おれは一万石(16)-出女の影 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575670448

作品紹介・あらすじ

正国の奏者番辞任で反定信の旗幟を鮮明にし、同じく反定信派の大奥御年寄滝川と急接近した尾張一門。だが、正国がお役を辞したことで、久方ぶりに参勤交代を行わなければなくなった高岡藩は、金策に奔走するはめになる。なかなか都合がつかず苦労する正紀は、滝川からの思わぬ申し出を受けることになり……。好評・書き下ろし時代小説、第16弾!

感想・レビュー・書評

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  • 2021年3月双葉文庫刊。書下ろし。シリーズ16作目。大奥の滝川と絡む展開ですが、はらはらする局面もあり、楽しめました。正紀も無茶しますが、京もそれに加担するのが面白いです。信頼関係を築けた滝川とのこの先の話も楽しみです。

  • 著者の千野さんのブログに作品についての紹介の文がある。今回の作品の設定について本来ありえないことをどう描くかという意味のことが書かれている。私は時代小説は日本の江戸時代と似て非なる異世界の物語と考えて読んでいる。ある程度歴史は踏まえつつ、(ファンタジーにはならないように)いかに小説(フィクション)を面白く読ませるかというところが作家の力量なのだと思う。千野さんはかなり詳しく調べたうえで作品にしているのでほぼ問題ないと思うが、作家さんによってはちょっとそのへんが怪しい小説も見られるようだ。それでもその作品が優れていれば問題はないのではなかろうか。

  • 奏者番の辞任によって発生した参勤交代の義務。だが貧乏藩にその費用は重圧。直前までの金策も実らず、義母や妻の調度品を売ろうとしても足りない。そこに持ち込まれる大奥御年寄の危険な話。以前の騒動で怨まれている者たちの不穏な動き。正紀は乗り越えられるのか。

  • 正国のお国入りと滝川の隠密行。

  • 危ない橋を渡って、見事に成功。

  • 大奥とかかわったらあかんあかん

  • 話の発端は、急な奏者番の退任で、必要となった参勤交代の費用。出入りの商人、親戚筋の大名、ことごとく断られ、ついには一門の総帥に、奏者番の退任は一門の意向でもあったはず、と腹を切る覚悟で詰め寄り、十両出させた世子正紀。それでも足りず、面々と描写される武士のカツカツの生活。一打逆転の策は、大奥の有力者滝川のバレたら改易ものの頼みを受け入れることだった…と。そこに逆恨みする者たちが襲撃をしてくるが返り討ちにし、また正紀も傲慢なだけと思っていた滝川の意外な一面も垣間見、その絆も深まったのだった、と。金策必須→指命発生→悪役襲撃→善玉返討→めでたしめでたしは黄金パターンなんだけど、ついつい手にとってしまうシリーズ。

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著者プロフィール

1951年、東京生まれ。國學院大学文学部卒業。90年、『夜の道行』で第12回小説推理新人賞を受賞し、選考委員から“第二の藤沢周平”と賞賛される。以後、時代小説を中心に活躍中。「入り婿侍」シリーズは、評論家の縄田一男氏から「著者の新たな頂点」と絶賛を受けた近年の代表作。他の主なシリーズに「おれは一万石」「出世侍」など。

「2023年 『新・入り婿侍商い帖 お波津の婿(三)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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