流星コーリング (ポプラ文庫 か 14-1)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 168
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591172568

作品紹介・あらすじ

東京の大学へ行くことを皆に言えずにいた高校3年生のりょうは、広島で人工流星が流れることを知る。人工流星を眺めた後、同じ天文部に所属する恋人の詩織に、進路と彼女への思いを伝えようと決心するのだが、その日から奇妙なことが起こり始める。奇跡の一夜の先に待つ衝撃の事実とタイトルの意味を知った時、温かな感動が胸に押し寄せる。広島本大賞を受賞した、驚きと切なさに満ちた青春エンタメ小説。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの意味がわかったとき鳥肌もの。

    なぜこんな展開になる??
    と途中はこんな感じか~とも思ったけれど
    読み進めて最後を迎えた時に感動すら覚えた。

    ただの青春小説ではない
    美しく切なく考えさせられるお話でした。

  •  天文部に所属する4人の、ほろ苦く甘酸っぱい、けれども爽やかで綺麗な物語です。人工流星がキーワードとなり、悩みや葛藤を抱える当時の自分を重ねながら、あっという間に読み進めました
     悲しみを受け入れる強さの大切さを教えてくれ、一歩前へ踏み出す勇気をもらえます。

  • 川邉徹『流星コーリング』
    2022年 ポプラ文庫

    天文学部の高校生たちの思春期の青春物語、青春群像だと思って読み始めました。
    最初はまさに思った通りで、自分の高校生時代や、憧れなどを重ねていました。
    でも中盤からはタイムリープ(時間のループ)という展開になりびっくり。でもそれさえもが序盤での流れからは意外と受け入れられたり。エンタメ性もあるなと。
    でも終盤に向かって、もしかしてって思いながら読み進めていると、やっぱりと。
    ラストでもやりとりはあまりに切なくて。
    読了時には思春期特有のバカ騒ぎしたこと、親友、友達、部活、受験、進路そして恋愛など、まさに高校生時代の人生や思いがすべて詰まっていることに感動でした。
    さらに、自分によって未来は決まる、未来を決められる、進まなきゃいけないという強いメッセージを感じられました。
    良い意味で、こんなお話だとは思ってなかったので、感動もより一層でした。
    心に響く素敵な物語でした。
    さらに驚いたのはWEAVERの河邉徹さんの小説だったんですね。WEAVERのアルバム『流星コーリング』ともつながっていたんださらに驚きでした。読了後にアルバムを聴きながらこの感想を書いているのですが、アルバム自体もまた違った印象になりました。アルバムも切なくて本当に素敵です。

    #川邉徹
    #流星コーリング
    #ポプラ文庫
    #WEAVER
    #読了

  • 最初は過去の思い出を振り返りながら部活や恋愛を楽しんでる高校生の青春群像劇のような感じかなーと思いながら読んでいたけど途中から予想外の展開だった。
    最後は切ないけどどこか温かい気持ちになれました。

  • 青春小説。

  • タイトルが美しいです。きっと、主人公たちはこの 流星コーリング を胸に、時には夜空を見上げたり、そっと大切な人を思い出したりするのだと思います。

  •  帯に書いてあった、花澤香菜さんの言葉につられて手に取った本。読み始めてすぐに、会話文が私が使っている方言に近くて、親近感が湧いた。
     解説に、「まるで読者の自分が高校生に戻っているような、そんな青春を感じさせる一冊だった。」と書いてあったが、私もそう感じた。

  • そんなに熱心な感じでもなくゆるっとした雰囲気なんだけど、天文部で楽しく活動していて、彼女もいてとまさに青春。ループからの流れも想像の範疇を超えないものだけど、流星のような煌きの余韻を残す物語。

  • 広島の高校に通う3年生のりょう。同じクラスだった詩織に誘われて入った天文部。始めは断っていたが、りょうに合っていることから、詩織の説得により入部した。今では詩織を含め、四人で星の鑑賞を楽しんでいる。来年は東京の大学に行こうと思っているが、なかなか詩織に言えずにいた。
    そんな時、広島で人工流星が流れるというニュースを聞く。
    当日、みんなで見た人工流星。しかし、それをきっかけに奇妙な出来事が起きる。それは時間ループ。
    同じ1日を繰り返すりょう。なぜ起きるのか?
    そこには、衝撃の真実が待っていた。


    最初は青春小説として楽しんでいたのですが、中盤から急に時間ループといったファンタジー要素が加わり、そして驚きの展開へと進むので、色んな楽しみ方を味わえました。

    作者の河邉さんは、バンドの作詞としても活躍されていることから、魅力的な文章もちらほらありました。
    これ歌詞に採用されるんじゃないかというくらい、短い文章に響くものもあって、そういった楽しみ方もありました。

    その他にも、本作で魅力的なのが人工流星。始めは架空の発想かと思ったのですが、まさか現実に実在していたとは知りませんでした。
    現実では、残念ながら人工流星が降ることはないのですが、近い将来見られる可能性があるということで楽しみです。

    人工流星だけでなく、天文部ということで「星」についての描写が多く描かれています。プラネタリウムで聞くような星座を解説したり、空気澄み渡る所で星を眺めたりと「星」の描写がロマンチックでした。実際に星を見ているかのように心が浄化されていくようで、穏やかな気持ちになりました。

    また、別の高校と一緒に発表会を開催するといった学生ならではの青春も描かれていて、羨ましい限りでした。

    そんな時に起きた時間ループとその真相がわかった時の悲しみは衝撃的でした。時間をループすることでわかってきた同級生三人が抱えた悩み。りょうが一人一人と接していき、氷が溶けるかのように解決していくのですが、思わずほろっとさせてくれました。

    特に最後の詩織には、ほろっとだけでなく、悲しみも加わります。しかし冷たい悲しみというわけではなく、温かな哀しみとして、じんわりとした気持ちにさせてくれました。

    一人では、なかなか前に進むことができない人達。しかし、周りの人がいることで解決の糸口が見えるかもしれません。四人の友情や美しい星空などを味わえた作品で、読み終わった後は、清々しい気持ちになりました。多少、悲しみはありますが、悲しみを超えた感動があって、じんわりとさせてくれました。

    綺麗な星空と共に新たな気持ちで頑張りたいです。

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著者プロフィール

河邉 徹(かわべ・とおる)
1988年6月28日、兵庫県生まれ。関西学院大学文学部文化歴史学科哲学倫理学専修卒。ピアノ、ドラム、ベースの3ピースバンド・WEAVERのドラマーとして2009年10月にメジャーデビュー。バンドでは作詞を担当。2018年5月に小説家デビュー作となる『夢工場ラムレス』を刊行。2作目の『流星コーリング』が、第10回広島本大賞(小説部門)を受賞。

「2020年 『アルヒのシンギュラリティ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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