占領期メディア分析

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  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (682ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588327018

作品紹介・あらすじ

占領期マッカーサーは生き残りを図る日本のメディアを冷徹に利用した。GHQの一次資料を解読し,GHQ政策とメディアの関係図,その動態を赤裸々に示す。

感想・レビュー・書評

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    「『北海道新聞』の労使にむけて、インボデンを通じ、CIEは編集権を資本家、経営者のみに認めるとの考えを伝達した。」(p.39)
    「資本と経営、編集の分離を民主化の一応の成果と見ていた。」(p.63)
    「株の変動が経営権の変動につながることをGHQとくにCCDは十分に認識し、その他のメディアの分析でも、必ずといってもいいほど、株主や株数の記録を残している。」(P.66)
    「村山のねらいは、[...]長谷部体制を打破し、資本・経営・編集の三位一体体制を回復させることにあった。」p.73
    「(毎日新聞で)いともスムーズな役員交代劇が見られたのは、[...]同紙には大株主がいなかったためである。しかも株の社員への分配という民主化がすでに戦前から実施されていた」p.84
    「『ジャパン・タイムズ』は苦しかった[...]にもかかわらず存続できた理由は、[...]外務省の支援があったためである。」p.97
    「同盟(通信社)は[...]軍部政府の期待に応える「日本の対外思想戦の中枢機関」として自負するようになった。」p.121
    「同盟は、南方で新聞を発行するだけではなかった。軍部や政府と密着して、反枢軸陣営への情報戦略、プロパガンダ戦略を露骨に展開していた。」p.124
    「四五年十一月一日、同盟を分割した共同通信社と時事通信社が活動を開始した。[...]政府補助金がゼロとなった戦後の同盟が、二大財源のうち組合分担金収入を共同が、経済サービスを時事通信社が引き継ぐ「紳士協定」を結んだわけである。」p.136-7

    「講談社は戦争末期の四四年に、軍関係の機関誌を創刊し、軍との関係を急速に深めていった。」p.172
    「(講談社)の株主は、[...]八八・八パーセントが野間家によって所有されていることがわかる。」p.173
    「講談社らの戦争責任については、GHQはけっして忘れていないこと、それどころか警戒を怠っていないことがわかる。」p.181
    「顧問委員会の設置とそれによるNHKの支配こそが、メディアから政府権力、資本の排除を命じたGHQの方針に沿うものと考えられていた。」p.218
    「マッカーサーは[…]どろどろした政治の修羅場に介入するポリテシャンではなく、大局を把握し、政局を誤りなく運営するステーツマンのような軍人として自らを印象付ける戦略を練っていたしたたかな人物であった。」p.528
    「CCDに働く日本人は[…]その大半の六千人以上が郵便検閲の第一線に立っていたと思われる。」p.550

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著者プロフィール

1940年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。一橋大学名誉教授、早稲田大学名誉教授。

「2018年 『子ども・家庭・婦人博覧会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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