横浜奇談新聞 よろず事件簿 (ポプラ文庫ピュアフル さ 6-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591159989

作品紹介・あらすじ

B級新聞「横浜奇談」のモットーは、街の怪談・奇談なんでもござれ、面白ければそれでよし――。とある事情を抱える元武士・寅次郎が床屋で出くわしたのは、「ちょんまげが空を飛ぶ」という怪しい噂と、それを調べに来た記者・ライル。横浜奇談の仕事を手伝うハメになった寅次郎は、ライルとケンカをしながら街の奇妙なネタを調べるが、その裏には色んなたくらみや想いが詰まっていて……。
凸凹バディ系連作ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 開国して髷とざんぎり頭がいりまじる横浜。志し半ばで挫折し髷を落とすのを躊躇する元武士と、陽気なイギリス人が日常の謎を解き、奇談新聞の記事にする。事件そのものより、時代が変わるなかで頑張ってる日本の様子に好感が持てる。兎もかわいい。

  • 明治初めの横浜。
    欧米人、中国人、そして強かな商人や、武士の時代の終わりに絶望の闇から抜けれない人々や、転身軽やかに前線へ登ったものなど、さまざまな人間が蠢く街。

    いまだ、統治できていない無法地帯とも言える。
    そこにあった事件を当時ポンチと言った読売を作るものたちへピントが。

    幕末から明治に未だ混沌とした時代に生きた人々が、国名な史実を織り込んで語られる。

    気軽な題材でありながらも、当時の世相が色濃く語られ興味深かった!

  • 明治初期、元武士が髷や帯刀に拘ったり、人種差別や男尊女卑が当たり前だった時代の横浜。翻訳の仕事で日々食いつないでいた元武士寅次郎と、B級新聞「横浜奇談」の記者をしている英国人ライルが出会います。いわゆる日常の謎を新聞記事にするという設定が面白いです。いろいろな人と出会い、寅次郎は変わっていきます。日本が頑なに守ってきたものと時代の移り変わりへの抵抗や切り捨てが、読み手に無理なく伝わってきて、とても良かったです。軽めですが十分に楽しめました。

  • 新たな時代に向かっていく主人公の葛藤がわかりやすく、最後まで読みやすかったです。

  • 明治初期が舞台のお話。
    御一新後も時代についていけず、髷を切る決心もつかず、ぐずぐずしている主人公。
    妖怪とかキワモノ系の読売(瓦版)の外国人記者に偶然拾われて、そこから自分も記者として入社する。
    妖怪や幽霊等を題名としているが、結構な人情話。なかなか読み応えあり。
    明治維新後の混沌とした横浜を舞台に、欧米人や中国人も絡んで、当時の世相をよく描いている☆彡主人公の今後の成長に期待!それとペットのうさぎさんが可愛かった♪
    全体的におもしろかったです。

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著者プロフィール

1978年生まれ。埼玉県出身。2005年「KAPPA-ONE登竜門」より『時を編む者』でデビュー。以来、ファンタジー小説や時代伝奇を執筆。近年は積極的に時代小説を手がける。著作に、『ヤマユリワラシ―遠野供養絵異聞―』『けものよろず診療お助け録』『屋根裏博物館の事件簿』など。本書は熱血師匠と筆子の交流を描いた傑作人情小説。

「2023年 『走れ走れ走れ 鬼千世先生と子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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