奇術師の密室 (扶桑社ミステリー マ 26-1)

  • 扶桑社
3.12
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594051976

感想・レビュー・書評

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  • 語り手はかつての名奇術師エミールデラコート。脱出マジックに失敗し今や植物人間状態。彼の屋敷に住むのは2代目の息子、野心的なその妻と妻の弟。マネージャーがある日訪ねてきた時、事件が始まる。どんでん返しに次ぐどんでん返しを目的に書かれたようなすごい話。騙し騙され、死人続出、そこを楽しめるかどうかでこの本の価値は変わる。あまり評判は良くなかったようで、わかる気はする。でも一部マニアには評価が高い。

  • 〇 総合評価
     マキシミリアンによるカサンドラ殺害計画,カサンドラによるマキシミリアン殺害計画の両方が裏で動いており,ブライアンが両方から殺害計画を持ちかけられる。
     ブライアンの存在がミソで,ブライアンがカサンドラそっくりに変装できることが伏線となる。
     最後は,マキシミリアン,カサンドラの両方が死に,ブライアンも自害する。こういった同行が,植物人間状態だったエミール・デラコートの視点から描かれる。
     インパクトは抜群。サプライズも十分だが,伏線が見事…というほどではなく,深みはあまりない。怒涛のどんでん返しで驚かすという点に注力されている。
     原文が悪いのか,翻訳が悪いのかは分からないけど,読みにくい。誰が何をしているのか見失ってしまうことがあり,物語に入り込めない。あと,中盤のハリーの死体探しがだれる。
     総合的に見ると,そこそこの評価。★3かな。

    〇 サプライズ ★★★★☆
     最後の怒涛のどんでんがえしは,さすがに驚く。プラム保安官までブライアンの変装だったという点と,エミール・デラコートが植物人間から復活するという点まで,どんでんがえしの連続。サプライズは★4

    〇 熱中度 ★☆☆☆☆
     文章が詠みにくい。中盤だれる…と熱中できない要素はある。最後まで読めば驚けるのだが…。熱中度は低い。

    〇 インパクト ★★★★☆
     怒涛のどんでんがえしの作品…としてインパクトはある。密室での殺人劇,植物人間の視点で描かれる…とこの作品のことは忘れなさそう。★4

    〇 キャラクター ★★★☆☆
     マキシミリアン,カサンドラ,ブライアン,プラム保安官,エミール・デラコートと,登場人物は少ないが,それなりにキャラクター性はある。とはいえ,そこまで魅力的な人物が少なく,これだけの人物が死んでもちっとも悲しくないのが難点か。★3どまり

    〇 読後感 ★★★☆☆
     サプライズに特化した作品であり,これだけ死人が出ても,ちっとも悲しくない。エミール・デラコートが植物人間状態から復活するというところは,ちょっと読後感がよくはあるが…★3かな。

    〇 希少価値 ★★☆☆☆
     絶版状態の様子。ただし,古本は手に入りやすそう。

    〇 メモ
    エミール・デラコート
     この作品の語り手。植物人間。当代きっての奇術師だった。
    マキシミリアン
     エミール・デラコートの息子。奇術師
    カサンドラ
     マキシミリアンの妻。助手。
    ブライアン
     カサンドラの弟。使いっぱしり
    ハリーケンダル
     マキシミリアンのマネージャー。カサンドラと不倫している。
    アデレード
     マキシミリアンの元妻。死別している。
    プラム保安官
     警察官。死体探しの挑戦を受ける。
    1980年7月17日,マジックルームで起こった事件

    〇 プロローグは,エミール・デラコートによる登場人物の紹介
    〇 オープニング。ブライアンがカサンドラに扮装している。カサンドラがいないときに,ケリーがやってくる。ちょっとしたトラブル
    〇 マキシミリアン登場。ブライアンは外出。カサンドラはブライアンを駅まで送る。
    〇 ハリーとマキシミリアンの交渉。マキシミリアンは,ケリーの持ち込んだラスベガス講演を断る。マキシミリアンとケリーの間のやり取り。マキシミリアンは仕事を奪い,カサンドラと不倫しているハリーに復讐をしようとする。
    〇 カサンドラが帰ってくる。マキシミリアンは,ハリーとカサンドラを殺害する。
    〇 マキシミリアンは,エミール・デラコートをいったん部屋からだし,部屋に細工をする。
    〇 プラム保安官がやってくる。カサンドラは生きていた。プラム保安官がカサンドラに尋問する。ハリーの死体を探しているとマキシミリアンが現れる。
    〇 マキシミリアンはケリーを殺したと自供。ハリーの死体を探すようにプラム保安官に言う。
    〇 ブラム保安官とカサンドラはハリーの死体探しの最中,アデレードの霊廟を見つける。
    〇 プラム保安官が,ハリーのカバンが部屋にあることを見つける。ハリーの死体は見つけられなかったが,マキシミリアンを逮捕しようとする。そこで,マキシミリアンは棺の二重底からハリーを出す。ハリーは生きていた。
    〇 ハリーとブラム保安官が去る。カサンドラとマキシミリアンが残るが…カサンドラはブライアンの変装だった。カサンドラは死んでいた。
    〇 マキシミリアンはカサンドラを殺害し,ブライアンをカサンドラとして生かすという計画を立て,ハリーとプラム保安官を利用した。
    〇 カサンドラが生き返る。マキシミリアンは死ぬ。
    〇 マキシミリアンはブライアンがカサンドラに化けていると思っていたが,本当は,カサンドラ本人だった。ブライアンはマキシミリアンを裏切っていた。
    〇 カサンドラは,マキシミリアンが用意した毒入りシャンパンを飲む。ブライアンはプラム保安官にも変装していた。ブライアンは,本物のプラム保安官を呼ぶ。

  • 密室の定義が違う。ミスリード。でも内容自体は面白かった。

  • どんでん返しに次ぐドンデン。何度叫びだしそうになったことか!
    ミステリーホラーというよりはこれはもうコメディ?
    楽しかった。

  • 前半は、語り手の解説と合いの手(つっこみ?)で
    クスッとさせられたが、
    最終的な、最後のどんでん返しをみるに、
    ミステリーというより、最大のオチを最後の最後に
    用意したコメディー(悲喜劇)かな。
    ミステリー要素としては、
    前半は、奇術を道具にした殺人?のどんでん返し、
    終盤は真犯人というか、シナリオ最終稿への
    どんでん返し。
    人をだますのが仕事とはいえ、前半はマジシャンの
    口上や演出にイラッとくる。
    終盤は登場人物の職業からマジックのネタではなく、
    物語のネタが登場人物の騙しあいにあったこと、
    語り手を含め、否、語り手の手を借りて、
    読者も騙されていたことに気づかされる。

  • 3-

  • 密室で登場人物も少ないので大変読み易かった。
    舞台でやっても面白そう。

  • マジックを読む、そんな感じの物語。ただし、人間関係の細かいところはプロット上あまり書けないためか、登場人物への感情移入がしにくい。そもそも、あまり感じのよい人間は出てこないし・・・。どちらかと言えば映像向きの作品だと感じたが、そう思って読めば楽しめる。特にマジック好きにはたまらない部分が数多くある。小説としては、凡作以下だが、仕掛けの面白さに星ひとつプラスかな。

  • は?何これ。なぜこんな作品がこのミス上位に。しかも文芸春秋でも、INPOKETでも上位らしい。

    わけのわからないつっこみと、尊大な語り口のモノローグにも、途中からこれもどうせウソでしょと思ってしまうような似たり寄ったりの展開ばかりで飽き飽きした。たぶん90分くらいの映像にするとそこそこ見れるのかなとは思った。

    ■このミス2007海外7位

  • 客席から舞台のお芝居を、見せられているような文章。シーソーのように細かいドンデン返しが続くが、期待したような大ドンデン返しも無く、尻すぼみの感。細かいストリーや、著者説明は他の人の感想を見て下さい。有名な人らしいです!

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著者プロフィール

Richard Matheson

「2006年 『不思議の森のアリス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

リチャード・マシスンの作品

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