特効薬 疑惑の抗癌剤 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション キ 6-1 )
- 二見書房 (2008年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784576080765
感想・レビュー・書評
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現役医師の医療ミステリーってやっぱり面白い!
細かい場面分けで疲れずに読み進められるし、スピード感が好き。
結末が気になって一気読みしたけど、最後はなんだか呆気なく感じたかな…
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こういう小説読むと大学病院にかかるのが怖くなるね…。
世の中には良心的なお医者さまが多いことを信じるしかない。
https://ameblo.jp/harayou1223/entry-11345748613.html -
祥子先生と乱風の出会いがとても素敵でした。
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認可間近の経口抗癌剤MP98の第三相試験中、末期肺癌患者が喀血死した。彼の死は当然のものと思われたが、主治医の倉石祥子だけが首を傾げた。同薬の「副作用がない」という触れ込みに疑問を抱いた彼女たちは、認可差し止めに動きだす。その一方で、関係者が次々と殺されていき…。
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集中して読んでいくと飽きるものだが、小説として発展途上のような気がして、くじを引くような感覚で読み進めている。
今回は、文武両道の美人女医・T大医学卒業のスーパーデカ・プロの殺し屋が登場するエンターテイメントだ。O大医学部は今回はヒールではなくベビーフェイスといったところ。
登場人物の現実からの遊離が少し大きくなってきているものの、楽しく読めたことは事実。ただ、遊離した分だけ登場人物に感情移入できないもの、また事実だな。 -
初めての経口抗癌剤・レスクランが肺癌によく効くということで業界では評判であったが、レスクランには間質性肺炎という副作用がつきものであった。多少の副作用は仕方がないと思われていたが、レスクランの構造を少し変えただけで副作用が全くなく、そしてレスクランよりもよく効くという「MP98」が天下製薬で開発中とされ、注目される。人体への投与実験においても副作用が出ることはなく、開発は問題なく最終段階まで進み、あとはほぼ申請をするのみ、これで一気に巻き返しができると意気込んだ天下製薬であったが、研究員の柳川は長期投与の観察中に不測の事態に直面し、愕然とする。マウスがある朝大量出血を起こし、全匹同時に死んでしまったのだ。それと同じ頃、O大学の女医・倉石祥子は、レスクランを投与していたにも関わらず死亡した患者の病理解剖の結果に疑問を抱いていた。
現役医師が執筆したとだけあって、医療部分にはどんどん引き込まれる。新薬認可の過程や、製薬会社と大学病院の影の部分も非常に興味深い。が、対比してそれ以外の部分がものすごくおそまつに感じる。医師側から真相を探る人間として、頭がキレて美人なO大学の女医・倉石祥子、そして事件を捜査する刑事として、医学部出身なのに宝石鑑定士になり、その後刑事になったという超変わり者・岩谷乱風(見た目は茶髪を後ろに束ね、耳に大きなピアス)が登場するのだが、この2人が明らかに物語の雰囲気を読めていない感じ。個々で登場する時はそれぞれそこそこキャラもしっかりしていた感じだったのに、2人が出会ってしまってからはそれも崩壊、TPO考えないただのバカップルにしか思えず。ずっと問題視してきた「MP98」を初投与した患者が亡くなったその後に、勢いで告白して浮かれ気分でデートの約束してる場合か!?あとミステリとしても、連続殺人の犯人は発見されたものの、その人物が一体誰だったのか、正体不明のまま警察が捜査を打ち切るという結末もいただけない。全体として評価が落ちてしまうのがもったいない。 -
副作用のないという評判の経口抗癌剤に重大な疑惑。新薬の認可を巡って巨大な裏金が動き、ついには殺人事件が発生。
医療の現場とか試験とか、医薬品の認可までをめぐるさまざまな活動など、なかなかリアル感たっぷりに読ませてもらえましたが、ミステリーとして読むと、殺人犯の正体とか、結末はちょっといただけなかったです。
ヒーロー(異色刑事)とヒロイン(女医)も、色んな意味で、ちょっと落差がありすぎました。
(2008/10/31)
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新薬、肺ガンに効くMP98.
試薬中に出血死がおこる。
新薬発売を止めようとするO大学の女先生。
2件の事件の犯人を追う刑事。
新薬の発売までにからむ色々な利権。
こんなで発売されたら怖いなと思う。
殺人者は誰?