おれは一万石(19)-尚武の志 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
3.29
  • (1)
  • (5)
  • (9)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 64
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575670844

作品紹介・あらすじ

寛政二年九月、江戸を襲った大風雨により設置間もない石川島の人足寄場が壊滅的な被害を受けた。定信をはじめとした幕閣の間ではこのまま廃止との気運が高まるなか、大奥御年寄の滝川から人足寄場再建に力を貸すよう依頼された正紀は、旗本と御家人を集めた剣術大会を催し、再建の資金を捻出しようと画策するのだが――。人気シリーズ第19弾!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2021年12月双葉文庫刊。書き下ろし。シリーズ19作目。長谷川平蔵の人足寄場の存続を滝川から頼まれた正紀の奮闘話で、プロジェクトXのような話が展開され、面白い。滝川さんが絡んだ出来事への京のヤキモチ的な言いようと態度が面白く楽しい。

  • 長谷川平蔵が作った寄場が大きな台風で壊滅。
    松平定信は、金がかかる修復をやめて商人に貸して金を稼ごうと。
    だが江戸に無宿人が溢れるのは治安の悪化だ。
    そして、地方から江戸に来る無宿人が寄場で手に職をつけるのは最も良いことだ。

    それについて、またしても滝川から正紀に命が降るのだが。

    いつも金策に奔走する正紀。
    真摯な働きぶりは少しづつ認められるように。

  • ついに鬼平が登場!?まさか阿比留平之助は出てきたり…はしないですね。出版社が違うし。
    ところでこの本の石川島の水害は寛政2(1790)年秋と思われる(井上正国が隠居するのが寛政3(1791)年3月なのでその前年秋)。2月にできたばかりの人足寄場が壊滅的打撃を受け、その復興費用を集めるための話。平之助の嵐の方は長谷川平蔵死亡の直前なので寛政7(1795)年春の話。5年間に2度も壊滅的打撃を受けるのでは石川島は人足寄場としては不向きなのでは…などという詮索は野暮。時代小説は面白ければいいのだ。

  • 滝川殿との交流は続くのか?

  • 忍足寄場再建のため、旗本子弟による剣術大会を開催。

  • 人足寄場と長谷川平蔵、その子息辰蔵。おそらく別シリーズの主題にもなってるんだろうな(あと、山本周五郎「さぶ」でも扱われてる)と思いつつ読み進め。台風災害で人足寄場再建にあと百両必要→定信は取りやめさせる心算→なんとか百両拵えて定信をギャフンと→白羽の矢を立てられた正紀→直参旗本剣術大会開いて寄進を募ることに→滝川の後押しで将軍の耳にも届き反対勢力を抑え→妨害を跳ね除けて開催→辰蔵は優勝できなかったが寄場再建は成り、と。勧善懲悪、非常にわかりやすく、すらっと読めて。幕府首脳の命令はするが手は貸さない。体面、威光は大事。実情など知ったことでなく、命ずれば下々はそれに服するはずという政権運営への疑問。初めは無理難題を押し付けられたと感じたが、滝川は押し付けて終わりにしなかった、という正紀へ向けた信頼が深まったのが救いと言えば救いか。

  • 144

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1951年、東京生まれ。國學院大学文学部卒業。90年、『夜の道行』で第12回小説推理新人賞を受賞し、選考委員から“第二の藤沢周平”と賞賛される。以後、時代小説を中心に活躍中。「入り婿侍」シリーズは、評論家の縄田一男氏から「著者の新たな頂点」と絶賛を受けた近年の代表作。他の主なシリーズに「おれは一万石」「出世侍」など。

「2023年 『新・入り婿侍商い帖 お波津の婿(三)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

千野隆司の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×