過去からの弔鐘 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション) (二見文庫 ブ 1-2 ザ・ミステリ・コレクション)
- 二見書房 (1987年4月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784576870564
感想・レビュー・書評
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泥棒バーニィはすごく好みなんだけれど、他は読んだことがなかったローレンス・ブロック。満を持して?マット・スカダーシリーズ初読み。
アル中でバツイチの元警官が、だんだん渋く格好よく見えてくる不思議。これは今回の依頼の範囲外といいつつも、結局は真面目に聞き込みをして一歩一歩真実に近づいていく。元警官ならではの会話の心理戦。
ブロックの描く探偵はダメさ加減がすごくいい。スカダーにちょっと良いことがあると、こっちもちょっと嬉しい。このシリーズも好きになりそう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
格好良いのかと言われればそうでもない。気になったところがあればじっくりこつこつ処理していく。でもその根本としてひらめきがあるから、努力も実るのか。これじゃエジソンか。
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スカダーシリーズ1作目。主人公が非常に渋い。
展開も派手なものではないし、
正直犯人も分かりやすい。
でもなんていうか主人公の信条というか、
事件へ立ち向かう姿勢が好きだ。
次も読みたいと思わせる。
訳も読みやすいと思う。 -
マット・スカダーもの第一作。解決済みと思われた殺人事件を調べていくうちに、意外な真相が…
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「過去からの弔鐘」(ローレンス・ブロック:田口俊樹 訳)を読んだ。私ってば、ローレンス・ブロックは「八百万の死にざま」しか読んでないんだっけかな?少なくともこの作品は初めてだな。新味はないけれど、変に力んで白けさせることもなく、マット・スカダーという人物を見事に創り上げている。
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面白いシリーズものを見つけた。しばらくは続編も楽しめるとラッキーな気分になっている。
探偵マット・スカダー・シリーズ。
訳者によれば“新ハードボイルド”の探偵たちの仲間入りを果たしたとある。
抑制のきいた簡潔な文体。
己の主義をあくまで貫く愚直な主人公。
“新”の意味は私にはわからないが、探偵もののハードボイルド小説としての魅力は十分にみせつけてくれた。
“新”どころか“古典”を感じたくらいだが、そんな細かいことは関係ない。実に小気味よく、あざやかにまとめられている。
世の暗闇を歩くネクラの探偵が、真っ暗な中にも一筋の光を見出す。清廉とさえいえるところだが、それは彼の哲学でもあり、自身でも制御不能な生き様なのだろう。 -
普段あまりハードボイルドは読まないけど、猛烈なブロック推しをしているひとがいたので読んでみた。既に解決済みの、どこにでもありふれている娼婦殺人事件。犯人は自殺。親の要望で再調査を依頼されたアル中探偵・スカダーは事件のわずかな痕跡が追うと、どこにもおかしな所は無いように思われた事件の裏に、少しずつのズレと違和感を見つけていき、そして新たな真実を見つける。人間臭さの塊みたいなスカダーのセリフが味わい深い、地味なんだけど良いHB。こういうカッコよさはたまに触れるとすごく痺れる。シリーズの続きが読みたくなった。
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マット・スカダーシリーズの第一弾。スカダーの真犯人を見つけた後の解決の仕方がハードボイルドだ。