昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 299
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  • Amazon.co.jp ・本 (548ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582766714

感想・レビュー・書評

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  • 一回はこの人の本読んでみたいと思っていた。で、この本と戦後編をKindleで購入して読もうと思い、やっとこちらを読み終わった。
    話自体は大変読みやすく、面白い。でも語っているのは大変アホで悲惨な歴史。これからの日本は絶対にこうなってはいけない。絶対に熱狂してはいけないと思う。
    この本に書かれてるいわゆる戦犯の人達だって、その当時はまさか後世こんなふうに言われることになるとは思っていなかっただろう。だから大変難しいことなのだろうと思う。一国を大変な途に巻き込んでしまわないように舵取りをするというのは。

    東アジアの大国とアメリカは絶対に間違わないで欲しい。そしてもちろん日本もだ。

    今からまだまだ、生きていて欲しかったな、半藤さんに。

  • HK4a

  • 人は環境が厳しくなると自分のことしか考えなくなるんだな…環境は自然に限らない。政治や経済の人為的な環境も然り。なるべくしてなった…あっ!それが歴史か?過ぎ去った過去を考えるんだから当たり前か(^^ゞ
    ん〜ん…良いものを読んだ。
    やすらぎの郷、やすらぎの刻、道を観て戦時を知りたくなってよかったなぁ〜

  • 悲しくて、情けなくて、涙が出てくる。

  • 日清戦争から第二次世界大戦が始まり、終わるまでに何が起こっていたかを緻密に書き下ろした著書。読み応えがあったというかボリュームが厚いというか。ただ、この手の書籍としては珍しく語り調での書き方なので読みやすい。

    敵を知り己を知れば百戦危うからずを地で行けばこんなことになんなかったのになーと思いつつも、もしもう一度歴史が繰り返しても結局はこうなっちゃったのかなとか。

    石原莞爾VS永田鉄山
    山本五十六
    東条英機
    五・一五事件はテロだったのか。政治的な圧力になった、後に。ふーむ。

    原子力爆弾の元アイディアはドイツの物理学者オットー・ハーン博士。これを受けてアインシュタインはルーズベルト大統領に手紙書くけど一回無視される。

    結局は日清・日露戦争でいけるっしょ!ってなって三国軍事同盟でドイツに期待しすぎてロシアを甘く見すぎて、遠くて強いアメリカに喧嘩売って完敗したと。原爆は終戦の決定打では無かった。そもそも終わらせる準備に入ってた。

  • 終戦の8月であったことと、近代が弱いのを補うために読みました。半藤さんの著書は2冊目。

    掲載されている年表を整理して、太平洋戦争をゆっくり考えてみたいと思う。マスコミが煽ったのか国民のムードは異様だったし、インパール作戦など無責任な軍部。学んで同じことを繰り返してはいけない。

  • かなり厚みのある本なので「読むのに時間かかりそうだな」と腰が引けていたけれど、いざ読みはじめてみると頁を繰る手が止まらない。
    日がな一日夢中になって読んで、結局一日で読み終えた。

    ある出来事がどういう意味を持ち、その後の意思決定にどのように影響していくのか、要点を押さえて、しかも軽妙洒脱な語り口で説明してくれており、読んでいて飽きることがない。

    基本的には軍部をこけおろしているが、事実なのでしようがない。
    思わず笑ってしまうようなあほうなことを本当にしているのだからしようがない。
    これらは一部の人が言うような「自虐史観」でも何でもないわけで、この本から伝わってくるのは「歴史から学ばなければならない」という切実さだ。

    何を学ぶべきなのか。

    最後に昭和のこの終戦までの20年から学ぶべきことを五つの教訓としてまとめているが、この五つの教訓も「驕慢なる無知」という言葉に集約される気がする。
    この「驕慢なる無知」を「見たいものしか見ない」という風に私は理解している。
    あの時代、上から下まで「見たいものしか見ない」人が多かったのでないか。
    その愚かさががどれだけ多くの犠牲を払ったか…。

    「しっかりと見なければ見えない、歴史は決して学ばなければ教えてくれない」

    うん、目を背けずに、進まなければならない。

  • 昭和の生の声。昭和を生きていない我々はこういった本からしか当時を知れない。知らんプリはできない。読む。読む。


     前から読もうと思っていたんだけれど、ちきりんのソーシャルブックリーディングをキッカケに読むことに。

     学術誌というより、半藤さんのおはなし。って感じ。だから読みやすい。わかりやすい、でも個人名(軍人とかの)が多いから記憶力が追い付かない。その点でギブアップする人は多い。でも頑張って欲しいな。

     個人名は気にしなくていい。大まかな流れを知るために読む本である。


     読書メモは人生最長の75項目に達した。疲れた。まとめるのも二週間かかった。それほど学べるところがある。


     まとめると、昭和の日本が太平洋戦争を始めたのは、満州を手に入れて大陸に土地を持つため。それに対する脅威に場当たり的に対処していったらいつの間にか周りは敵だらけになって、ついに日米開戦していた。そんな感じ。

     満州がどれだけ日本の経済力を上げる要になっていたとしても、コスパが悪かった。いや、当時はコスパという概念が無い軍人が政治に干渉したからだめだったのか。

     日本人は正義を語りはじめたら要注意。これが教訓。熱狂、ダメ絶対。

  • 太平洋戦争に進んだ一つの要因として、国民的熱狂が挙げられることはなんとなく知っていた。が、それが軍部を始め、天皇の意思決定にも強い影響を与えていたことは衝撃だった。対外戦争より、国内戦争を恐れたのは、保身としか言いようがない気がする。

    また、本文中には「抽象的観念論を好み、理性的な方法論をまったく検討しようとしない」国民性が度々指摘されている。自分の都合の悪い展開への想像力が欠けているという点は、今の原発政策にも繋がりそう。

    そのほかにも、
    ・ポツダム宣言≠戦争の終わり
    ・対症療法的な発想
    も今日につながる教訓だと思う。
    2016/4/17

  • 読みやすい

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著者プロフィール

半藤 一利(はんどう・かずとし):1930年生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「文藝春秋」「週刊文春」の編集長を経て専務取締役。同社を退社後、昭和史を中心とした歴史関係、夏目漱石関連の著書を多数出版。主な著書に『昭和史』(平凡社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫新田次郎文学賞受賞)、『聖断』(PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫)、『幕末史』(新潮文庫)、『それからの海舟』(ちくま文庫)等がある。2015年、菊池寛賞受賞。2021年没。

「2024年 『安吾さんの太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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