せかいいちのねこ (MOEのえほん)

  • 白泉社
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感想 : 145
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  • Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592761891

作品紹介・あらすじ

「なんてやさしいねこなんだろう。
ぼくも あんなやさしいねこになりたい」

男の子に永遠に愛されるために、本物の猫になりたいと願うぬいぐるみのニャンコと、旅先で出会うさまざまな猫たちとの心温まる絵物語。

猫たちの優しさにふれて、成長していくニャンコ。ほんとうの幸せとは?

たくさんの愛らしい猫の姿も楽しめるギフト絵本です。
2015年11月刊。

感想・レビュー・書評

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  •  本書は、「MOE」2015年1月号から12月号まで連載していたものを、新たに構成、加筆してまとめたものとなっており、主人公のねこのぬいぐるみ、「ニャンコ」は、前回読んだ『ふたりのねこ』のニャンコだと分かり、彼のその後が知りたかった私は嬉しく思う。

     今回のニャンコは、いつも可愛がってくれる男の子が7歳になったことで、そろそろぬいぐるみに飽きる年頃でないかと心配しており、いつまでも男の子と仲良しでいたいことから、『ほんもののねこ』になりたいという切実な思いを胸に抱き、そのためには、ねこのヒゲが必要だと、友達のタコくんとヘビくんに教えられたことから、相棒のぬいぐるみ「アノマロ」と一緒に探しに行くというお話。

     ちなみに、アノマロは、「アノマロカリス(Anomalocaris)」のことで、奇妙なエビの意味があり、古生代カンブリア紀(約五億年前)の海に生息したそうで、その見た目に最初はやや戸惑ったが、次第に愛おしさが湧いてきて、しかもニャンコを乗せて空も飛べる頼もしさだ。

     『せかいいちのねこ』というタイトルに込められた思いは、世界でただ一人だけの意味ではなく、『みんながせかいいち』である点に、ヒグチユウコさんのブレない気持ちの強さを感じられて、それは、本書を読めば実感出来るように、それぞれに癖のある個性を持ちながら、誰にも負けない良いところも必ず持っていて、皆が出来る範囲で当たり前のように他人のために動くことが出来る尊さにあると私は思い、それは、目的のあるニャンコが悲しみに暮れるねこを見つけたら、そちらを優先して愛をあげるのもそうだし、ぬいぐるみだろうが本物のねこだろうが関係なく、ニャンコに愛を与えてくれる、他のねこや動物たちも同様であることに加え、本物のねことぬいぐるみの違いをニャンコに教えてあげた、ねこの本音のやるせない心情に涙を誘うものがあり、とても切なかった点には、どんな存在のものにだって良いところがある、そんな広い視野でのものの見方を私に教えてくれた。

     そして、そんなものの見方は、ヒグチユウコさんのよくよく見ると、やはりちょっとあくの強い、癖のある絵柄が、何度か様々な素顔を見ていく内に、親しみを帯びた愛しさへ変わっていくのと同様であり、そんな思いは、ねこと共に描かれた、植物たちやリボンの存在にも表れており、植物は美しい自然の象徴で、ねこにとてもよく似合っており、リボンは固く結ばれた絆の象徴に感じられ、それを簡単に解きほぐすことも出来るが、そうするかどうかはそれぞれの心次第であり、そうした点に、人間同士がお互いに分け隔てなく寄り添いあって生きていくことの素晴らしさを問い掛けているようでもあったのが、私にはニャンコを始めとした、全ての登場動物が流した涙の数だけ、より大切にしていきたいと、心新たにさせられたのでした。

  • なんて優しい世界。優しい本。
    男の子に愛されたくて、本物の猫になりたいニャンコ。
    愛に溢れる本で、心が温かくなる。

    そして、誰にも真似できないヒグチさんのイラスト。素敵でした。

    • かなさん
      ねこがすきさん、こんにちは(^-^)
      私もヒグチユウコさんの描く
      繊細で優しいイラストと物語が大好きです♪
      次は「ほんやのねこ」ぜひぜ...
      ねこがすきさん、こんにちは(^-^)
      私もヒグチユウコさんの描く
      繊細で優しいイラストと物語が大好きです♪
      次は「ほんやのねこ」ぜひぜひ手にしてみてくださいね♡
      2023/12/11
    • ねこがすきさん
      かなさん、前回はおすすめをありがとうございました。
      とてもよい本と出会え、感謝です☆✨
      本当、ヒグチさんの繊細な絵は繊細なお話にぴったりです...
      かなさん、前回はおすすめをありがとうございました。
      とてもよい本と出会え、感謝です☆✨
      本当、ヒグチさんの繊細な絵は繊細なお話にぴったりですね!
      次のおすすめ、ありがとうございます♪
      必ず読みます♡
      2023/12/11
  • 市内の図書館に一冊しかなくて、予約してようやく届いた。
    この本声に出して読んだ方が可愛さがより増すような気がする。
    アノマロと再開して、いじわるねこが何故いじわるねこと呼ばれているのかも分かって、本屋のねこさんとの出会いも分かったし、お世話になったねこさんたちにお礼にも行ったし、これでようやくめでたしめでたしに向かうんだなと思ったら最後の最後に大爆笑の渦に巻き込まれた。
    娘たちと3人、お腹がよじれる程笑ったあのひげ入りニャンコ。
    いやぁ、やられた。
    感動的に終わりたかったのに、終わったらまたあのページに戻るんだもん。
    笑っちゃうじゃない。
    あ、私あの旅してる猫さん好みだわ♡

    • 翠さん
      かなさん、こんにちは(^^)
      ニャンコの可愛さにジワジワと侵食されつつあります♡
      月刊MOE、じつはまだ出会えたことがなくて。
      図書館にもな...
      かなさん、こんにちは(^^)
      ニャンコの可愛さにジワジワと侵食されつつあります♡
      月刊MOE、じつはまだ出会えたことがなくて。
      図書館にもないし、近所の本屋さんには若干数入るらしいのですが縁がなく…いつか読んでみたい雑誌です(^^)
      2024/03/19
    • たださん
      翠さん、こんばんは♪

      (現時点での)ニャンコシリーズ完読、おめでとうございます(*'▽'*)
      そういえば、本書は猫のひげを集めることで、本...
      翠さん、こんばんは♪

      (現時点での)ニャンコシリーズ完読、おめでとうございます(*'▽'*)
      そういえば、本書は猫のひげを集めることで、本物の猫になれるというストーリーでしたよね。今になって思うと、中々、シュールな設定ですが(^_^;)
      私の場合、「ふたりのねこ」の後に読んだので、妙に感動した記憶しか残っておらず、翠さんの書かれていた笑いのシーンが思い出せなくて、また読みたくなりました。
      それから、旅する猫は、一緒にいる犬とニャンコとの仲の良さの微笑ましさもあって、とても魅力的ですし、ニャンコとアノマロのかけがえのない関係性にも、ほろりとさせられますよね。改めて素敵な絵本だと思います。
      2024/03/19
    • 翠さん
      たださん、こんばんは(^^)

      ありがとうございます!無事完読しました!
      このシリーズ、トンチンカンな順番で読んでしまったので、この「せかい...
      たださん、こんばんは(^^)

      ありがとうございます!無事完読しました!
      このシリーズ、トンチンカンな順番で読んでしまったので、この「せかいいちのねこ」は私にとって解決編のような心持ちになってしまってσ^_^;
      アノマロは一体何者!?という娘たちとの共通の謎が解けました。
      「せかいいちのねこ」に出てくるねこさんたちも最後のページにモデルになった実際のねこさんが載っていたり、最後まで細部まで楽しめる素敵な本ですね!

      私の爆笑シーンは声に出して読んでいたから余計に可笑しかったのかもしれません(*´꒳`*)

      色々な事が分かったところでもう一度最初から読みたいです♪
      2024/03/19
  • パッと見、少し不気味な感じもするぬいぐるみのニャンコ
    大事にしてくれている男の子に飽きられることを心配している
    ずっと仲良しでいられるように本物の猫になろうと考える

    その方法は猫のヒゲを集めること

    そこで、相棒のアノマロと"ヒゲさがし"を始める
    行く先々で出会う猫たちと心を温まる物語の始まりである

    そして最後のいじわるねことのエピソードが心にグッと来る感動です!


    ヒグチユウコの描く絵は独特で不気味な感じもしますが(失礼w)、なんだか癖になりそうです

    • かなさん
      1Q84O1さん、こんにちは!
      ニャンコに逢えましたね(=^・^=)

      そうなんですよねぇ…
      ヒグチユウコさんの作品って
      シュール...
      1Q84O1さん、こんにちは!
      ニャンコに逢えましたね(=^・^=)

      そうなんですよねぇ…
      ヒグチユウコさんの作品って
      シュールでリアルっぽくて、
      最初は、えっ!!ってなりますよねぇ!
      でも、不思議とだんだんと可愛らしくなって
      そして、最後には愛おしくてたまらなくなっちゃううんですよね♡
      このシリーズのこれからのレビューも楽しみにしてますね♪
      2023/10/06
    • 1Q84O1さん
      かなさん、ニャンコに逢えましたよ!
      確かに、最初はちょっと……、って感じなんですがw
      だんだんと可愛く見えちゃいます^_^
      ニャンコもいいで...
      かなさん、ニャンコに逢えましたよ!
      確かに、最初はちょっと……、って感じなんですがw
      だんだんと可愛く見えちゃいます^_^
      ニャンコもいいですがいじわるねこも最高ですね!
      2023/10/06
  •  ヒグチユウコさんの「ふたりのねこ」を読んだら、こちらも読んでおくべき!と手にしました。

     主人公は、ニャンコと名付けられた猫のぬいぐるみ…。あちこちほころび、汚れも目立つようになっていたが、それは持ち主の男の子が、いつもぼくをそばにおいて一緒にいて、大事にしてくれたからとニャンコは語り幸せな気持ちになる…。この先も男の子とずっと一緒にいるためにと、本物の猫になるため猫のひげをあつめる旅にぬいぐるみのアノマノと出かける…。旅先で出会ったのは、個性豊かな猫たち…。

     なんとも、かわいい、じーんと心があったまるお話でした。ありのままのニャンコでいいよって、認めてくれる存在がいるということは、本当に嬉しいことですよね!いじわるねこがニャンコを抱きしめる場面が、一番のお気に入りです(*´▽`*)♡

    • かなさん
      たださん、おはようございます♪
      図書館で借りることも多いので
      そうすると、図書館にない作品も結構ありますしね…
      そして、何か一冊この本...
      たださん、おはようございます♪
      図書館で借りることも多いので
      そうすると、図書館にない作品も結構ありますしね…
      そして、何か一冊この本面白かった!と思ったから
      他の作品も読みたくなる~そう考えると、
      やっぱり、本棚はいつでも同じ作家さんできれいに…とは、
      いかないですよねぇ(^-^;

      そうです、極論いえば、
      好きな作品を、好きな時に読む!これが一番です(*^^*)
      たださんから、コメントいただいて
      ちょっと元気になりましたよ♪
      ありがとうございます!!
      2023/09/14
    • たださん
      かなさん、こんばんは♪

      確かに、図書館はコンプリート難しいですよね。私も、ほぼ図書館なので(買いたくてもお金が無くて)、お気持ち分かります...
      かなさん、こんばんは♪

      確かに、図書館はコンプリート難しいですよね。私も、ほぼ図書館なので(買いたくてもお金が無くて)、お気持ち分かります(^^)

      そうでしたか。
      それは良かったです(*'▽'*)
      こちらこそ、何度もお返事を下さり、ありがとうございます。
      2023/09/14
    • かなさん
      たださん、こんばんは!
      そうなんです!図書館だとなかなかね、
      読みたい作品がなかったり(^-^;
      あとは、買うのはもっぱらブックオフと...
      たださん、こんばんは!
      そうなんです!図書館だとなかなかね、
      読みたい作品がなかったり(^-^;
      あとは、買うのはもっぱらブックオフとか
      たまに、フリマサイトを使いますかねぇ…
      新品はなかなか、買えませんね…!
      だけど、読みたい本が積まれている現状…
      何とかしなければとも思ってます。

      こちらこそ、コメントをありがとうございます(*^^*)
      2023/09/14
  • 「いらないねこ」を先に読んでしまって、虜になった。ヒグチユウコさんの本を初めて読んだ時の衝撃が強かったので、やはり何冊目かは心の揺れが小さかった。
    このシリーズに出てくる猫人は皆優しい。困っているニャンコを決して突き放したりせず、いつでも、(自分がとてもじゃないけど幸福とはいえない時でも、)しっかり話を聞き、受け止め、包み込む。そして、その時何もしてあげられなくて、も、ずっと心で気にかけている。

    そんな人になりたい。そして、そんな人と友達になりたい。そんな素敵な人に会ったことはないけれど、出会えたら、そして、自分もなれたらいいな…

    このシリーズを読んでいると、自分の中の汚さが、至らなさが、身に染みて、いたたまれなくなってくる。それでも、優しく満たされた気持ちにさせてくれる。大好きだ。

  • みんなが相手を思いやる優しい世界。
    こんな世界に住みたいなぁ。

    ニャンコが「謎の茶色い子」を持ってる⁉と気になっていたら、人間の男の子がニャンコと共に大切にしている「アノマロ」だとわかった。

    男の子が書いた「さがしています ぼくのだいじなともだちです」というニャンコとアノマロのイラスト付きの手書きポスターにグッときてしまった。
    男の子はニャンコもアノマロもとても大事にしてたんだね。
    ふたりとも無事に戻れて良かった。

    アノマロって何の生物なんだろう?と気になった。
    「アノマロカリス」というカンブリア紀に生息した古生物。全長1mくらい。世界最古の大型捕食者であり生態系の覇者。

    意外に大きい。
    最初はびっくりしたけど、アノマロも可愛い(⁠ ⁠◜⁠‿⁠◝⁠ ⁠)⁠♡

  • ニャンコという名前をつけられたねこは、ぬいぐるみ。
    ぼくをだいじにしてくれてしあわせなんだけど、男の子はもう7歳。
    ぬいぐるみだからあきてしまうだろうとみんなは言う。
    本物になるためには、ねこのヒゲに集めてからだのワタといっしょにすればいいと聞いて、ヒゲを集める旅に出る話。

    いろんなねこたちと出会って、すてきな思い出といっしょにヒゲももらう。

    とてもしあわせになる話。
    絵もなんともいえない雰囲気で、何度も見て読み返してしまう。
    ねこ派じゃないけど好きになってしまう。


  • 他のブクログユーザーさんが談話室で話題に出していて気になっていたヒグチユウコさん。
    タブレットで見るとぼやけてよく絵が見えないんだけど、好みの絵な気がする!と確信。
    図書館で借りてみました。

    結果は大正解!
    ちょっとサイケなターシャ・デューダーみたいなカラフルなお洋服を着たニャンコたち。
    細かな筆致で描かれたリアルなお顔(でも二本足歩行)は思わず見とれてしまう。
    主役のぬいぐるみニャンコの瞳だけ違うんですね。
    『ベルセルク』の『覇王の卵』っぽい。

    どのエピソードも好きなんだけど、『ニャンコの抜けヒゲを集める』とか『キズのような不思議な形の耳をしたニャンコ』(たぶん避妊済みの印の耳カット)とか本当にヒグチさん、猫好きのツボを押さえてらっしゃる...!
    ご本人も相当猫好きなんだろうな。

    ヒグチさんの他の本も読んでみたいな。

    追記
    『不思議な耳のにゃんこ』の解釈は私の気のせいかもしれません。

    • chikachanさん
      今晩は。せかいいちのねこ読まれたんですね!続編のいらないねこもいいですが、画集BABELも必見です。あとボリス絵日記では四コマ漫画がたのしめ...
      今晩は。せかいいちのねこ読まれたんですね!続編のいらないねこもいいですが、画集BABELも必見です。あとボリス絵日記では四コマ漫画がたのしめますよ。興味があったらぜひ!
      2017/12/01
    • 5552さん
      chikako0420さん、コメントありがとうございます。
      実は談話室でchikako0420さんが話題にしてくれたおかげでヒグチさんを知...
      chikako0420さん、コメントありがとうございます。
      実は談話室でchikako0420さんが話題にしてくれたおかげでヒグチさんを知ったんです(^-^)
      それまで全然知らなかった。

      好みの絵柄だなーと思い、図書館に探しにいったらヒグチさんと同じ棚に酒井駒子さんの本もあり、ああこれ他のブクログユーザーさんの本棚で気になった絵本だ!と一緒に借りました。

      ‘つながる読書’ですねー。

      二冊とも素敵な絵本でした♪

      ご紹介してくれた画集と四コマ漫画、図書館にあるかな?探してみます。
      2017/12/01
  • 絵は唯一無二の圧巻。

    物語は割と普通ですかね。
    ホンワカかわいらしい話です。

    この絵の凄さは、不思議の国のアリスなみの、ダイナミックで、変わっていて少し暗い物語に活きるのではないかと思いました。

  • 男の子が大事にしているという猫のぬいぐるみ。本当の猫になりたいという願いがあり、旅に出て様々な猫に会う。
    少々怖い絵だというイメージがあり、読まないでいましたが、色使いが気になっていたのと怖いもの見たさ的なもので手に取りました。
    みんなせかいいちなのよ、暖かい物語でした。
    絵はやはり独特のものだけれど、色合いも含めて素晴らしいと思います(気にいるかどうかは別のことですが)。中でも、ねこの表情と、意地悪なねこの絵、堂々とした佇まい、光が当たっているようで圧倒されました。読んでよかった。

  • 〝ぼくの名前はニャンコ。 この名前をつけてくれた男の子が僕を大事にしてくれるので、とっても幸せ。 ぼくは、きっと世界いち幸せな縫いぐるみだと思う〟・・・ほんものの猫になりたいと願った縫いぐるみの猫が、旅先で出会う本物の猫たちとの交流をとおして、さまざまな悩みや辛さを抱えながら生きている猫たちの優しさにふれて、成長していくニャンコの心あたたまる絵物語。

  • 最近本を読めなくて、心が渇いてきたので絵本という選択をしてみた。

    ほんものの猫になりたい猫のぬいぐるみが主人公。すんごい可愛い(猫も可愛いけどアノマロカリスのアノマロも可愛い…!)。登場する猫たちがみんな人間らしくて愛おしく、不安な主人公をぎゅうっと抱きしめる描写はなんだか嬉しくて涙がほろりとしてしまった。「ありのままでいいんだよ」というメッセージが温かく(そして著者の猫愛もビシバシ)伝わった。

  • >「なんてやさしいねこなんだろう。ぼくも あんなやさしいねこになりたい」
    男の子に永遠に愛されるために、本物の猫になりたいと願うぬいぐるみのニャンコと、旅先で出会うさまざまな猫たちとの心温まる絵物語。
    猫たちの優しさにふれて、成長していくニャンコ。ほんとうの幸せとは?
    たくさんの愛らしい猫の姿も楽しめるギフト絵本です。

    読む前に『ビロードのうさぎ』みたいな話かなと想像しましたが、ちょっと違いました。
    旅する中で色々な猫に出会い、世界が広がっていきます。
    そのままの自分でも十分愛されているんだと実感できた時、ニャンコの不安は消えないまでもだいぶ小さくなったでしょうね。
    いじわるねこがすごくいい味を出していて、好きになりました。
    気持ちがほんわりあったかくなるような絵本でした。

    ねこ好きではないけれど、ヒグチユウコさんの描く猫はとても魅力的だと感じました。
    最後に絵のモデルになった猫と犬の紹介があります。
    見比べて楽しめました。

  • この絵本を知ったきっかけは記念切手。
    同僚に見せたら、猫とは別に変な生き物もいるよ?と。確かによく見ると目が飛び出たちょっと不気味な茶色い生き物が。調べたらアノマロだという。アノマロって何?
    後日局員さんに、これなんか変な生き物もいるんですよねと聞いたら、そうなんですよ笑、これ絵本なんですと。みんな気になるアノマロ。これはもう絵本を読むしかなかった。

    ねこになりたいぬいぐるみのニャンコと、アノマロや本物のねこやいぬ。ニャンコと出会うねこたちはとてもユニークで優しい。耳に傷のあるねこはさくら猫なのだろう、捨てられた赤ちゃん猫を抱いたお顔がもうお母さんになっていた。いじわるねこは人間に愛されるコツを知っているだけで全くいじわるではなかった。

    ぬいぐるみはいずれ飽きられると思っていたが、ねこには寿命がある、そんな不安をニャンコは知った。

    ニャンコがねこを愛を与えて、ねこもニャンコに愛を捧げる。本当に心温まる絵本だった。最後にモデルになった猫と犬の写真が載っていて、見比べながら再読したらより愛が溢れた。

    そして何より、アノマロは堪らなく可愛い。不気味だなんて言ったのは誰?

  • 男の子にだいじにされてきたニャンコ。
    だけど、男の子ももう7さい。
    ぬいぐるみに あきるのは そろそろってだっていうんだ。
    ぼくはどうすれば ずっとずっとなかよしで いられるかを いつもかんがえているの。
    ニャンコは男の子に愛される方法を探して旅にでて。

    同じ家のいじわるねこ、帽子でお顔を隠すねこ、本屋のねこ、3匹のお姉さんねこたち、犬を連れた旅のねこ、あかちゃんねこ。
    ニャンコとねこの出逢いがいちいちキューってなる。ニャンコの純粋な優しさがじんわりくる。
    おしゃれで、おしゃまで、つれなくって、優しい。
    そんなねこたちが、ニャンコをぎゅってしてるとこに、ウズウズして。
    「だいしょうぶ。おまえは もうりっぱな せかいいちのねこだから」
    なんていう、彼が男前すぎる。すき。

  • あたたかくて優しい世界だった〜
    表情豊かなさまざまなねこがとにかくかわいくて、ねこ好きさんにはたまらないだろうなあ

    絵がとにかくかわいい、ちょっとセンチメンタル、自己肯定感が低めな人にぜひ読んでもらいたいってきもち

  • ぼくは7歳の男の子にだいじにされているぬいぐるみ、ニャンコ。
    子どもがぬいぐるみに飽きるのはそろそろだと言われ焦っている。そんなとき、猫のひげを集めて体の中に入れると本当のねこになれると聞き、やっぱり男の子にだいじにされているアロマノと一緒に猫のひげ集めの旅に出る。
    ひげは集まるのか?本当のねこになれるのか?
    予想外の事態が次々に起こるのと、たくさんのねこが出てきてすべてのページに良く書き込まれた挿絵があるので気になってどんどん読めました。提示している内容は少し大人っぽいけど、子どももドキドキしながら読める本だと思います。文章の量も低学年の物語として良。総ルビ。字が小さくて100ページ以上あるので、少し読みなれた児童向け。基本は中学年から。
    ネコ好き、ヒグチユウコ好きなら大人にもおすすめです。

  • まさかこんな泣ける絵本と思いませんでした。
    主人公のぬいぐるみのニャンコは大好きな人のために本物の猫になるため猫の髭を集めに出かけるお話し。ニャンコとそこで出会う登場人物達とのやり取りが優しさにあふれていて泣けます。

    難しい文章も難しい漢字もない絵本ですが
    大人の方にも是非おすすめしたい本です。
    人間関係に疲れた時、忙しさに心がささくれた時
    自分に自信がなくなった時そんな時に特に読みたいです。
    そしてなんと言ってもヒグチユウコさんの世界観の挿絵に惹き込まれます。

  • ヒグチユウコさんのイラストの表情が好き!
    愛らしいということはないんだけど愛らしい
    それぞれの服も背景もなんとも素敵
    やはり絵に惹かれます
    そう、みんなせかいいち
    アノマロも

    ≪ だれだって 愛されたくて 旅に出る ≫

  • ほっこり優しいお話。
    ココロ穏やかな気持ちになれます

    ニャンコの表情がなんともいえず、
    思わずわたしもぎゅっと抱きしめたくなりました。

    登場する猫さん犬さんにモデルがいたのですね。
    巻末でちっちゃく紹介。かわいい

  • なんとも言えぬ顔立ちの猫の絵がずっと気になっていました(笑)

    可愛いんだけど、ちょっとブサイクで、でもやっぱり可愛い。ぬいぐるみのねこ・ニャンコが飼い主の男の子にずっとそばに置いてもらうために、本物のねこになりたかったお話。

    本物のねこになるためには「ねこのひげ」が必要と聞いて、ひげを手に入れるためにアノマロと一緒に冒険に出るのですが、出会うねこたちがもうみんな魅力的で可愛い。みんなが、せかいいちのねこ。

  • 大好きな『男の子』にずっと愛されたいと思い、ほんものの猫になりたい願いを持つぬいぐるみのネコ:ニャンコ。猫のヒゲを集めるとほんものの猫になれるかもしれない、と相棒のアノマロと共に外の世界へ出ます。出会う猫たちは個性的で、優しく、ニャンコたちを迎えてくれます。果たして、ニャンコは無事ほんものの猫になれるのか?紆余曲折を経て、最後までたどり着くとタイトルの意味がわかってきます。緻密な描写で、猫の魅力を最大限に引き出しているイラストが、お話に華を添えています。心がぽっと暖かくなる、不思議な世界観に魅了されました。

  • 登場する子たちみんながとっても可愛い。毛のもふもふした質感がすごい。

    私が一番好きなシーンは、3びきのやさしいねこたちと再会するところ。愛に溢れています。

    ラストの、いじわるねこの台詞がまた感動する…。

  • 2年ぶりに再読。
    絵もお話も大好き。
    ニャンコとアノマロのぬいぐるみ欲しい…

  • ねこになりたいと願うぬいぐるみのニャンコと旅先で出会う本物の猫たちとの心あたたまる絵物語。「せかいいちのねこ」とは…。ほんとうの幸せとは…。(帯より)


    ほんもののねこになりたいと願うニャンコが、旅先で出会う本物の猫たち。

    顔を帽子で隠した自信のないねこ
    最初はそっけないけどものにつられるねこ
    やさしさで包んでくれるどこか憧れるねこ
    いじわるじゃなかったいじわるねこ
    どこか寂しそうだったけど愛する対象を得て幸せそうなねこ

    生きていて出会ってきた人たちと重なるねこばかり。絵本だけれども、私たちが生きる世界が描かれている。


    「ニャンコは、大好きな人間にとっていちばんのねこ。みんながせかいいちのねこ。」
    愛されたくてほんものになりたくて頑張るけれど、いまのままのニャンコが、実は誰かにとってせかいいちのねこだった。
    ああ、そうだよなあって、ぎゅっと胸が苦しくなって、最後にホッと息をついて満たされた気持ちになる。

    自分の短所は、他の人には欲しくてたまらないものかもしれない。でもきっと、それはいろんな人たちと出会って気づかされるもの。だから、たくさんの人と生きている。

    ぬいぐるみのニャンコが、自信のないねこの手を、ねこのことを想いながらそっと包む絵。「会いたかった、ごめんね」と抱きしめ涙する絵。絵とことばの配置すら完璧な、絵本。

  • 娘にねだられて衝動買い。
    イラストが、気持ち悪くて可愛くて、ステキ過ぎる。
    アノマロ?が怖くて可愛い。

    きっとこれは「ギブ」のお話。

    続編の「いらないねこ」もきっと買っちゃいます。

  • 絵がかわいい。ねこ好きさんにはたまらない本かも。ねこと一緒にいる古代生物のアノマロもキャラがたっている。少年とずっといたいぬいぐるみのニャンコは、本物のねこにになるために、ねこのひげさがしにいく。そんななかで、出会ったねこたちも様々な事情があるようだ。本物のねこにならなくても、いかに自分が愛されているか、たくさんの人たちにささえられてきたか気づくところがすばらしい。

  • 絵はみたことあったんだけど本を手に取るのはスル―してた!めっちゃかわいい(アノマロが)&やさしい。
    絵はもしかして好き嫌いが分かれるかもしれない…独特の世界観が癖になる感じです。

  • 最初にニャンコとアノマロの絵でちょっと引いた。
    アノマロってなにーーーー⁉︎って調べて、原型分かって納得(笑
    柄が変って笑うなんてありえない。みんなの個性なのに。
    いじわるねこに「そこにすわれ!」と言われて、座ったニャンコが正座なのに笑った。

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著者プロフィール

画家。多摩美術大学油画科卒業。東京を中心に定期的に個展を開催しつつ、ファッションブランドや画材メーカーなど、様々な企業とのコラボレーションを展開している。2015年1月より、自身のオリジナルブランド「Gustave(ギュスターヴ)」を展開。独自の世界観を色濃くだしながら幅広く活動し、絶大な人気を博している。
著書に『ふたりのねこ』(祥伝社)『せかいいちのねこ』(白泉社)『ヒグチユウコ作品集』『Museum』(グラフィック社)など。

「2016年 『すきになったら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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