鬼畜 (二見書房 シャレード文庫)

著者 :
  • 二見書房
3.22
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本棚登録 : 271
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576120072

感想・レビュー・書評

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  • 備考:実兄弟・実親子/弟×兄/父&弟×兄

  • 吉田さん初読。気持ち悪さに引きずられて一気に読了。攻の常軌を逸した執着の裏には狂おしい程の愛があるってのがBLのデフォだが、それを匂わせる描写はなく、そう解釈するには違和感を持つほどに病的で。弟だけでなく両親も異常、ある意味兄も異常。そうなる背景が掘り下げられてないから物語に深みがなく、殺人に関して放置で終わってるのでトンキワと笑い飛ばすこともできず。ハピエンでないのが逆に救いwもっと深い昏さを期待してたので中途半端に感じた。面白かったけど何度もリピしたいとは思わない、そんな作品(あくまでも個人的な感想)

  • これが同作者様の「ピジョン・ブラッド」などの様な、特異な体質により男達を狂わせるとか、耽美な世界観で描かれる”絶対美”をもった受けの話ならば、説得力もあったと思うのですが…。

    そこに居るのは不憫な受けと、ただのサイコパスです。
    まして私が期待していたような、近親もの特有の背徳感など無く…。

    近親万歳!ヤンデレ万歳!で手に取るのは危険だと思います。
    萌えを期待すると痛い目を見ます。

    ネタとしては面白いのですが、受けの行く末を想像すると悪寒が。
    でも、何回か読んでいくと、実は受けのお兄ちゃんも、何気に幼少期から受け入れちゃってるんだよね(笑)

    工夫次第でもっと良い作品になったような気がしてなりませんが、作者様が描きたかった世界がこうなのだから仕方ない!!

    ただ、この作者様の代表作になることは間違いないでしょうし、良くも悪くもここ最近では一番の話題作だと思うので、後学のために読むのも悪くないと思います(笑)

    実際私も、2週目からは凄く楽しんでます!
    「ないないゴッコ」腹がよじれるほど笑い転げました(笑)

  • BLで言う「鬼畜」じゃなくて、ホンモノの「鬼畜」野郎が登場。変態とは違って相当病んでいます。うっとりロマンチックなBL希望なら回避した方が賢明でしょうね。

    親元から離れて暮らす大学生の文人が、祖父母の死がきっかけで実家に戻るところから話が始まります。
    迎えにやってきた高校生の弟は始発から駅で兄の到着をを待っていた上に、「ふーちゃん」と体に似合わないキモい幼児言葉で兄に話しかけてくるのです。

    この弟が○印でした。で、子供っぽい言葉遣いで抜け目無く迫られ、見えない糸でぐるぐる巻きにされた文人は、逃げ場なく追い詰められてあっさり毒牙に引っかかってしまうのです。
    達也の尋常じゃない追い詰め方にドン引き。外堀を埋めるようになんて生易しい方法じゃないですね。堂々公開中。自分と兄以外は全て部外者と思っています。兄を所有すること以外には何も考えていない恐ろしさ。

    BL以外のアダルトで、この手の小説を何冊か既読しているので嫌悪感はあまりなかったけど、近親相姦を扇情的に描いた、ただのエロ小説にしかすぎなかったのがちょっと残念かも。
    「ふーちゃん」と兄を呼んで、兄にも自分のことを「おにいちゃま」と幼児言葉で呼ばせるエロはよかった。そこまで文人が堕ちていくのも萌えたし、会えない時にそこまで妄想爆発させてた性欲過多な弟ってのも納得できたし。あけすけなお下品エロ表現がいっぱいで、そこは好みが分かれるところ。
    エロシーンはそこそこよかったけど、情緒面がいまひとつだったかな。もっと、こわれてる弟の兄を慕う切ない気持ちが出てたら、ちゃんとしたBLになっていたと思うし、星が増量していたと思います。
    一貫して文人目線で語られているので、これは家族が全員狂っていて相当悪いヤツなのではと思わされるけど、幼少時代の回想シーンを読むと、実は魔性の兄が原因という感じが、なきにしもあらず。

  • あらすじ読んでなんとなく買ってみたけど、うん、色んな意味で予想を超えた。

    兄に執着する弟、ときて想像してたのとはかなり違って、幼稚な喋り方をする弟の執着してる様子がものすごくホンモノのストーカーチックで思考で兄が好き過ぎて壊れた、というより『壊れた人に好かれた』という感じ。

    「ふーちゃんのこと大好きなんだもんっ。ふーちゃんのためならなんでもしてあげるよ?」
    とか
    「ね、ママちゃん、お金ちょうだい! 今日はふーちゃんとデートするんだっ。」
    とかのセリフが苦にならない人は面白いかもしれない。

    後書きで色んな出版社で「うちではちょっと…」と言われたというのはこの人として壊れてる部分がアレでソレなんだろうな…。
    執着ものとしては黒いと言えば黒いんだけど、なんというか、ホンモノ見たって感じで萌えるとか萌えないとかまで意識が行かない…。

  • 弟×兄。兄の為なら他の何もかもを壊そうとする弟。
    【ネタバレ注意】

    まず弟が最初から、幼少期から狂っています。羞恥や禁忌など知らない生き物で、常識というネジが飛んでいます。そんな弟を兄は当然恐ろしく思い、更に実の兄弟に欲情され気持ち悪さと恐怖を感じ、逃げ出そうとする所を弟が計画的に、精神的に追い詰めていきます。前半この描写が続くのですが、兄が怯えて恐怖に追われながら少しも好意の描写が無いので読んでいて精神的にキツイです。本気で嫌がる兄を執着して追いつめていく弟が恐ろしい。
    弟は兄を愛しているのだと思います。けれど彼の根本的な部分が「狂っている」から、正常な愛の形を求めようとはしません。追いつめて閉じ込めて抱き潰して犯して、どんな手を使っても兄を自分のものにしようとする。その方法として肉親を殺して崩壊させたあたりから気持ち悪さがMAXで読む気がしませんでした。が、
    その後から少しずつ「ああ、これは愛なんだな」という部分が見え隠れします。弟は本当に兄を愛しているし、兄も弟を受け入れようとしている。
    けれど最後の最後で父も巻き込んでの兄弟父の3Pはちょっと…いっそ笑いが(笑)
    結局弟の手の中へ堕ちた兄は、永遠に弟に囚われながら異常な執着心と愛情に魅せられて生きていくのでしょう。全て弟の思惑通り。それが彼らにとってしあわせなことだと思えるならちょっと特殊で狂気じみたヤンデレとして読めると思います。

  • とことん女性(身内他人を問わず)を排除して、愛する人を我がものにしようとする攻めの、異常なまでの執着心と行動力。
    大昔のサイコホラー的な要素を含みつつ、彼をここまで駆り立てる受けの魅力とは、さらに彼以外の男性(ここも驚きの展開)までが絡んできて、でもきっとこの男性は近い将来…ゾゾゾ(鳥肌)。

    話の大筋は前半どころか三分の一で予想がつきますが、ラストに向かうまでの攻めの異常っぷりに戦慄しながら読み進めることができます。

    近頃の在り来たりなヤンデレに食傷気味のアナタにオススメです(笑)。

  • まず最初に…。
    鬼畜ではありません。サイコ野郎です(笑)。

    実兄弟モノで弟×兄。
    終始徹底して、弟が怖いです。良いのはルックスと頭だけで
    行動・思考・セリフ、すべてにおいてサイコです。

    これで受けの兄側に、秘めた思いとか、禁断の甘い背徳感とかが
    あればBLなんでしょうが、基本的に気持ち悪がってます。
    執着されて兄お気の毒(苦笑)。

    狂った世界に堕ちると言うより引きずり落とされてますね。


    BL的な執着萌えを求める方には絶対オススメしません。
    サイコホラーです。
    たまには、ちょっと違うジャンルのおほもエロエロ本を
    そんな萌えを期待しない、変わった作品を読みたい時にぜひ。


    ちなみに、このジェットコースター感
    私は楽しんでしまいました(笑)。

  • まぁ、凄い。凄まじい。
    頭のいった弟くんがお兄ちゃんをヤンデレ的に愛するんだろうなってヤンデレ攻め好きな私はそれはそれはわくわくしながら読んだのですが何か違いました。想像を絶する用な……気持ち悪さ。
    弟達也は高校生であるため経済力なし。そして話し方が気持ちが悪い。これは生理的に受け付けない。
    あげくの果てに母親殺すし……発言が常に我侭で……なんかそういう部分が生理的に受け付けなかったですね。
    もしこれが自立した弟が。という話だったのなら萌えた。もしくは見た目がもっと幼い感じ。それならまだあの言葉遣いもまだ良いんですが……なんというか究極的にアンバランス。でもお父さんともやっちゃったりするのは良いぞもっとやれ!って思いました。
    いろいろ書きましたがここまで突き抜けた感じのは好きです。もっとこういうきもちのわるーいのが読みたいです。

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著者プロフィール

初単行本は1993年『天にとどく樹』(白泉社・花丸ノベルズ)。
(同書は海王社・ガッシュ文庫で復刊されている)
代表作は『石黒和臣氏』シリーズ(白泉社・花丸文庫)、
『神官』シリーズ(海王社・ガッシュ文庫)など。
シリアスからダークエロス、ギャグなど、その作風は幅広い。
個性豊かで印象的なキャラクターと、ドラマチックな物語展開が魅力。
シリーズ化した作品多数。

「2013年 『アイラ ~許されぬ想い~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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