ミナトホテルの裏庭には (ポプラ文庫 て 3-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591158258

感想・レビュー・書評

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  • 一つの話の登場人物ごとに視点を分ける連作は、寺地さんの得意とするところです。
    血のつながらない父母の残したホテルを継いだ優しい息子(主人公ではない)の世代のドタバタ気味の青春人情劇。
    その母親が在りし日のホテルをめぐる友情と愛情の物語。
    そしてひょんな事からホテルに出入りする事になる女の子の視点から見た、ホテルに関わる人々の姿。
    もっと諸々要素はあるのですが、どちらかというと枝葉に思える、淡い思いやりのような感情が印象に残る物語です。

  • 起承転結とかクライマックスとか、そういうのはないけど、こういうのもアリだと思う小説。ほどほどに誰かのチカラになりたい。

  • 大切な人には、頼ってほしいものなんです。我が儘を、言ってほしいんです。大切な人からあなたには関係ないって言われるのが、いちばん堪えるんです。誰にも頼らずやっていけることは、たぶんそんなに立派なことではないのだ。だって誰かに頼られると嬉しい。誰にも頼られることなく生きていくのは、虚しい。誰にも頼られぬ者に、自分もまた、誰かに頼ることができない。

    働くのは、食うためだ。食うのは、生きるためだ。生きるための仕事で、死ぬな。祖父は、そんなふうに言った。だから死ぬほどつらかったら、その時は逃げろ、と。

    他人に心を開かないものは、他人から心を開いてもらえないのよ、陽ちゃん。その状態では、他人の不幸に引きずられる。あなたには、他人を救うとか、助ける、とかいうことの意味が、たぶんわかっていない。陽子さん、あなたは優しい人だと思う。誰かを助けたいらという気持ちはたしかに尊い。でも鏡を見てみたらいい。自分自身を蔑ろにしている人が、誰かを大切にできるわけがない。

  • 祖父に頼まれて亡くなった祖父の友人が経営していたホテルの裏庭の鍵を探しことになった芯。しかし、向かった先で亡くなった友人の息子の湊が階段から転落し、そしてその騒ぎで湊が飼っていた猫まで脱走。鍵を探すのと同時に足を骨折した湊の代わりに受付の仕事もし、そして猫まで探すことになった芯。訳ありホテルの話。


    なんというか思っていた話と違っていた。訳ありホテルの話だからワチャワチャするかんじなのか一期一会の出会いなのかと思っていたが、芯を取り巻くってかんじだった。でも、いい話だったなぁとは思う。


    2020.3.7 読了

  • 言いたいことは分かるんだけどうーんあと一歩物足りない

  • うーん、つまらんくはないが特別面白いというわけでもない。
    なんとなく平和で心地よい雰囲気の本ではある。

  • うーん

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著者プロフィール

1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『わたしの良い子』、『大人は泣かないと思っていた』、『正しい愛と理想の息子』、『夜が暗いとはかぎらない』、『架空の犬と嘘をつく猫』などがある。

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