おれは一万石(9)-贋作の謀 (双葉文庫)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575669534

作品紹介・あらすじ

高岡藩藩主・井上正国が大阪定番の任を終え奏者番へ就任した。お役目は多忙を極め藩政に関わる暇はない。そんな折、奏者番就任祝いで狩野派の掛軸が贈られてきた。画に詳しい正室・和は掛軸を贋作だと見抜き、出所を明らかにするよう正紀に命じた。贋作作家捜しは、思わぬ展開になっていく。好評シリーズ第九弾!

感想・レビュー・書評

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  • おれは一万石シリーズの9作目。
    2019.07発行。字の大きさは…小。

    毎回、家付きの年上の妻・京と正紀の掛けあいを楽しみにしている。
    今回は、身ごもの妻を想い山茱萸酒(さんしゅゆしゅ)を買ったが、妻から「ありがとう」の言葉が聞けず思い悩む。
    正紀 頑張れ。

    【高岡藩】
    高岡藩は、下総国高岡村(現在の千葉県成田市高岡)に存在した藩。
    譜代井上家宗家の当主である井上正就の弟・政重は徳川秀忠・家光の2代に仕えて大坂の陣などで功績を挙げ、御書院番士・大目付(当時は総目付という名称)などを歴任して次第に加増を受け、島原の乱でも戦後処理などで功を挙げた。
    こうした功績によって寛永17年(1640年)6月12日、政重は6000石を加増されて1万石を領する大名として高岡藩を立藩した。
    高岡藩は尾張藩とつながりが深く、第6代藩主・井上正国は徳川宗勝の十男、第7代藩主・井上正紀は尾張藩の付家老家である竹腰勝起の次男である。

  • 2019年7月双葉文庫刊。書下ろし。シリーズ9作目。贋作を用いて、違法な品の決済金を資金洗浄する悪人達を相手にする正紀達の活躍が楽しい。京や和との連携も面白い。複雑な話をわかりやすく書いてあるのが良い。

  • 江戸時代のマネーロンダリングによる横領とその収益による暗躍。主人公は間接被害と疑惑により緊急ではないが、またも苦境にはまる。
    直接被害がないことと単純な手法による悪事でないことから、ゆっくり場面が進む感じ。
    これからは藩政だけでなく義父の立場への影響も踏まえての対応となるため、どう展開するのか楽しみ。

  • 千野隆司 著「贋作の謀(はかりごと)」、おれは一万石シリーズ№9、2019.7発行。正紀の妻、京の母親、和に贈られてきた狩野派の絵画。絵画に造詣の深い和が「贋作」と見破り、その背景を探るうちに様々な悪事が露呈。今回は、和の絵画への見識が事件解決に大きく役立ちました。注文がひとつ。知野さん、もう少しテンポの良い進行でお願いします!

  • 海賊撃退。

  • 第九弾
    当主の奏者番就任により持ち込まれた祝品の絵画が偽物?
    背景に商人、さる藩、更には水戸家、海賊
    略奪した物資の洗浄に絵画が
    最後はこっそりと江戸を抜け出し海賊退治
    首領は海の中へ、後はトカゲのしっぽ切

  • 和さまの活躍ありきですね。

  • 婿入りした先の藩主、正国が幕府御奏者番のお役につき、攪拌から祝いの品が届くが、その中に、狩野を似せた偽物があったため作者を姑和より探索を依頼される。

    そんな時に、高岡河岸から不作の折に大量の米が江戸へと運ばれる。松平の部下、広瀬は何か不信を抱く。

    太平洋側の海運が時折狙われ海賊に高級な昆布や東北の米を奪われる事件が起こっており犯人も捕らえられていなかった。


    今でいう、マネーロンダリングの事件。
    江戸の頃の組織犯罪のカラクリ、面白い!

  • 事件→調査→アクション→解決というパターンに主人公の夫婦関係織り交ぜるという黄金パターンは健在。今回は、義母が献上された贋作の絵をめぐる話、海賊が奪った1200俵の米と高級昆布の行方、親族の藩の世子問題がからみあって、最後にはひとつにまとまる仕掛け。

  • 70

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著者プロフィール

1951年、東京生まれ。國學院大学文学部卒業。90年、『夜の道行』で第12回小説推理新人賞を受賞し、選考委員から“第二の藤沢周平”と賞賛される。以後、時代小説を中心に活躍中。「入り婿侍」シリーズは、評論家の縄田一男氏から「著者の新たな頂点」と絶賛を受けた近年の代表作。他の主なシリーズに「おれは一万石」「出世侍」など。

「2023年 『新・入り婿侍商い帖 お波津の婿(三)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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