コンプレックス・シティ (アクションコミックス)

著者 :
  • 双葉社
3.47
  • (3)
  • (4)
  • (9)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 50
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784575930825

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • デビュー作「ジュン子・恐喝」所収の初期短編集。
    伝奇テイストは皆無で、星新一や世にも奇妙な物語をコミカライズしたような不思議な話が雑多に並んでいる。
    未来、サハラ砂漠、会社員の日常とあらゆる舞台にシュールな味を投げかけ、淡々と話を進めるその様は実に職人的。
    朴訥な絵柄も手伝って駆け出しの若手とは思えぬ老成さが漂う。
    にしても一番不思議なのが、ラストに収録された「ジュン子・恐喝」が、先生独特のあの筆致に最も近かったこと。
    デビュー作で既に完成の域にあったとは。
    もう老成なんてレベルじゃない。
    時空を超えている。

    読み終えてから表紙を見返すと、各話の主要キャラ勢揃いなのが判る。
    笑うロボットの件が予言的なギャグ風味の近未来SF「コンプレックス・シティ」、シュールな設定をうまく料理するどころか力業で無理矢理引っ張っていく「鯖イバル」、秘密結社的なサバトを今では考えられないようなドタバタ喜劇に仕立て上げた「ブラック・マジック・ウーマン」が良かったけど、後年の片鱗が垣間見える「遠い国から」「砂漠の真ン中に」「海の中」の他、人情ものに近いラスト二編や軽いタッチの掌編もあり、バラエティ豊かな過渡期の作風が楽しめる。

  • すっごいシュールだ…。砂漠のど真ん中にでっかいサバ缶て。
    結構ぞっとするラストやったりするのに、そこから更にちょっとズレた方向に落とし込んでて、それが更にシュール。どうもありげーた。

  • 2013/11/2購入
    2013/11/11読了

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1974年、「生物都市」で手塚賞入選。「週刊少年ジャンプ」で「妖怪ハンター」連載デビュー。民俗学、中国の古典、SF等を題材に、幅広い分野で活躍する漫画家。代表作に「暗黒神話」「マッドメン」「西遊妖猿伝」がある。その独創的な作風から、高い評価を受け、2000年に手塚治虫文化賞マンガ大賞、2014年に芸術選奨文部科学大臣賞、2018年に日本漫画家協会賞コミック部門大賞等、受賞歴は多い。ジャンルを越え、多くのクリエイターに影響を与えたとされる。

「2019年 『幻妖館にようこそ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

諸星大二郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×