パリの女は産んでいる: <恋愛大国フランス>に子供が増えた理由 (ポプラ文庫 な 2-1)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591106310

作品紹介・あらすじ

女が自由になるほど、子どもは増える?女性が自由に生きやすい社会の様子を、豊富な例とデータと共に紹介。第54回日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 産むか産まないか、そのタイミングも自分で決められる。産んでも仕事を続けるのが当然。母親になっても女性として魅力的、子供よりパートナーであることが優先。婚外子やシングルマザーへの偏見なし。

    日本の女性、がまんしすぎ。完璧な母親になろうと、がんばりすぎ。少子化も無理ないです。

  • 2008年(単行本2005)刊。出生率向上を果たした仏国の出産、育児、夫婦・男女関係の実情等をレポートしたもの。勤務時間のフレキシブル化が母業を助け、父親の育児参加を促進するとの著者の考えは同感。また、本書指摘の仏の保育制度(二歳児から保育学校へ入学可。保育学校は幼稚園と小学校の中間的なものか。学童保育的システムも付加)は肯定的に見うるし、仏国の育休制度にも好感。広範囲のベビーシッター制度も子育て支援という意味で有効か。が、安全性を含む管理面に難題。不当保育の告発は困難でブラックボックス化は不可避だから。
    が、著者の著作姿勢にはいささか懐疑的。本書で「『自分の幸福こそ他人の幸福』というエゴの肯定が圧倒的。私…は…自分の幸福を根拠に行動を肯定しきる…強さをよいと思うので異論はない」と言い切る著者に引き気味。また「フランスはユートピアではない。…問題を抱えている」としつつ「フランスで問題になっていることを…そのまま差し出すと、焦点がぶれ」「ここに書いた内容は、日本の読者を想定して取捨選択…ニュアンスも加減」との姿勢には??
    加えて、大人優先・個人優先にすぎる仏社会のありようは肯定しきれない。例えば、婚外交渉での女性の言い草は、玩具を欲しがって駄々をこねる子供のメンタリティと差がないと感じられるからだ(ただ、実例は書いてないが、著者の書き振りによれば、男性も同じだろう)。多少意に反しても、妥協を図りベターな選択を模索していく。これが大人のありようではないか。フランスのそれは本書を読む限り、程遠い印象。子育てでも大人優先に過ぎ、親子関係で明らかに劣位にある幼児への配慮が足りなさ過ぎ(が、日本の現状を全て是とする考えではないが)。
    ゲイ・レズが夫婦として公認され、養子を持ったらどうなるかというのは、法的観点から見れば興味深い。関係の解消方法はどうするのか。相続のありようは如何にするか。遺産分割の方法論は?さらには、養子の範囲はどこまで?

  • 2013.12.22

  • いいな。フランス。ちょっと前の本だし、全部が全部いいってわけでもないんだろうけど、でもやっぱりいいな。

    あたしもフランスにいたら子どもを生みたいと思ったんだろうか。

    女性が子どもor仕事で人生に悩むこともなくて、セックスレス率も低くて(てかそれが離婚の理由とか日本じゃあんまりならないんじゃ)、いくつになっても女であり、現役とかすごい。

    確かに長い間カップルがお互いを男と女で意識し続けるには努力が必要で、それを日本のひとたちはちょっとさぼり気味なのかもなぁ。

    若いってことが女性の大きな魅力ではないっていのを読んでて、ふとあたしが台湾のパパに兎の仕事を紹介しようとして見せたAKBの映像に「日本は女のひとがバカっぽいこと(何にも知らないこと)、幼いことがいいとされる。でもヨーロッパではそれは全くない」と言ってきたのを思い出した。
    そういうことに性的魅力を感じないと。(まーそれは自分の想い通りにしたいという日本男性の欲求があって、幼かったりする要素っていうのは言うことを聞きやすい、自分より弱いから力等でねじ伏せられる。それに快感を得る男のひとが現代のリーベンには多いっていうのがあるんだろうな)

    結婚をしなくても事実婚とシステム的にあんま変わらないとかいいなー。

    あと子どもが一人いて今2人めを妊娠中っていう女性が運命のひとに出会ってしまって、でも夫もいいひとにはいいひとでっていう悩み相談の答えがすばらしい。

    共通しているのは自分の感情に素直に生きてっていう答え。子どものために我慢してっていうアドバイスをしたひとは一人もいなくて、逆にあなたが幸せなことが子どもの幸せに繋がるのよっていアドバイスばかり。

    すごい!!!ってそれに励まされてる状況ってわけでもないんですけど。。。

    でもパパがフランスにいる間にフランスに移住しよーかなくらいのことは思ってしまいました。

  • あまりにも主観的、筆者の狭いご近所の話

  • お国が変われば子育てに対する考え方がだいぶ違いますね。日本人の私からみると、少し雑な育児だな…なんて思ってしまいました^^;

  • エッセイとはそもそもそうゆうものなんだろうけど、非常に個人的な体験が元になっている。信憑性うんぬんというよりこれがフランスと日本の全てと思い込むことだけはしないでおこうと思いながらも、なかなか楽しく読めました。パリのこどもたちの写真もかわいい。
    まぁ日本もフランスも一長一短で、子育てって結局はどこ行ってもたいへんなことに変わりない。
    著者の妹が直木賞作家の中島京子であったことに一番驚いた。

    “女性が生きやすい社会になれば、子供は自然に生まれるようになる”

  • タイトルから、日本と比べてパリはこう!ってオンパレードかと思いこんで読み始めてみたら、日仏はこんなにも違うのか、面白い話と考察で楽しめた。

  • フランス(及び日仏比較)の子育て事情。出生率上昇の背景に何があるのか。単に結婚せよ、子を産めと騒いでも、女性は埋めない。まずは女性が子どもを産んでも仕事を継続できる環境を整え、出産や子育てに於ける女性の負担、女性への要求を減らす…など。結婚も出産も予定はないけど、勇気でけられる内容でした。他の本も読んでみようっと。

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著者プロフィール

1961年東京生。翻訳家・エッセイスト。『パリの女は産んでいる』で第54回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。著書に『パリママの24時間』他、訳書にラシュディ『郊外少年マリク』他。家族と共にフランス在住。

「2016年 『哲学する子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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