([か]10-1)四月一日亭ものがたり (ポプラ文庫 か 10-1)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591140970

感想・レビュー・書評

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  • 大正時代末期、日本が自由で穏やかだった時代。
    銀座の裏通りにひっそりと佇む西洋料理店
    「四月一日亭」があった。美味しい料理とともに、
    今日も客人たちの悲喜こもごもが繰り広げられる…。

  • 時は大正時代の末期。
    一軒の洋食屋を舞台に、お店にまつわる人々の悲喜こもごもを描いた連作短編集。

    店主の娘が語る身上、隣に住む女の子が憧れるもの、お客としてやって来た彼等の心中…。
    美味しそうな料理とその思い出、不思議なご縁。際立つのは大きな悲しみと小さな幸せ。
    レトロな雰囲気やゆったりした時間の流れ、そんなものも感じさせる作品でした。

  • 大正時代末期の銀座の裏通りにある西洋料理店「四月一日亭」を舞台に、関わる人々の悲喜こもごもを描く連作短編集。
    戦争や震災は興ったけど、何となく落ち着いた印象がある大正時代。当作品もモダンな雰囲気を感じるが、物語が淡々と進行するようで心に響かなかった。

  • 2017.3.6読了 23冊目

  • この時代のお話が大好きです。
    登場人物がいまひとつで
    最後まで馴染めなかったです。

  • 初読み作家さん。洋食屋が舞台の話しだけど、予想と違ってあまり料理は出て来なかったw四つの連作短編集で、最後には繋がりがわかって、おお!と思ったが、西岡が一番辛いなあ…

  • 関東大震災直前の浅草、小さな洋食屋、4月1日亭に関わる人びとの連作短編集。

  • 不安定な時代に生きた人々を描く物語。
    洋食屋さんの物語と思って読んだらそうではなくて、洋食屋はただの舞台装置な感じ。

  • 西洋料理店「四月一日亭」をめぐる人々の物語。
    明治大正と、日本の洋風化が進む。
    戦後のアメリカ化ではなく、欧風化の時代だ。
    作者も読者も、実際に生きた時代ではない。
    いい意味で「美しいところ」ばかりが描かれている。
    (作者は美しいところばかり描いているつもりはないのだろうが…)
    哀しい繋がりや、貧しく汚い街並みと人々さえも、時間という紗を通して見るように遠いせいなのか美しく感じる。
    それは、読み手の、勝手なノスタルジーからくるのかもしれないけれど。

    さて、美味しそうな西洋料理もたくさん出てきますが、私が一番おいしそうだと思ったのは、白飯にウスターソースかけたやつです。
    今日明日にでも食べてしまいそうです。
    目次には、西洋料理店のメニューふうにお洒落に料理名が描かれていますが、内容の雰囲気とは何だかちぐはぐ。
    軍隊の便所飯や、一膳飯屋の出どころの良くわからない材料、豆腐料理ばかりの一般家庭…そういう部分の描写の方が面白かった。

    他に印象に残ったのは、浅草凌雲閣。
    良き時代の象徴のような気がします。
    これが、関東大震災で倒壊した時、日本の近代化の時代がどこかで終わって、軍国主義へと急速に傾いて行く時代になる。
    桐子さんは、成功を求めて、上海や満洲へ渡りそうだなあ~

  • 大正時代末期の西洋料理店・四月一日亭にまつわる連作短編集。巷では評判の作家の書き下ろし作品であるが、どうも自分の好みではないようだ。『嫁の遺言』に続いて読んでみたのだが、ストーリーが荒削りという感じで、しっくり来ない。物語の持つ雰囲気が良いだけに残念に思う。

    『チキンカツレット』『アイスクリーム』『ホワイトライス』『オムレット』の四編を収録。

著者プロフィール

神奈川県生まれ、東京育ち。日本大学芸術学部文芸学科中退。日本推理作家協会会員。2009年、『山姫抄』(講談社)で第4回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。『泣きながら、呼んだ人』(小学館)が盛岡のさわや書店が主催する「さわベス」1位を獲得。2011年に刊行した『嫁の遺言』(講談社)が多くの書店員の熱い支持を受けベストセラーに。その他に『蛇の道行』(講談社)、『四月一日亭ものがたり』(ポプラ社)、『ひかげ旅館へいらっしゃい』(早川書房)、『ごめん。』(集英社)など。昨年刊行した『カスタード』(実業之日本社)は奇跡と癒しの物語として多くの読者を勇気づけ、本作はその続編にあたる。不器用だけど温かな人情あふれる物語には、幅広い世代にファンが多い。

「2022年 『ロータス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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