年池、私も見てみたい。
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救いのない世界が 広がっていた
けれど どこかあたたかい -
本棚に登録するときに気が付いた。
2019年に読んでいる。
すでに100ページくらいまで読み進んでいたが全然思い出さないので、そのまま読み終えた。
子供よりも男が大切と思う母親は確かにいるのだろう。
新聞などでもたまに報道される。
虐待から逃れようと、義父を殺害した小学生の男の子が希望を見つけることはできるのか。
暗い話だが、光が見えるラストシーン。
決して面白くない小説ではないのに、全く心に残っていなかったのは何故なのだろう。 -
山深い所にある「ドライブインまほろば」。かつては繁盛していたが、高速道路ができたことにより、客足は激減し、廃業していた。しかし、あることがきっかけで、比奈子は一人で切り盛りすることになった。
そんな時、突然お店に二人の幼い兄妹が現れた。「夏休みが終わるまで、ここに置いて欲しい」とのこと。その風貌に必死さが伝わったり、かつての亡くなった娘と重なった部分もあって、受け入れることになった。
時を同じくして、弟の息子が弟を殺害したということで、兄はその息子を見つけようと奔走する。
負の連鎖によって翻弄されるそれぞれの家族が、読んでいて心苦しい気持ちもなりましたし、怒りや虚しさなどあらゆる感情が渦巻いてきました。
自分の母によって子供が亡くなった母、弟が殺害された兄、養父を殺した息子。何かしらの暗い過去を抱えていますが、
絶望の状況からどう這い上がっていくのか。読み進めるたびに何度も誰か救ってくれと思わずにはいられませんでした。
遠田さんの描く「不幸」な描写は、良い意味で素晴らしく、心を揺さぶられました。不幸から幸福へと導く過程は、クリアではないですが、希望の光が灯されるような明るい方向へと進むので、いつも遠田さんの作品には期待が高まります。
たしかに一部には犯した罪など許せない部分もあります。それをどうカバーしていくのか。なかなか一人では答えを出せません。周囲の人たちがいることで、再生していくんだなと改めて感じました。
一度崩壊したら、完全に元には戻れません。読み進めるたびに心苦しい場面はありましたが、暗い気持ちだった分、最後は清々しく読めました。
それにしても、大人の身勝手さに子供を巻き込むなと何度思ったことか。読んでいて腹立たしさが何度もありました。
自分も気をつけなければいけないなと肝に銘じました。
そしれ最後に登場する「十年池」。描写は美しく描かれていて、心が浄化したような感覚もあって、一度で良いから、見てみたくなりました。
人々との温かみ充分に味わえた作品でした。 -
辛くで不幸で悲しい人達の集まった物語でした。最後の最後で少しホッと!しました。
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虐待、、育児放棄、売春…読んでいて辛い描写がしばらく続く。それなのに何故か先まで読み進めてしまった。憂と比奈子は間違いなく生まれ変わった人生を生きられそうだ。
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いろんな家族の形があるけれど、今回の話の人間たちは最低で自分勝手な人間と真っ直ぐ生きようとする人間とが描かれており、共感というか、子供たちがまっすぐ生きて欲しいなと、感じました。