崇高と美の観念の起原 (みすずライブラリー)

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622050414

作品紹介・あらすじ

人間は何を原因として崇高と美を感じるのだろうか。建物、植物、動物、音、色彩…古典主義を批判しつつ、現代へと連なる新しい美学カテゴリーを提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 北斎疲れというか、読書が定まらずあちこちフラフラしてる
    バーバラ・スタフォードに入る前に、ピクチャレスク前後を理解しとかないとなんともならんな、と思って、エドマンド・バーク
    まだ30ページくらいしか読んでないけど、なるほどまだ18世紀も半ば
    デュシャンもいなければ、フロイトもいないし、ダーウィンもいない時代の美学
    いうなら、相対性理論と量子力学の前のニュートン物理学みたいなもんで、まぁ、確かに日常においてはそれで充分かもだけど、まだもうひとつ、見えてないもんがある
    でも、そういう時代倒錯しないように努めると、凄く面白い

    ロックをひくとこから、人は差異よりも類似を快とする
    それは万人共通だ、と

    ただ、何に差異を感じて類似を感じるかは、その人の経験値からの固執(固執というのは僕の選んだ言葉)によるだけで、類似を見出したときに快を感じるというのは共通
    だそうだ

    でも、そうすると、元々は同じ感性だった人達が、それぞれ異なるものに固執していくのは、どういうことだろう?医学に、芸術に、数学に、商売に、と、分岐していくのは?

    大同小異の大同に感心が向いていくのは、まさに著者自身が類似に快を感じてることの現れだけど、小異の豊かさこそが20世紀に注目されたことだし、大同と小異の差異こそが、魅力的というのも20世紀に通過したところだろう

    ピカソを見て、わけわからん、という人達は、まさにここに書かれてる美学の中にいて、ピカソが人体について変更したことと留めたこととの差異に新しく発見をしていくのが20世紀くらいでしょう。アビニヨンの娘だって、顔形を変更したことと同じくらい、両手両足と顔を留めてることに意味がある。

    無意識というものは存在してなくて、距離と時間が一定だった時代の美学を考えることは、そーゆーことを改めて考えなおすことにもなって、楽しい

    とかなんだかんだ思いながら読了

    後半は読み飛ばしまくったけど、、、
    前半のが刺激的でしたね

    人の身体は大体同じで、大体同じ機能なのに、心はそうじゃない、なんてのはおかしな話で、人それぞれとかじゃなくて、案外と実は同じなんじゃないの?ってとこから、そういう美学として、美と崇高、というのが、アラーキーっぽく言えば、エロスと死だよね、定義されてく

    実感に基づき、実感を紐解くことで説明するので、段々と、もうわかったから!って気持ちになる後半はウンザリでしたけども

    崇高と美の間とか、ほんとムカつく言い方のピクチャレスクってやつに入っていくための予備読書なので、とっとと次に入ろう

  • 経験から考察することは大事
    説得力があるかどうかは別

  • 【目次】

    序論 趣味について
    第一編
    1. 目新しさ
    2. 苦と快
    3. 苦の除去と積極的な快の差異
    4. 互いに対比される限りでの喜悦と快について
    5. 歓喜と悲嘆
    6. 事故維持に属する様々な情念について
    7. 崇高について
    8. 社交に属する情念について
    9. 自己維持に属する情念と両性の社会的交渉に関する情念と差異の根本的原因
    10. 美について
    11. 社交と孤独
    12. 共感、模倣および大望
    13. 共感
    14. 他人の難儀に対する共感の効果
    15. 悲劇の効果について
    16. 模倣
    17. 大望
    18. 要約
    19. 結論

    第二編
    1. 崇高が生み出す情念について
    2. 恐怖
    3. 曖昧さ
    4. 情念に関してみた限りでの明晰さと曖昧さの差異について
    (4.)同じ主題の続き
    5. 力能
    6. 欠如
    7. 広大さ
    8. 無限
    9. 継起と斉一性
    10. 建物の大いさ
    11. 快適な対象における無限
    12. 困難さ
    13. 壮麗さ
    14. 光
    15. 建物の中の光
    16. 崇高を生むと考えられる色彩
    17. 音響と喧騒
    18. 唐突さ
    19. 断続音
    20. 動物の叫び声
    21. 嗅覚と味覚──苦みと悪臭
    22. 触覚──苦

    第三編
    1. 美について
    2. 均斉は植物に備わる美の原因ではない
    3. 均斉は動物に備わる美の原因ではない
    4. 均斉は人間に備わる美の原因ではない
    5. 均斉に関する考察の続き
    6. 適合性は美の原因ではない
    7. 適合性の効果
    8. 要約
    9. 完全性は美の原因ではない
    10. 美の観念はどこまで心の性質に適応されうるか
    11. 美の観念はどこまで徳性に適応されうるか
    12. 美の真の原因
    13. 美の対象は小さい物である
    14. 滑らかさ
    15. 漸進的変化
    16. 繊細さ
    17. 色彩の美
    18. 要約
    19. 要望
    20. 目
    21. 醜
    22. 優美
    23. 上品さと尤もらしさ
    24. 触感における美
    25. 音響における美
    26. 味覚と嗅覚
    27. 崇高と美の比較

    第四編
    1. 崇高と美の規成因について
    2. 連合
    3. 苦と不安の原因
    4. 続き
    5. 崇高は如何にして生み出されるか
    6. 苦は如何にして喜悦の原因てりうるか
    7. 精妙な器官に運動は不可欠である
    8. 危険ではない物事が何故に時折恐怖に似た情念を生むか
    9. 大きな容積の視覚的対象は何故に崇高か
    10. 広大さには統一性が必要である理由
    11. 人為的無限
    12. 振動は同室でなければならない
    13. 視覚的対象に継起が及ぼす効果の説明
    14. 暗闇に関するロック諸説の検討
    15. 暗闇は本性上恐怖の種である
    16. 暗闇が恐怖を与える理由
    17. 黒色の効果
    18. 黒色の効果は緩和される
    19. 愛の身体的原因
    20. 滑らかさが美しいとされる理由
    21. 甘さとその本性
    22. 甘さには弛緩作用がある
    23. 変化が美しいと感ぜられる理由
    24. 小ささに関して
    25. 色彩について

    第五編
    1. 言葉について
    2. 詩歌の一般的効果は事物の観念を生み出す点にはない
    3. 一般語は観念に先立つ
    4. 言葉の効果
    5. 映像を生み出すことなしに言葉が作用する実例
    6. 詩歌は厳密には模倣芸術ではない
    7.言葉は如何にして情念に影響を与えるか

  • 【目次】

    序論 趣味について
    第一編
    1. 目新しさ
    2. 苦と快
    3. 苦の除去と積極的な快の差異
    4. 互いに対比される限りでの喜悦と快について
    5. 歓喜と悲嘆
    6. 事故維持に属する様々な情念について
    7. 崇高について
    8. 社交に属する情念について
    9. 自己維持に属する情念と両性の社会的交渉に関する情念と差異の根本的原因
    10. 美について
    11. 社交と孤独
    12. 共感、模倣および大望
    13. 共感
    14. 他人の難儀に対する共感の効果
    15. 悲劇の効果について
    16. 模倣
    17. 大望
    18. 要約
    19. 結論

    第二編
    1. 崇高が生み出す情念について
    2. 恐怖
    3. 曖昧さ
    4. 情念に関してみた限りでの明晰さと曖昧さの差異について
    (4.)同じ主題の続き
    5. 力能
    6. 欠如
    7. 広大さ
    8. 無限
    9. 継起と斉一性
    10. 建物の大いさ
    11. 快適な対象における無限
    12. 困難さ
    13. 壮麗さ
    14. 光
    15. 建物の中の光
    16. 崇高を生むと考えられる色彩
    17. 音響と喧騒
    18. 唐突さ
    19. 断続音
    20. 動物の叫び声
    21. 嗅覚と味覚──苦みと悪臭
    22. 触覚──苦

    第三編
    1. 美について
    2. 均斉は植物に備わる美の原因ではない
    3. 均斉は動物に備わる美の原因ではない
    4. 均斉は人間に備わる美の原因ではない
    5. 均斉に関する考察の続き
    6. 適合性は美の原因ではない
    7. 適合性の効果
    8. 要約
    9. 完全性は美の原因ではない
    10. 美の観念はどこまで心の性質に適応されうるか
    11. 美の観念はどこまで徳性に適応されうるか
    12. 美の真の原因
    13. 美の対象は小さい物である
    14. 滑らかさ
    15. 漸進的変化
    16. 繊細さ
    17. 色彩の美
    18. 要約
    19. 要望
    20. 目
    21. 醜
    22. 優美
    23. 上品さと尤もらしさ
    24. 触感における美
    25. 音響における美
    26. 味覚と嗅覚
    27. 崇高と美の比較

    第四編
    1. 崇高と美の規成因について
    2. 連合
    3. 苦と不安の原因
    4. 続き
    5. 崇高は如何にして生み出されるか
    6. 苦は如何にして喜悦の原因てりうるか
    7. 精妙な器官に運動は不可欠である
    8. 危険ではない物事が何故に時折恐怖に似た情念を生むか
    9. 大きな容積の視覚的対象は何故に崇高か
    10. 広大さには統一性が必要である理由
    11. 人為的無限
    12. 振動は同室でなければならない
    13. 視覚的対象に継起が及ぼす効果の説明
    14. 暗闇に関するロック諸説の検討
    15. 暗闇は本性上恐怖の種である
    16. 暗闇が恐怖を与える理由
    17. 黒色の効果
    18. 黒色の効果は緩和される
    19. 愛の身体的原因
    20. 滑らかさが美しいとされる理由
    21. 甘さとその本性
    22. 甘さには弛緩作用がある
    23. 変化が美しいと感ぜられる理由
    24. 小ささに関して
    25. 色彩について

    第五編
    1. 言葉について
    2. 詩歌の一般的効果は事物の観念を生み出す点にはない
    3. 一般語は観念に先立つ
    4. 言葉の効果
    5. 映像を生み出すことなしに言葉が作用する実例
    6. 詩歌は厳密には模倣芸術ではない
    7.言葉は如何にして情念に影響を与えるか

  • 1250夜

  • [ 内容 ]
    人間は何を原因として崇高と美を感じるのだろうか。
    建物、植物、動物、音、色彩…古典主義を批判しつつ、現代へと連なる新しい美学カテゴリーを提示する。

    [ 目次 ]


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著者プロフィール

政治思想家

「2020年 『[新訳]フランス革命の省察』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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