おもかげ

著者 :
  • 毎日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620108322

感想・レビュー・書評

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  • 本の帯に「最後にとどめなく涙がこぼれ出た」とあったが、その通りでした。泣けました!

  • 僕はめでたく蘇生するとして、その後は一体どのようにすれば新たな人生を獲得できるのだろうか 近ごろ何かの拍子に、死んだはずの言葉や習わしが蘇生する。近い記憶は忘れてしまうが、古い記憶はむしろ接近すると言う老化現象の一種のなのだろう 親子が死なずに済む、たった1つの方法。そして僕が母の子であり、母が僕の親である限り、命さえあればもう誰も負けず必ず幸福になる。そんなことを考えながら、僕は泣き続けた
    生きていくために記憶を消去ってしまうホルモンも、存在するのではあるまいか
    驚いたことに、新宿駅は宵の口の雑踏だった。なんだか僕ひとりを謀るために、何百人ものエキストラを雇った壮大な嘘が仕込まれているような気がした
    何をしても良いと考えれば豊穣な時間だが、何もしなくても良いと考えれば貧困な時間なのである

  • ラストのエピソードで、はじめからの不可解な物語が全て繋がって、目の奥が熱くなりました。そして題名の訳も、ああ、という気持ちです。読み終わって、読んでよかったという満足感に浸ってます。

  • 人とは、何かを突き詰めれば、一人で生まれ、一人でで旅立つものなんだと改めて再認識した。

  • 成る程!そう来たかっ!

    最後にやられたよ(>_<)

    ”平成の泣かせ屋” 健在だね。

    と、言いたいところだが著者の魅力の一つである虚実混在(嘘を本当らしく書く)の虚の箇所のリアリティがいまひとつ。

    手を抜いた訳ではないだろうが、、、あるいは私自身の目が肥えたのか(笑)

  • 定年を迎えた主人公が送別会後の帰宅の地下鉄の中で倒れ病院のICUで生死の淵を彷徨う。初めは主人公を取り巻く今や会社の社長にまで上り詰めた親友である元同僚や妻や娘婿たちがその主人公に向けての心情を語る物語なのかと思ったが次第に生死を彷徨う主人公の頭の中で過去とも夢とも知れぬお話になっていき、それに登場する謎の女性とおもかげという題名がぴったり合わさった時、私の涙腺は崩壊した。

  • やはり浅田次郎さんの小説はいいなと思った
    結末は書けないけれど、最後まで読んで本当に思う
    悲しいけど、優しい
    一生懸命、自分の人生を生きる人の美しさに涙が出る

  • 定年退職の日に倒れて昏睡状態になった男。
    実直に働き、永年連れ添った妻とささやかだけど幸せな家庭を築いてきた。
    しかし心の奥底には、捨て子であるという哀しみが巣食っていたのだ。

    病院のベッドの上で男は夜な夜な目覚めて旅に出る。
    そして不思議な女たちが旅の案内人として彼を誘う。
    旅の果てにたどりついた場所は。

    「地下鉄にのって」再び、といった趣き。もしくは「角筈にて」のその後か。
    既視感はあるが、THE浅田次郎。

  • 流石浅田さん。
    泣かせます。

  • 2018/01/12-
    2019/06/13-07/02
    今66歳の高齢者です。長く生きるとそれなりの経験を積み、登場人物に自分の姿を映し出す。何年振りだろう。本を閉じて涙を流すのは。浅田次郎の作品の中でも一番好きな作品です。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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