- Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
- / ISBN・EAN: 9784596550484
感想・レビュー・書評
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あらすじ(カバー)
貧しい村で家族と暮らす少女メアは、ある日、不思議な力に目覚める。それは奴隷階級の"レッド"が決して持つはずのない、支配階級"シルバー"の力だった。メアは王家に直ちに捕らえられ、死を覚悟するが、命と引き換えに名前を奪われ、"行方不明になっていたシルバーの王女"に仕立て上げられてしまう。宮殿で待ち受ける謀略と裏切り、冷酷な国王と二人の王子――果たしてメアの運命は。
奴隷生まれの少女が、王女になる――
帯のこの謳い文句を見た瞬間「あ、これは鉄板だろうな」とニヤリ。
600ページ近いボリュームも、その長さを感じさせない巧みなストーリー展開。それぞれの思惑が絡み合い、先の読めない人間関係。ともすれば読書のリズムが悪くなりそうな"シルバー"の持つ様々な能力もわかりやすく描かれており、読んでいてストレスを感じないのが素晴らしい。
そしてラスト。いくつもの伏線が回収されない終わり方にがっかり……。というか、ようやく長い長いプロローグが終了したかのように感じた。それもそのはず、どうやら三部作の一作目らしい。
間違いなくここから、さらに盛り上がるところなのに、続編を待つしかないのが歯がゆい。
なんとなく洋ドラっぽい印象も受けたが、これについては訳者あとがきにあるので省略。
"誰が誰を裏切るのか分からない"ので内容については触れないが、あらすじを読んで面白そうだと思った人にはオススメ。ただし、三部作ということを念頭に置いておかなければがっかりするかもしれない。
最後に、これは内容と直接関係はないが、表紙と扉絵のイラストが最高なのに対し、ラスト近くの挿絵は読者の中のイメージ像を崩すため、蛇足だったのではと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示