過去からの弔鐘 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション) (二見文庫 ブ 1-2 ザ・ミステリ・コレクション)

  • 二見書房
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576870564

感想・レビュー・書評

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  • 泥棒バーニィはすごく好みなんだけれど、他は読んだことがなかったローレンス・ブロック。満を持して?マット・スカダーシリーズ初読み。

    アル中でバツイチの元警官が、だんだん渋く格好よく見えてくる不思議。これは今回の依頼の範囲外といいつつも、結局は真面目に聞き込みをして一歩一歩真実に近づいていく。元警官ならではの会話の心理戦。

    ブロックの描く探偵はダメさ加減がすごくいい。スカダーにちょっと良いことがあると、こっちもちょっと嬉しい。このシリーズも好きになりそう。

  • ローレンス・ブロックの作品はいくつか読んだことがあったが、マット・スカダー物は初めて。いつか読もうと思っていたのが…。なんとこの1作目はもう40年前!の作品。

    今読むと、話の真相自体はさほど衝撃的でもないしヒネリもなく小粒な印象。
    リュウ・アーチャー辺りの”孤高の探偵が汚れた街を行く”タイプの正統派ハードボイルトで、話はシンプルながら主人公のキャラがしっかりとたち、脇にところどころ印象的な人物が出てきて、洒落た会話楽しめる。
    今読んでも古さをさほど感じないのは、田口氏の訳に負うところも大きいかもしれない。
    いまだ書き続けられているようなので、追いつかないと。

  • 格好良いのかと言われればそうでもない。気になったところがあればじっくりこつこつ処理していく。でもその根本としてひらめきがあるから、努力も実るのか。これじゃエジソンか。

  • スカダーシリーズ1作目。主人公が非常に渋い。

    展開も派手なものではないし、
    正直犯人も分かりやすい。
    でもなんていうか主人公の信条というか、
    事件へ立ち向かう姿勢が好きだ。
    次も読みたいと思わせる。

    訳も読みやすいと思う。

  • マット・スカダーもの第一作。解決済みと思われた殺人事件を調べていくうちに、意外な真相が…

  • 「過去からの弔鐘」(ローレンス・ブロック:田口俊樹 訳)を読んだ。私ってば、ローレンス・ブロックは「八百万の死にざま」しか読んでないんだっけかな?少なくともこの作品は初めてだな。新味はないけれど、変に力んで白けさせることもなく、マット・スカダーという人物を見事に創り上げている。

  • 面白いシリーズものを見つけた。しばらくは続編も楽しめるとラッキーな気分になっている。

    探偵マット・スカダー・シリーズ。
    訳者によれば“新ハードボイルド”の探偵たちの仲間入りを果たしたとある。

    抑制のきいた簡潔な文体。
    己の主義をあくまで貫く愚直な主人公。

    “新”の意味は私にはわからないが、探偵もののハードボイルド小説としての魅力は十分にみせつけてくれた。

    “新”どころか“古典”を感じたくらいだが、そんな細かいことは関係ない。実に小気味よく、あざやかにまとめられている。

    世の暗闇を歩くネクラの探偵が、真っ暗な中にも一筋の光を見出す。清廉とさえいえるところだが、それは彼の哲学でもあり、自身でも制御不能な生き様なのだろう。

  • こぶ平のお勧め。

    作者が良いのか、訳者が良いのか、最初の数ページでしびれる文章が幾つかあった。
    素晴らしい。

    いわゆるハードボイルドの類だが、血や汗、煙草のヤニ、さらに汚いものたちがかもしだすベトベトした雰囲気ぐなくて良い。
    なんともいえない乾いた感じというか。
    そういえば、主人公はよくシャワーを浴びて着替えていた。
    訳者のあとがきによれば「品格」、私に言わせれば、清潔感に近い気がする。

    といっても、主人公がcleanな訳ではない。
    「清」いの方ではなく、「潔」いの方か。

    面白かった。

  • 普段あまりハードボイルドは読まないけど、猛烈なブロック推しをしているひとがいたので読んでみた。既に解決済みの、どこにでもありふれている娼婦殺人事件。犯人は自殺。親の要望で再調査を依頼されたアル中探偵・スカダーは事件のわずかな痕跡が追うと、どこにもおかしな所は無いように思われた事件の裏に、少しずつのズレと違和感を見つけていき、そして新たな真実を見つける。人間臭さの塊みたいなスカダーのセリフが味わい深い、地味なんだけど良いHB。こういうカッコよさはたまに触れるとすごく痺れる。シリーズの続きが読みたくなった。

  • マット・スカダーシリーズの第一弾。スカダーの真犯人を見つけた後の解決の仕方がハードボイルドだ。

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著者プロフィール

ローレンス・ブロック Lawrence Block
1938年、ニューヨーク州生まれ。20代初めの頃から小説を発表し、100冊を超える書籍を出版している。
『過去からの弔鐘』より始まったマット・スカダー・シリーズでは、第9作『倒錯の舞踏』がMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞、
第11作『死者との誓い』がPWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)最優秀長篇賞を受賞した(邦訳はいずれも二見文庫)。
1994年には、MWAグランド・マスター賞を授与され、名実ともにミステリ界の巨匠としていまも精力的に活動している。

「2020年 『石を放つとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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