定年入門

著者 :
  • ポプラ社
3.20
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本棚登録 : 170
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591158371

作品紹介・あらすじ

組織で働く人に必ずおとずれる「定年」。だが、超高齢化社会を迎え、「一億総活躍社会」が標榜される現在、その制度が揺らぎ始めている。定年後の働き方、シニアの起業など、生涯現役を促す本が数多く出版され、ベストセラーとなったものもある。人はいつまで働けばいいのか? みんなそんなにずっと働き続けたいのか? リタイアした人は誰もが趣味や生きがいのある充実した生活を本当に送っているのだろうか? 独特の視点で日常や常識に新たな光をあてるノンフィクション作家が、定年後の人生を歩んでいる人々に取材、「定年のナゾ」に迫っていく。

【著者プロフィール】
たかはし・ひでみね。1961年横浜市生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科卒業。テレビ番組制作会社、出版編集プロダクションを経て、ノンフィクション作家に。『ご先祖様はどちら様』で第10回小林秀雄賞、『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』で第23回ミズノ スポーツライター賞優秀賞を受賞。その他の著書に『TOKYO外国人裁判』『素晴らしきラジオ体操』『からくり民主主義』『トラウマの国 ニッポン』『趣味は何ですか?』『男は邪魔!』『損したくないニッポン人』『不明解日本語辞典』『やせれば美人』『人生はマナーでできている』『日本男子♂余れるところ』など。

感想・レビュー・書評

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  • たくさんの定年者へのインタビューを元に、定年後の生活はどうしたらいいのか、そもそも定年とは何なのかを考える本。
    様々な生き方をする方々の言葉はとても面白かったが、残念だったのはほぼ皆様イキイキ何かしらに打ち込んでいること。
    副タイトルの「イキイキしなくちゃだめですか」に惹かれて手に取ったので、イキイキしない定年後のことも読みたかった…インタビューになかなか答えてくれないとは思うけども…。
    元々趣味がないことが悩みだった母が退職し、地域の運動クラブなどを覗いている。
    昔は何か打ち込めばいいのにと生意気に思っていた私だが、母には本人は意識していないが色々楽しみがあると思うのとはまた別に、趣味がないならないでいいんだろう、無理に「イキイキ」することはないんじゃないかと思っていたところで、肯定してくれるような本だったら渡そうと思ったのだけど、渡せないな…。
    あとがきの定年と〆切の話が良かった。

  • 今の仕事をやめたらどうするか…。年金とか税金とか具体的な手続きの話ではなく、いろいろな人が定年後どんなふうに生きているかについて聞きとった話。定年後も前の仕事でつちかったスキルをいかして働くのか、仕事をしているときにはできなかった自分のやりたかったことをするのか、ただありあまる時間をうめるために何かつめこんでいくのか…
    インタビューされた人はほとんど男性だったが、私はやはり同性ということもあり、最後のほうに紹介されていた女性の話が一番響いた。
    特に捨て方のルールについて話していた人(p.266)。私はこれがなかなかできない。
    パイロットの男性の話もおもしろかった。様々な職業の人の話を聞くのはおもしろい。
    まだエネルギーがあるうちに、これから先のことを考えていく、というのはありだよな、と思う。

  • いわゆる「濡れ落ち葉」「粗大ごみ」タイプの退職者は登場しない。取材対象から除外したのか、一般的に減っているためかは不明。
    ・定年以前に筆者は会社を辞めること自体を好意的に捉えているように思える。
    ・天下りを当然視したり履歴書を提示するなどの、一部の取材対象者に対する嫌悪感が伝わる。
    ・『男は邪魔!』などで顕著に表された、著者の女性一般への信頼感(女には揺るがない幹がある)は本書でも明白。終章も毅然とした女性二人への取材で締めくくっている。

    「会社に未練はなく退職後も上手に忙しくしています」といった退職成功者?に偏ったことがかえって残念です。

  • 長年会社勤めをしていると、必ずやってくるのは定年。自分自身も数年後には定年を迎えるので、その後の生活に興味があって読んでみた。
    定年後の生活には「きょうよう」と「きょういく」が必要らしい。「きょうよう」は、一般的な教養ではなく、「今日の用事」のこと。同じく「きょういく」とは教育ではなく「今日行くところ」のこと。要は持て余す時間をいかに使うかに皆苦労しているらしい。
    現役時代は、会社を辞めると自由な時間があり、週末の休みの延長のように思われるが実態は違っているようだ。会社生活で染みついた出社・仕事・帰宅のサイクルが無いと、落ち着かないのだろう。
    この本では、他にも現役世代には判らない色々な事例を取り上げていて興味深かった。自分も数年後の生活を今からシミュレーションしているが、おそらく決まった日課が必要になる。日課を決めて実行し、1日の終わりに日記を書いて、毎日を振り返るような生活が良いと思う。人生は、PDCA(Plan-Do-Check-Action)なのだ。と、頭では解っているけれど、それを続けられるかが問題だ。チェックしてくれるパートナーの管理が必要かも。(会社辞めても管理されるのが、ちと辛いが)

  • 定年後は時間が潰れることが大事のようでした。しかし現役は待つことが仕事、次の仕事を受け入れられるよう先の仕事をこなして待つ。時間が潰れるからと仕事をしているわけではないのかと、説明されて納得する。

  • 仕事・肩書き・やるべきことがある日常から突然切り離された、定年を迎えた方のインタビューを中心としたエッセイ。
    肩ひじ張らずに軽やかで、ユーモア忘れず、でもちょっと真面目にという、著者らしさがたっぷりの本だった。
    社会人時代は、ある程度画一的だったかもしれない方々も、定年後の人生への向き合い方がそれぞれであることに、なぜかホッとする。
    現実味はあまりないものの、いずれ訪れる定年を思えば、もっと周囲に目を向けて今を大事にしたい、と思わせる。

  • 2019年33冊目。満足度★★★☆☆

  • 想定していたものとは全く違っていたが、まぁこれはこれてほんの少しだけ人生の予習になるかな。

  • よくある定年後生活の話。

  • たくさんの定年後の過ごし方が紹介されている。たくさんあるのになかなか自分に合ったものが見つからなかった。まずは、妻の理解が必要であると感じた。人によっては前もって考え早期退職をされているが、私は、定年までしっかり勤めたいと思った。定年後の8万時間をいかに過ごすか時間をかけて考えたい。

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著者プロフィール

医師、医学博士、日本医科大学名誉教授。内科学、特に免疫学を専門とし、東西両医学に精通する。元京都大学ウイルス研究所客員教授(感染制御領域)。文部科学省、厚生労働省などのエイズ研究班、癌治療研究班などのメンバーを歴任。

「2022年 『どっちが強い!? からだレスキュー(3) バチバチ五感&神経編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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