夢に迷って、タクシーを呼んだ

著者 :
  • 扶桑社
4.02
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本棚登録 : 341
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594087739

作品紹介・あらすじ

燃え殻の話題作『すべて忘れてしまうから』の完結編が待望の書籍化!

童話”鉛の兵隊”は、焼かれた後に心臓だけが残りますよね。燃え殻さんの言葉みたいだな。―――斉藤和義

繰り返される緊急事態宣言、武士が見える女、趣味がフットサルの男、グレーな宿泊施設、退職代行サービス、青春の使い方、破られた学級新聞、タマゴサンドと牛乳、磯丸水産の夜、首都高速を走る車の音、渋谷円山町のワンルームマンション、叩かなくてもホコリの出る人生――すべて忘れてしまうから。

自身の日々の体験を基に、いつか忘れてしまう、でも心のどこかに留めておきたい記憶の断片を、抒情的に、時にユーモラスに綴った、燃え殻による断片的回顧録・完結編。読み終わったときに、忘れていた自分の大事な記憶を思い出したり、鬱屈とした気持ちが少し楽になったり……コロナ禍の今、先の見えない毎日を過ごす私たちにそっと寄り添ってくれる一冊になっています。物語を彩る装画・挿画は『おしゃれ手帖』『ギャラクシー銀座』『クリームソーダシティ』などで知られる漫画家・長尾謙一郎氏が手掛けます。

感想・レビュー・書評

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  • 前編「すべて忘れてしまうから」に続いて読み終わりました。前作と同じく、燃え殻さんという人の日々を追体験するような感覚で読み進めて、そのうちに勝手に親しさというか、愛おしさを感じたまま読み終わりました。こんな希望を持つのはおこがましいのかもしれないけれど、いつかどこかで機会に恵まれたなら一度会って話してみたいような、でも対面したらきっと自分は体裁とかを気にして本音と建て前の出し入れに手こずったりするんだろうな、とか、だから文章越しの接し方が一番いいのかもしれない、とか、そんな夢みたいな妄想を抱いたりしました。

  • やっぱり好きだな
    100%の幸せも60で書いてくれて100%の不幸も60にしてくれる

  • 書評はブログに書きました。
    https://dark-pla.net/?p=1767

  • やはり鼻につく。最初の印象はこれだ。
    著者はテレビ業界の美術スタッフであり、近年は作家やコラムニストとしても活躍している。が、彼はいつも「自称一般人」を貫こうとする。なんなら一般人よりも弱い人間であることをアピールしつつも、その文章の端々には普通では自分が溢れでている。

    丸山町に事務所がある人間がどれだけいるのだろう?
    1990年代2000年代の東京、渋谷六本木でテレビ関連の仕事をしている人は?
    ミュージシャンの愛人をやってる女の子と遊び、ミュージシャンから怒号を浴びせられる?
    ラジオに出演する、宇垣美里と共演する、どこかの社長のパーティーに呼ばれる。
    もしかしたら、その一つ一つは誰にでもあることかもしれないが、この掛け合わせの中で、彼は「普通ではない」特別とも言える人間として構成されているんじゃないか。

    著者のデビュー作で映像化もされるという「ボクたちはみんな大人になれなかった」でも思ったが、この弱さや平凡さを主張しつつも、「普通ではない」氏の日常を切り取って描かれるエッセイ集に、どこかイライラしつつ、また感傷的な表現に鼻白みつつ、時々発見する彼の痛み(もしくは痛みとは言えないレベルの苦々しい思い)に共感してしまう。全体の1%程度の共感。そのわずかな共感のために2冊目も読んでしまったわけだ。それを探すために読む価値がある、とまでは言わないが、ふと気が向いた瞬間に本を読みながら共感できる何かを探す、そんな時間を過ごすことには価値があるかもしれない。

    さて、「普通かもしれないこと」の掛け合わせにより「普通ではない」人間として構成されている彼の物語りは、もしかすると「普通かもしれない」日常を生きている私を含めた多くの人々も過去の物語を掛け合わせていくと「普通ではない」日常を過ごしてきたことになるのかもしれない、と感じたことを最後に書いておく。もちろん、だから誰でも「特別」で「大切」な存在なんだとは口が裂けても言うつもりもないが。

  • とってもよかった
    ふと感じる感覚が文字にされている感じ

  • 社会人劇団入団1ヶ月目

  • 連載「すべてを忘れてしまうから」の後半部分だそうだ。前作(前半)を読んだ時も同じ経験をしたわけでもないのにわかる!と思ったが、今回も自分の思い出をそっとなぞられている気がした。同じ時代に同じ場所で同じような経験をしても、時はそれをそれぞれの物語に改竄する。後に懐かしがって記憶をすり合わせたって同じになるわけがない。人はそうやって自分の均衡を作って生きている。記憶の改竄…それもすべてを忘れる一つの経緯なのだろう。燃え殻さんの言葉は思い出した過去の美しさも痛みも優しくくるんでくれた。

  • うまいなぁ

  • 非常階段でキャバクラの店長と大量のアメリカンドッグを食べた夜、タクシーの中で「この世界ってさロマンチックなことが少なすぎるんだよ」と言う女優、DVからフリーハグする男。

    燃え殻さんの人生で一瞬通り過ぎていった忘れ得ぬ人々が残した爪痕の数々を垣間見た。

  • 後書きで、燃え殻さんが、「ぼくと同じ気持ちを感じたことある人が1人でもいてくれたら」とあったが、短いエピソードのなかには分かるなあ、それ私もムリぃぃいみたいなことが沢山ありすぎて、この人ずるいなと思った。わたしがおかしいんだろか。

    エッセイって、有名な人がかかないとただの日記でしかなくて誰も興味を持たない、と聞いたことあるけど、燃え殻さんは有名になったから面白いんだろか?ひねくれた40代おじさん代表だから、面白いんだろか?よくわからないけどちゃんと完成された、エッセイだった。

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著者プロフィール

1973年、神奈川県生まれ。テレビ美術制作会社企画、小説家、エッセイスト。
「cakes」に連載したデビュー小説をまとめた『ボクたちはみんな大人になれなかった』が2017年に新潮社から刊行され、発売からわずか4週間で7万7千部を超える異例のベストセラーとなる。第6回ブクログ大賞[2018]フリー投票部門の大賞受賞。今年7月に発売された最新エッセイ集『すべて忘れてしまうから』(扶桑社)も3万5千部を超えるヒットとなっている。現在、新潮社の文芸誌『yomyom』で『これはただの夏』連載中。テレビ・ラジオなどへの出演も多数。

「2020年 『相談の森』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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