ドライブインまほろば (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575525304

感想・レビュー・書評

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  • 優が月明かりの下で激しく震えながら泣く場面がいちばん切なかった。銀河、流星の双子の話には嫌な気持ちになったが、比奈子が愛娘を亡くした悲しみから目の前にいる子供たちを必死に守ろうとする強い気持ちが切なくも感動した。子供は死んではいけない。なにはともあれ優が生きてて良かった。

  • 義父を殺した小学6年生と妹が奈良の山奥のドライブインに逃げ込む。5才の娘を亡くした女主人がひと夏を一緒に過ごしながらお互いの傷を癒し、10年に一度現れるという生まれ変われる十年池を探す。
    高校生売春、育児放棄、殺人と世にも酷い犯罪が山盛り描かれている。嫌な気持ちになりながらも最後まで読んでしまう。半端な説教話しで終わらせないのが凄い。

  • 読んでいてつらい気持ちになるのに、ページをめくる手が止まらない。読む進んでいくと、どんどん泥沼にはまって行くような気がする。この先に救いはあるのかと不安になる。登場人物すべてに死亡フラグが立っているのだ。
    クズのような人物でも、好きでクズになったわけではない。大人たちが彼らをクズにしたのだ。文章の端々に当人の繊細な部分が描かれていて軽蔑しれきれない罠を仕込んでいる。
    ドライブインのオーナーの比奈子は大人である責任を感じて、行く当てのない子どもたちを守る。しかし過去の悲しい事件では実母を許せない自分の未熟さと葛藤する。
    人間の煩悩が複雑に重なりあい悲劇を生んでいく。
    それが最終的に吉と出るか凶と出るか・・・。

  • 20230111令和5年一作目。二度目の読了です。悲惨な家庭環境はどこにでもあるんだろうけど、身近に居ないだけでいっぱいあるのだろう。たった一人の味方がいれば人生はこうも変わるのかっていう感動作でした。

  • 憂がどうして継父の流星を殺してしまったのか、また流星がどうして憂をそこまで痛めてしまうのか、銀河にもわからなかった過去の屈辱的な体験からだったのか、最後に解明された。遠田潤子の小説はすごく悲しみの中に、心に突き刺さるというか、訴えるものがあり非常に考えさせられる小説だ。今回もノンストップで引き込まれた。

  • 読了感は全くハッピーエンドじゃなかったのに終盤の流れがハッピーエンドの違和感がすごい。
    それだったら終始残酷な方が自然だと思った。

  • 最初から最後まで読む手を止められなかった。
    それぞれの立場で考えると、自分も決してそうはならないという自信がない。それだけに救いを求めながら読み続けた。
    結末も無理なく、嫌な感じもなく読み終えることができてよかった。

  • 1ページ目からえぐられます、と本の帯に書いてあるとおりだった。

  • 表紙の帯には「家族の崩壊と再生」と書かれていたけど最初からキツい始まり。何度も挫折しながら流し読みとなりました。子供の虐待や売春の話はつら過ぎるかな。NetGalleyJP

  • 202201/遠田作品は残酷なほどのリアルさと、うっすらとしたファンタジー加減が絶妙。感情描写がリアルだし読んでて胸が痛いことが多い。そして今作もつらい連続だったけど読む手は止められず一気読み。絶望と一筋の希望、見事な作品だった。

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著者プロフィール

遠田潤子
1966年大阪府生まれ。2009年「月桃夜」で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。16年『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベスト10」第1位、2017年『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞を受賞。著書に『銀花の蔵』『人でなしの櫻』など。

「2022年 『イオカステの揺籃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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