新美南吉童話選集 (5)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (134ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591133095

作品紹介・あらすじ

心のよさは、ほかのひとの心もうごかす「花のき村と盗人たち」をはじめ、命をかけてはがきをとどける少年のすがたを描く「一枚のはがき」など、人間の心のうつくしさとみにくさを描いた四編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「一枚の葉書」なんだかもの悲しい…。
    新美南吉の童話は感動するものもあるけれど、悲しいものも多い。
    考えさせる大人向けの童話ですが、好みが分かれそうです。

  • 新美南吉の作品は、世間で悪い印象の人の中の善の部分を描くものが多いので、人間の根本は善と思わせてくれる。『花のき村と盗人たち』もその一つで、人間はやはり他人の信用を得ることが何よりうれしいことなのだと改めて思わせられる。『屁』は日常の些細なことを題材にしているが、主人公の男の子の内面心理を追いながら人間のエゴやいじめに通じる集団心理描写に、滑稽ながらも誰でも自分を投影できる身近な出来事として描かれているところが素晴らしい。

  • 「花のき村と盗人たち」をはじめ、命をかけてはがきをとどける少年のすがたを描く「一枚のはがき」など、人間の心のうつくしさとみにくさを描いた四編を収録。

  • 子供の日常は平穏無事というわけではない。それどころか毎日何かしらひっかかりを感じたり悩んだりして揺れ動いている。『屁』は可笑しい話だとばかり思っていただけに何とも苦い後味だった。『うそ』とは逆を行く結末に至っており、人間のエゴが浮き彫りになる。「人が生きていくためには肯定される」…?いや、そんなことはない、と言いたいけど、さて現実はどうだろうか。明るい気持ちになりたくて読んだ『一枚のはがき』に突き放された。なんて悲しい…。なんで?なんで?と私も問わずにはいられなかった。

  • 「うそ」と「一枚のはがき」が未読だったので読む。「うそ」は久助もので、なかなかよい。
    でも「一枚のはがき」はこれはないでしょ、って感じ。「かげ」のときも思ったけど、別に死なんでも。
    清水真砂子が以前「日本の児童文学はかわいいと可哀想しかない」と言っていたけど、こういうのを読むと認めざるを得ない。
    けなげで可哀想。でもそれだけじゃん。
    でももちろん、「花のき村」「屁」という名作も入っているから、本自体はまあまあといったところ。

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著者プロフィール

1913年、愛知県知多郡半田町(現・半田市)に生まれる。中学時代から童話を書き始め、『赤い鳥』『チチノキ』などに投稿。東京外国語学校在学中に病を得、20代後半の5年間は安城高等女学校(現・県立安城高等学校)で教師をしながら創作活動を続けた。1943年、29歳の生涯を終える。代表作に「ごんぎつね」「おじいさんのランプ」「手袋を買いに」「でんでんむしの悲しみ」を始めとして、多くの童話・小説・詩などの作品を残す。

「2019年 『子どものすきな神さま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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