宮崎駿の「深み」へ (平凡社新書 243)

著者 :
  • 平凡社
3.07
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本棚登録 : 103
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582852431

作品紹介・あらすじ

ナウシカや王虫は何を食べて生きているのか?もののけ姫・サンが動物の皮を被っているのはなぜか?"ものを食べ、腐敗させ、消化し、排出する"有機体的なサイクルに着目して、アニメ作品を丁寧に読み解き、宮崎駿の感性と思考の深部に迫る。子どもにとって、また大人にとって、アニメを見る意味を明らかにした快著。

感想・レビュー・書評

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  • いつも「絵が綺麗」とか「声優さんが」とかそういった好きの観点でしか見ていなかったので…こういう捉え方もできるんだー、と。何事も学問になり得るのですね…

  • 大阪樟蔭女子大学図書館OPACへのリンク
    https://library.osaka-shoin.ac.jp/opac/volume/397784

  • 有機体的世界観からジブリ作品の分析を試みた本。

    「こういう捉え方があるのか」と面白い半面、ちょっと無理ないかな?と首を傾げる話もあったような。

    アオリでてっきりジブリのごはんに着目したと勘違いした自分は苦しめられました。
    もっと根源的かつ概念的(時に比喩的)な『食うこと』がテーマだったとは。

    日本語が変だったり誤字脱字が目立ったのは残念です。
    著者の熱意は伝わるけれど、言いたいことがよく分かり辛い原因の1つかも。

  • 「腐」「食」「衣」という視点からジブリ映画を観ると、どんな世界が見えるかを描写した一冊。初回作品「ナウシカ」から、ハウルの動く城まで、上下移動や場面転換の早さをを鍵にトップにのぼりさつめている。史実や著名な読本との比較を交え、新しい視点を提起する。

  • 「風の谷のナウシカ」から「千と千尋の神隠し」までの宮崎アニメを分析したもの。著者は、他の批評は、文明論や歴史学的な視点からちぐはぐな批評をしている「風の谷のナウシカ」から「千と千尋の神隠し」までの宮崎アニメを分析したもの。著者は、他の批評は、文明論や歴史学的な視点からちぐはぐな批評をしているけれど、自分は違うぞ、という主張をしていたが、批評のレベルとしては似たり寄ったりな感じをうけました。
     宮崎アニメ全体を通じて、「火」「食」「再生」あたりをキー・モティーフに分析がされていて、面白く読めました。
    (つちなが)

  • ん~、ここまで深く考えている人はいないだろうなぁ。というのが率直な感想。

  • 2011/3/30読みたい→2012/1/20先生からいただく→2013/4/15一通りは読み終わる

  • 風の谷のナウシカ*食べるもの食べられるものの世界。見えないものを見えるように巨大化。それが王蟲。架け橋としてのナウシカ。技術者としてのナウシカ。
    天空の城ラピュタ*上がり下がりの物語。追いつ追われつが加わり至極のエンターテインメントに。土から離れて生命は生きられない。
    となりのトトロ*物語があって初めて見えるものがある。『トロルの森』からトトロを結びつけたことなどから。風景も同じ。土地の由来や物語が必要。
    魔女の宅急便*魔女の歴史的な描き方。13歳で独り立ちするワケ。しきたりが現代にあわなくなっていること。血でなく伝承が魔女をつくる。
    紅の豚*表の世界に裏の世界。飛行機を飛ばす一連の仕事とアニメをつくりだすスタジオジブリを重ねて。マルコのモデル。豚であるワケ。
    もののけ姫*毛皮を被るということ。犬と猪であるのにはわけがある。シシ神とデイダラボッチ。昼と夜。夏と冬。
    千と千尋の神隠し*廃墟と過去と由来。カオナシの造形のモデルとは。

  • 2012.8/24.白子BF

  • ≪目次≫
    第1章 「ジャングル」から「腐海」へ—『ジャングル大帝』から『風の谷のナウシカ』へ
    第2章 『風の谷のナウシカ』論
    第3章 『天空の城ラピュタ』論
    第4章 『となりのトトロ』論
    第5章 『魔女の宅急便』論
    第6章 『紅の豚』論
    第7章 『もののけ姫』論
    第8章 『千と千尋の神隠し』論
    番外 『ハウルの動く城』へ—原作『魔法使いハウルと火の悪魔』を読む
    まとめ—有機体的な世界の不思議さへ

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ、評論家。
著書『初期心的現象の世界』『「いのち」論のはじまり』『「あなた」の哲学』『徹底検証 古事記』『古事記の根源へ』『『君たちはどういきるか』に異論あり』『いじめの解決 教室に広場を』『吉本隆明 忘れられた「詩的大陸」へ』ほか、多数

「2023年 『詩文集 織姫 千手のあやとり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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