- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582768626
感想・レビュー・書評
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1975年に桃源社から刊行された単行本が平凡社ライブラリーで復刊。
紀行文、オカルト、本について……等、幅広いテーマのエッセイ集。意外にも紀行文が一番面白かった。特に『千夜一夜物語紀行』は幻想的な小説のようでありながら、時折、笑える現実(いや体験すると笑えないのかもしれないが……)が入り交じっていて楽しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶりな澁澤龍彦のエッセイ集、というか雑文集か。脈絡はないけど、読みたいとこだけ読めばそれなりに楽しめる。女流作家についてのエッセイの中に、現代からすると女性蔑視的な発言もあり、澁澤龍彦も昭和ひと桁生まれの男なのだなと思わされるが、鼻もちならないウーマンリブ的な当時の風潮に、何かしら言ってもよかろうという澁澤なりの意図的発言だったように思える。
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行けなくても、色々読み返して楽しみます。。。
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ただ一度の中東旅行の記録、花田清輝、日夏耿之介など偏愛作家への讃辞、幻想、オカルト、魔術──その魅力が凝縮された幻の澁澤本。
http://www.heibonsha.co.jp/book/b325549.html -
「澁澤龍彦のすすめ」みたいな本だった。広く浅くとりあげつつも、そこには確かに澁澤龍彦がいる。「この本が一番好き!」とはならないが彼がどのような人間かを知るには丁度よく好きだなと思ったコラムに関連する澁澤の本を読むのがいいのかなと思う。
個人的にはサロンのお話が好き。 -
美術評論、書評、旅行記など特定のジャンルにとらわれない縦横無尽な雑文集。
目次を眺めたときは食指の動かなかったテーマが幾つかあったけれども、
一読すると興味をそそられるものも多く、
特に作家論が充実していて今後の読書が一層楽しみになった。
個人的に面白かったタイトルは下記の通り。
・フランスのサロン
・岡本かの子ーあるいは女のナルシシズム
・魔道の学匠ー日夏耿之介
・小栗虫太郎・木々高太郎集解説
一貫したテーマがないので人に勧めにくい本ではあるけれど、
目次を眺めて興味が湧いたコンテンツが幾つかあれば是非とも手に取ってほしい。 -
既読の内容が幾つもありますがそれでも未読のものを読めるのは幸せ。
美術関係、旅行記、人物評等々のごった混ぜ感はありますが色々な方面から澁澤龍彦と言う人を読むことができると思えばそれも良しです。
『フランスのサロン』が一番面白く読めました。
しかし平凡社ライブラリーは微妙に縦長で愛用の文庫本用ブックカバーが使えないのには困りました。もう一回り大きなものを探さないと…。 -
2017年は澁澤さん没後30年だったかで河出文庫や中公文庫が何冊か復刊してましたが基本全部持っているので新しく買うことはせず(中公文庫は装丁がキレイになってたからちょっと迷った)、これも中身は他社から既刊のものと被ってそうだなとは思ったのだけれど確認するのも面倒なのでまあ1冊くらいはと購入。結果たぶんほとんど(いやもしかして全部)既読のものだったけどまあいいやそれはそれで。
あとがきによるともとの単行本は昭和50年で、その時点で単行本未収録のエッセイを集めたので非常に雑多な内容になっているとのこと。うん、確かに統一感のないラインナップでしたが、それでもやっぱり澁澤さんの文章はどれを読んでも面白いし何度読んでも面白い。雑多ゆえ逆に守備範囲は広く、マニア向けというよりは澁澤さん初心者の入門編におすすめかも。
※収録
ビザンティンの薄明―あるいはギュスターヴ・モローの偏執/キリコ、反近代主義の亡霊/幻想美術とは何か
千夜一夜物語紀行/フランスのサロン/オカルティズムについて/シェイクスピアと魔術/「エクソシスト」―あるいは映画憑きと映画祓い/毒薬と一角獣/絵本について/聖母子像について/過ぎにしかた恋しきもの/雪の記憶/読書遍歴
岡本かの子―あるいは女のナルシシズム/魔道の学匠 日夏耿之介/琥珀の虫 三島由紀夫/花田清輝頌/藤綱と中也 唐十郎について/未来と過去のイヴ 四谷シモン個展/金井美恵子『兔』書評/中井英夫『悪夢の骨牌』書評/江戸川乱歩『パノラマ島奇談』解説/「小栗虫太郎・木々高太郎集」解説/唐十郎『盲導犬』解説/アルティストとアルティザン 池田満寿夫について -
世田谷文学館の企画展にて購入。
旅行記「千夜一夜物語紀行」は、購入したアストロラーブが展示されていたり、旅行中の写真を見られたりと、企画展と合わせて楽しむことができた。
澁澤さんの本は読むことの贅沢を教えてくれる。 -
「魔法のランプ」(立風書房) というエッセイ集を新刊で購入した頃「貝殻と頭蓋骨」(桃源社) を古書店で探したが見つからなくて涙をのんだ。その後全集で読むことができたが、編年体構成の為あちこちに分散して感動が薄かった。河出文庫は出版しないし、なかば忘れた頃平凡社ライブラリーから復刊されたのは嬉しい!