([か]10-1)四月一日亭ものがたり (ポプラ文庫 か 10-1)
- ポプラ社 (2014年8月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591140970
感想・レビュー・書評
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大正時代末期、日本が自由で穏やかだった時代。
銀座の裏通りにひっそりと佇む西洋料理店
「四月一日亭」があった。美味しい料理とともに、
今日も客人たちの悲喜こもごもが繰り広げられる…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
時は大正時代の末期。
一軒の洋食屋を舞台に、お店にまつわる人々の悲喜こもごもを描いた連作短編集。
店主の娘が語る身上、隣に住む女の子が憧れるもの、お客としてやって来た彼等の心中…。
美味しそうな料理とその思い出、不思議なご縁。際立つのは大きな悲しみと小さな幸せ。
レトロな雰囲気やゆったりした時間の流れ、そんなものも感じさせる作品でした。 -
大正時代末期の銀座の裏通りにある西洋料理店「四月一日亭」を舞台に、関わる人々の悲喜こもごもを描く連作短編集。
戦争や震災は興ったけど、何となく落ち着いた印象がある大正時代。当作品もモダンな雰囲気を感じるが、物語が淡々と進行するようで心に響かなかった。 -
2017.3.6読了 23冊目
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この時代のお話が大好きです。
登場人物がいまひとつで
最後まで馴染めなかったです。 -
初読み作家さん。洋食屋が舞台の話しだけど、予想と違ってあまり料理は出て来なかったw四つの連作短編集で、最後には繋がりがわかって、おお!と思ったが、西岡が一番辛いなあ…
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関東大震災直前の浅草、小さな洋食屋、4月1日亭に関わる人びとの連作短編集。
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不安定な時代に生きた人々を描く物語。
洋食屋さんの物語と思って読んだらそうではなくて、洋食屋はただの舞台装置な感じ。 -
西洋料理店「四月一日亭」をめぐる人々の物語。
明治大正と、日本の洋風化が進む。
戦後のアメリカ化ではなく、欧風化の時代だ。
作者も読者も、実際に生きた時代ではない。
いい意味で「美しいところ」ばかりが描かれている。
(作者は美しいところばかり描いているつもりはないのだろうが…)
哀しい繋がりや、貧しく汚い街並みと人々さえも、時間という紗を通して見るように遠いせいなのか美しく感じる。
それは、読み手の、勝手なノスタルジーからくるのかもしれないけれど。
さて、美味しそうな西洋料理もたくさん出てきますが、私が一番おいしそうだと思ったのは、白飯にウスターソースかけたやつです。
今日明日にでも食べてしまいそうです。
目次には、西洋料理店のメニューふうにお洒落に料理名が描かれていますが、内容の雰囲気とは何だかちぐはぐ。
軍隊の便所飯や、一膳飯屋の出どころの良くわからない材料、豆腐料理ばかりの一般家庭…そういう部分の描写の方が面白かった。
他に印象に残ったのは、浅草凌雲閣。
良き時代の象徴のような気がします。
これが、関東大震災で倒壊した時、日本の近代化の時代がどこかで終わって、軍国主義へと急速に傾いて行く時代になる。
桐子さんは、成功を求めて、上海や満洲へ渡りそうだなあ~ -
大正時代末期の西洋料理店・四月一日亭にまつわる連作短編集。巷では評判の作家の書き下ろし作品であるが、どうも自分の好みではないようだ。『嫁の遺言』に続いて読んでみたのだが、ストーリーが荒削りという感じで、しっくり来ない。物語の持つ雰囲気が良いだけに残念に思う。
『チキンカツレット』『アイスクリーム』『ホワイトライス』『オムレット』の四編を収録。