うさぎのだいじなみつけもの

  • ほるぷ出版
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感想 : 7
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  • / ISBN・EAN: 9784593503889

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  • ひとりぼっちのうさぎが、友達を見つけるために、同じ仲間でいっぱいだという、「イースター」を目指して、旅立つ物語。

    「イースター(キリストの復活祭)」における、うさぎと卵は、繁盛力旺盛なことから、その象徴とされておりますが、元々は、冬の間死んだように見えた大地から、新しい命がよみがえる、春を祝う日なのだそうです。

    そして、うさぎの旅は思いの外、長いものとなり、四季折々の自然を、読み手は眺めることができるのですが、その絵は、ヘレン・クレイグの淡い色彩ながら、葉っぱの一枚一枚まで丁寧に描かれた、繊細な優しさに包まれた美しさであることに加え、場面毎の展開も効果的で、特に、夕立の大雨で霞んで見えるシャクナゲの後に現れた、雨上がり後のしずくを纏ったシャクナゲの美しさは、その対照性もあって、いちだんと映えて見えました。

    また、うさぎの旅において、密かについて来ている、ねずみがいるのですが、これがまた、色々と考えられそうで興味深く、ねずみにとっては、独りではないことを、実感できる嬉しさもあるのかもしれないし、単純にうさぎのことが心配だったのかもしれませんが、私は、ひとりぼっちだと思っていても、実は見守ってくれている人がいるんだよといった、希望の存在に感じられました。

    そして、長い旅の後に、うさぎが実感したその思いには、春という季節の素晴らしさを教えてくれたようにも感じられ、それは、イースターの、新しい命がよみがえる季節のお祝いとも、見事に合致しており、春が来るのが待ち遠しくなる素敵な絵本だなと思って・・ちょっと読む時期を間違えましたね(^^;)

著者プロフィール

1915-2013年。米国ヴァージニア州生まれ。ウィスコンシン大学卒業。出版社で50年以上にわたり児童図書の編集者として活躍するかたわら、絵本作家として60冊以上の作品を出版。主な絵本に『うさぎさんてつだってほしいの』(冨山房)、『かぜはどこへいくの』(偕成社)、『ねえさんといもうと』(福音館書店)、『あらしのひ』『いつかはきっと』(ほるぷ出版)、『はるになったら』(徳間書店)などがある。

「2018年 『かあさん、だいすき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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