ゲシュタルトクライス――知覚と運動の人間学 【新装版】

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622086178

作品紹介・あらすじ

「生命あるものを研究するには、生命と関りあわねばならぬ。……生命は生命あるものとしてわれわれの眼の前にある。……学問というものは、問うということの目覚めと共に、生命のまっただなかで始まったものなのである。したがって学問が生命から跳び出すありさまは、眠りからの目覚めに似ている。……生命それ自身は決して死なない。死ぬのはただ、個々の生きものだけである。個体の死は、生命を区分し、更新する。死ぬということは転化を可能にするという意味をもっている。死は生の反対ではなくて、生殖および出生に対立するものである。出生と死とはあたかも生命の表裏両面といった関係にあるのであって、論理的に互いに排除しあう反対命題ではない。生命とは出生と死である。このような生命が、われわれの真のテーマである。」(本書序より)

本書の仏訳(フーコー、ロシェによる)の序文においてアンリ・エーは、「ここに力説しようとしているのは、主体の存在の構造的発展のうちに、つまり我と我身に自己を反映させることによってはじめて世界に開かれる主体の峻烈な実存の弁証法のうちに、主体の自己自身との葛藤の意味を包摂、把握しようとする方向」なのだ、と述べている。ゲシュタルトクライス、生物学的行為の自己創造の円環性、円環形態の構造(ゲシュタルトクライス)、それは実験室、臨床、理論的思索のいずれから先に生れたとも言いえない、燃えるような生命の思想なのである。

著者プロフィール

(Viktor von Weizsäcker)
1886年ドイツの著名な学者、政治家の家系に生まれる。1904年テュービンゲン大学医学部入学、のちフライブルクやハイデルベルクで神経生理学・哲学・内科学を学ぶ。11年医師免許と博士学位を取得。20年ハイデルベルク大学医学部附属病院神経科部門長、のち正教授。26年フロイトとの知遇を得たのち、ゲシュタルトクライスの理念と医学的人間学の構想を具体化していく。41年ブレスラォ大学神経内科学教授。45年野戦病院を各地に撤退させるも米軍捕虜として敗戦を迎える。46年ハイデルベルク大学医学部附属病院「臨床医学総論」講座教授。51年パーキンソン病発症、57年死去。邦訳に『神・自然・人間』『ゲシュタルトクライス』『パトゾフィー』(以上、みすず書房)、『病因論研究』(講談社)、『生命と主体』(人文書院)、『病いと人』(新曜社)がある。

「2020年 『自然と精神/出会いと決断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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