満月の泥枕

著者 :
  • 毎日新聞出版
3.35
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本棚登録 : 699
感想 : 106
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620108308

感想・レビュー・書評

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  • 最近の道尾秀介は、こうしたエンターテイメント性の強い作品が多い気がする。これぞ道尾秀介!という感じだが、龍神の雨などのような、ミステリ性の強いものを読みたかったりする。
    しかし、さすがは道尾秀介。ドタバタ人間劇のような話で終わるのかと思いきや、しっかりどんでん返しも用意してくれているし、人間の心理を描くのが上手い。とりわけ子どもの感情を表すのはずば抜けている。
    とにかく汐子が愛おしくて可愛い過ぎた。汐子や猛流に対するニ美男の接し方も良かった。

  • お勧め度:☆6個(満点10個)。道尾さんらしいストーリーで前作の「staph」同様どたばた喜劇みたいに感じるが、今回は最後にちょっとだけほろっとさせられる。
    内容は自分のせいで死なせてしまった娘への思いから自分は幸せになってはいけないと思い込む40代の哀れな男が娘と同年齢の姪を預かり育てていくという本筋だが、地元の祭りで一波乱、そのうえ岐阜の鉱山博物館での一波乱とまさにドタバタが続く。
    この男のキャラが素晴らしいし、姪の大阪弁、近所の住民の濃いキャラも相まっての面白過ぎる喜劇を見せつけられた気がする。

  • ふたりの男が池に向かったのに、「やめろ!」という声と水音の後、戻ってきたのはひとりだけ。これは酔っぱらいの夢か、現実か?
    半信半疑の状態から、事態は思わぬ方向へ。アパートの住人を巻き込んでの騒動からが、楽しい。軽いタッチのドタバタ劇。ミステリというより、エンタメ作品。

  • 「生の悲哀、人の優しさが沁みわたる、人情ミステリーの傑作」らしい。。

    癖のある個性的なキャラは出てくるのだが、なんか薄い。ミステリーというか、ドタバタ劇って感じ。
    以前の著者作品のような、背筋がゾクっとするような怪しさが懐かしい。

  • 似たパターンの作品が続いてしまっているので、それらの作品とついつい比べてしまいます。「透明カメレオン」と「staph」を混ぜ合わせたような内容ですが、それぞれを超えるには至らず。勿論今作も十分に面白いのですが。

  • 読み始めて少ししてから「んっ」ってなった。あーこれ読んだことあるわー。でもどんな話だったのか思い出せない…。途中まで日常が書いてあるので眠くなるが、色々事件が起こってからは面白くなった。そして最後には伏線が回収されてめでたし?心情が良く表されていて良かった。

  • 今回も伏線がたくさんで読みごたえあり。
    半分ほど読んでからその後1週間くらいあいてしまったので…細かいところを忘れつつ。やっと読了。
    心の傷をもっている人々の苦しみややるせなさがほんの少し癒されたような、ひと筋の光がさすような読後感がいい。
    道尾秀介作品を読むといつもそんな風に思う。

  • 泥枕、はどういう意味か、まだつかめていない。
    ミステリーのようでいて、家族の物語でもある。
    数組の家族が登場するが、それぞれどこか欠けている。その欠けている部分を補っていく方法も、またそれぞれなのだ。

  • 目新しさはないが、王道できっちり作られた感があり、読了感がすっきりした。読みやすいです。

  • ミステリーというか
    人情話かな

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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